「メンパとタイパ」ラーメンの具の話ではありません
最近「メンパ」や「タイパ」といった言葉をよく目にします。
「何のこっちゃ?」、「ラーメンの具か?」と思って調べることにしました。
<言葉の意味>
(メンパ)

メンパは、メンタルパフォーマンスの略で、心理的な負担を減らしてストレスフリーな選択を優先する、費やした労力に対してどれだけ満足できたかという精神対効果のことです。
例えば、
選ばなくてもいい「おまかせ型」や「定額制」のサービス、
失敗しにくい「推し活イベント」、
また、気を遣うだけの飲み会には参加しないとか、
嫌な気分になるだけのニュースやSNSを見ないといったことです。
複雑な現代社会の中で、精神的な疲れはできるだけ避けたいということから生まれています。
(タイパ)

タイパは、タイムパフォーマンスの略で、費やした時間に対して、どれだけ効率よく満足を得られるかという時間対効果のことです。
例えば、
動画を倍速で視聴したり、
ショート動画中心にしたり、
ネタバレなどの要約サービスを見たり、
時短家電を使用したりすることです。
ネットやSNSで情報があふれかえっているので、効率よく時間を使いたいという欲求から生まれました。
以前は、安くていいものが「コスパ最強」と言われていましたが、今は時間が短く(タイパ)、かつストレスが少ないもの(メンパ)が選ばれるようになっているのです。
<なぜ流行っているのか>
先程も述べたように、私たちの周りにはSNSなどの普及により、常に膨大な量の情報があふれかえっています。
そのため選択肢が多すぎて、「決定疲労」と言われる現象が起きています。
「見たいものが多すぎる」、
「効率よく流行を追いたい」、
「これ以上迷いたくない」、
「選ぶだけで疲れる」と、思うようになりました。
SNSなどで他人の成功や生活を目にすることで、自分と比較してしまうことによるストレスも増えてしまっています。
生成AIの急速な普及により、さらに検索・比較・判断の機会が増え、「AI疲れ」という新しいストレスも生まれています。
タイパを追い求めるあまり、常に効率重視で休む暇もないということになってしまい、「効率疲れ」に陥ってしまっています。
「これ以上ストレスに心をすり減らしたくない」という気持ちが若者に広がり、心の余裕を求めるようになってきました。
かつては「無駄なことの中に新たな発見がある」とされていましたが、今は「無駄は損失」と見られています。
失敗を極端に嫌う心理が働いていると言えるでしょう。
また、「タイパ」、「メンパ」という言葉自体が、短くて言いやすく、リズム感もあるため、流行語になりやすいという面もあります。
<なぜ若者中心なのか>
特に若者がこれらを重視するのには理由があります。
Z世代と言われる1900年代後半から2010年代前半生まれの若者たちは、生まれた時からインターネット環境が整い、幼少期からスマホやSNS、動画配信に囲まれてきました。
つまり大量の情報の中で溺れそうになり、すべてを吟味する時間がないといって短時間で価値を見極めるタイパ志向に傾いていったのです。
また、サブスク全盛の時代にハズレを引きたくないという心理や、SNSで常に誰かとつながっており、他人との比較や、すぐに返信しなければいけないという圧力にさらされているのです。
効率を求めるタイパ生活を続けていくうちに、常に何かに追われて休む暇がないという効率疲れが起こり、反動として心の余裕を求めるようになり、心の負担を減らすメンパ志向が注目されるようになったのです。
今の経済の不透明さや終身雇用制の崩壊などにより、若者は将来への不安を抱いています。
そのためタイパで時間を浪費せず効率的に自己投資し、メンパで無理せず心を削らない生き方を選ぶという生存戦略になっているのです。
<デメリットはないのか>
このように若者たちに支持されているタイパやメンパですが、これらを重視しすぎるとかえって逆効果になってしまいます。
タイパを重視しすぎると、
すぐに結果が出て来ないことや、ゆっくり経過を味わう時間まで非効率に思えてしまい、過程を楽しめず、気分転換ができなかったり、人間関係の構築を捨ててしまう結果になりかねません。
メンパも同様です。
「常に心地よくなければ嫌だ」、「疲れることは極力避けたい」と考えてしまい、逆にしんどくなってしまうことがあります。
休むことまで義務のようになって、これが新たなプレッシャーとなってしまうのです。
このように、目先の楽しさや速さだけで判断してしまうと、本当の意味の楽しさや成長や信頼といったことを失いやすいのです。
<どうすればうまく活用できるのか>
タイパとメンパを上手に使うコツでいちばん大事なことは、すべてを一つの同じ基準で判断しないことです。
家事や事務作業、移動や情報収集など、早く済むほど助かるようなことはタイパ向きです。
一方人間関係、休息、睡眠など、気持ちが安定することが大事なことはメンパ向きです。
つまり作業にはタイパ、心にはメンパということです。
また、散歩や雑談、瞑想といった日常生活の中の一見無駄に見えることにもちゃんとした価値があることだとして残しておくことです。
そして、これらを「今楽か」ではなく「後で良いか」というように長い目で見て自分にプラスになるかどうかで決めることが重要となります。
どちらもほどほどがいいということですね。

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