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アポロプリエイトとは何か(フィールドノーツ2025Aug07)

性的なことに使うことの多い、適切、という評価語。

今回のプライドイベントはシニア向けだったが、オールエイジにしないといけないか不確かだったので、事前にオーガナイザーに確認をした。

しかし、判然としなかった。

"Push it!"は、歌詞の聞こえ方があからさまに不適切な響きなので、オールエイジか確認したが、シニア向けだし、「良い選曲だ」と言われて、私は、適切な程度のコスチュームの脱ぎ方を模索していた。

しかし、判然としない。

日本的には、シニア向けイベントに、孫も来ている確率はすごく高そうなんだけれども、こちらではシニア向けは大人のイベントらしい。

困ったので、結構突っ込んだ質問メールを出したが、どうも、その時の状況次第だと書いてあるように読める返事は来た。

私は、そのメールを信頼できる人に見せたら、「この人には分からないので判断できない」ということが分かるので、その場でマインドセットを変えても大丈夫なように心の準備をしておきな、とアドバイスされた。

実際、当日、1時間半前に会場に行ったら、オーガナイザーは、まだ不確かそうだった。私から、具体的な、どれくらい攻められそうかの提案をした。

30分前に、オーガナイザーに、あんまり脱がない方が良さそうだね、と言われた。私は、じゃ、チュチュだけ脱ごうかな、と提案した。

15分前に、オーガナイザーは、今回はかなり抑えてやって欲しいから、脱ぐのは一切止めよう、と言い、私は、承諾した。

オーガナイザーも不確かなので、周囲の人に確認していたようだ。

10分前、私は、それなら、そもそも選曲に問題があるんじゃないかと聞いたら、彼女は私の選んだ曲を知らなかったし聞いてなかった、と言った。

私は、それ問題だ、と流石にパニクり、DJと相談するが、曲はそのままで何とかなる、という。でも変えたいなら変えな、と。

私は、かなりテンパリ、今日はパフォーマンス出来ないと言えるな、と、取りやめる選択肢を頭の中で検討し始める。

オーガナイザーは、私とそのDJとのやり取りを見て、曲は大丈夫だ、とハッキリ宣言した。

私が、自分のオールエイジ用のパフォーマンス動画をタブレットで確認しているのを、オーガナイザーはこのやり取りの間に、複数回、チラ見して確認しているのが、私には見えていた。

彼女は司会進行もこなしながら、いろんな関係者と、細かい調整もしながら、このやりとりをしていた。

私は、ともかくベストを尽くすべく、脇でストレッチをする。

結局、またしても、ほとんどのカレオが飛んだ。忘れていたメインのトランスフラッグを魔法のように出して振るパフォーマンスも飛ばしてしまい、終わってから、その旨を述べながら追加して、エクストラのポーズ。

終わってから、彼女は、私のところにやってきて、ものすごく良かった、とにかくアポロプリエイトだった、と述べた。

今回の私の選択は、その場で一番、パフォーマンスの性的な度合いも、その場の混乱も、可能な限り適切になる様に調整すること。

カレオが全部飛んだのは、全くオフェンシブではないパフォーマンスも、ドラァグとして期待されていないことが分かっていたが、その頃合いをオーディエンスの反応を確認しながら、カレオ全体として、開始5分前から始めて再構成する能力が、まだなかったから。私には、それも分かっていた。

でも、カレオが飛んでも、頑張ればそれなりに収まる、ということは繰り返し経験済みだった。だから、私の選択は、パフォーマーとしてはパフォーマンスは無様な結果にはなるけれど、その場を、丸く収める、ということだ。

こういうシビアな判断は、イベントのオーガナイズの要、だと思うし、私は、ある意味、こういう判断に慣れているんだな、と思った。

まぁ、今回は、しょうがない。オーガナイズしている側の知り合いが増えた良い機会だった。

正直、パフォーマーとしての自分のパフォーマンスの満足度より、私には大事なものがある、というのが、よく分かった。私に、今回のパフォーマンスを頼んだ、別のオーガナイザーとの関係、これから、つながっていくであろう人びと、その人たちと、コミュニティを切り盛りすることの方に、よい人間関係を結びる人たちを選んでいくことの方に、私の優先順位がある。

私のパフォーマンスは、コミュニティに支えられないと、そもそも出来ないから、だ。今回、周囲が皆、トランスやクイアで、ジェンダーも移民形態もトランジション中の私を見守りながら、もろもろを進めてくれていたのもよく分かるし、私は彼らに感謝し、大切にしたい。そう思えるようになって、良かったと思う。

そんな、夏の終わりの一日。


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