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どう違う?区別と差別と逆差別

最近、外国人問題が取り上げられているニュースをよく目にします。

例えば、「外国人には生活保護をすぐに出すのに、日本人には審査が厳しい」などの問題を、高市政権が是正しようとすると、「外国人差別だ!」、「いやいや、これは差別ではなく区別です。」といったやり取りです。
ご記憶の方も多いと思います。

私から見ると、これは日本人に対する逆差別状態の是正に思えます。

そこで、今日は区別と差別、そして逆差別も含めて考察していきます。


<区別とは>

「区別は、客観的な違いを理解して分類すること」

具体例は、
〇 黒と赤のペンを色で区別する。

〇 仕事とプライベートをはっきりと区別する。

〇 男性用トイレと女性用トイレを区別して設置する。
というようなことです。

<差別とは>

「差別は、正当な理由もなく、不当な価値観を持込み、特定の対象を劣ったものとして、不当に扱い不利益を生じさせること」

例えば、
〇 性差別:性別を理由に昇進機会を与えないことなど。

〇 人種差別:肌の色を理由に採用を拒否することなど。

〇 出身地差別:出身地や家柄を理由に交際を断ることなど。

〇 障がい者差別:障がいを理由にサービスを拒否することなど。

本人の努力では変えられない特徴に基づく不利益扱いです。

<逆差別とは>

「逆差別は、社会的弱者やマイノリティを救済や優遇するための措置が、結果としてそれ以外の多数派マジョリティに対して不公平や不利益をもたらす状況のこと」

これは、
〇 大学入試で女性比率を増やすために女性枠を設けた結果、女性と同じ点数かそれ以上でも男性が不合格になるということ。

〇 同様に女性管理職比率を上げるために、男性候補よりも評価の低い女性を優先して昇進させること。

〇 歴史的に不利だった人への優遇制度。

〇 1960年代アメリカで行われていたアファーマティブアクション(積極的差別是正措置)により、アイビーリーグの入試で、黒人はプラス230点、ラテン系はプラス185点、白人はプラスマイナスゼロ、アジア系はマイナス50点、スポーツ特待生はプラス200点というような、人種によるSATスコア修正が行われ、最高裁の判決でアジア系への逆差別であるという判決が出ています。

このように、公平に近づけようとして行われたことが、やりすぎたために不公平になったり、見る人の立場によって評価が分かれたりします。

先の例で言うと、女性管理職比率を上げるためには、女性管理職育成のための研修制度を充実させるなどの対策の方がが良かったことになります。

障がい者雇用の問題も、障がい者の業務内容を調整すればいいのであって、仕事を免除してしまうと問題になります。

正当な配慮とは、機会を揃えるための調整で、スタートラインを公平にして本来の力を発揮できるようにすることなのです。
結果を無理に合わせようとするあまり、過剰に優遇してしまうのが逆差別になります。

配慮の必要性をルールとして明文化し、継続的なものではなく一時的なものとして期限を設け、評価基準は絶対に変えることなく、機会を平等に広げ、結果は実力に任せるべきなのです。

<3つの違い>

「区別は、違いの認識が合理的な根拠に基づいていること。
差別は、“違い”を理由にするため、合理性がなく、偏見が伴うこと。
逆差別は、是正のつもりの救済措置により、他方が不利になること。」

<公正とは何か>

「公正とは、英語でJustice、不平等を生む社会構造そのものを変えること。
公平とはEquityで、各人の状況に応じて必要なものを与えること。同じ扱いではなく、納得できる扱いのことです。
平等とはEqualityで、全員“同じ”ものを与えることです。」

古代ギリシャのアリストテレスは、

「全員に同じ量を与えることが必ずしも正義ではなく、
その人の貢献度、必要性、能力に応じて与えるような異なる扱いをすることこそ、真の正義である」

としています。

平等は手段であり、
公平はその実現のための調整であり、
公正は根本的な構造変革なのです。

これらの何を優先させるかの基準は、時代とともに変化するため、
常に「目的は正当なものか」、
「基準は感情や偏見でなく、合理的に説明できるものか」、
「特定の人だけを極端に優遇していないか」、
と問い続けることが大事になってきます。

区別、差別、逆差別、どれも「公正とは何か」という根本的な問いに通じる、とても深いテーマなのです。

深すぎて溺れそうなので、このあたりで筆を置くことにします。

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