85.【日常エッセイ】|犬に深淵を教わる
深淵をのぞく時、お供させてください。
以下の太字はこの記事の要点です。
暇な方以外は、本文まで読まず、
下記の太字のみ読んでいただければ大丈夫です。
★は読んでくださる方への役にたつ情報ですが
本文には全く関係ありません。
"チョコとミントは人気者"
"あれは本当にいつもの犬だったのだろうか"
"なんという思いあがり"
"ニーチェ先生"
★「忘却はよりよき前身をうむ」もニーチェの言葉。
本日は普段より早起きできた。
愛犬チョコとミントが、
やたら寝ていたわたしの顔を舐めるので。
寝ているわたしの顔から
美味しい匂いでもしたんだろうか。
舐められるとクサくなるから
過度には舐めないでほしい。
起きたので顔を洗う。
もしかして、わたしの生活習慣を正してくれようとしているのだろうか。
そんなチョコとミントは散歩に連れて行くと人気者である。
ウォーキングしているおじさんやおばさんたちが声をかけてくれる。
「カワイイわんちゃんですね」
「ありがとうございます」
うちの子達、カワイイでしょう?
飼い主のわたしも鼻が高い。
小さいお子さん連れで散歩している方も
声をかけてくれたりする。
「ママ、ワンちゃんだよ」
そんな風にお子さんが声をかけてくれたりする。
「チョコとミントっていいます」
うちの子達、カワイイでしょう?
飼い主のわたしも鼻が高い。
先日、お母さんと散歩している小さい女の子が、
わたしとチョコとミントのことを
じっと見つめ続けていた。
いや、わたしのことは見てないか。
チョコとミントのことを見つめ続けていた。
「こんにちは」と挨拶はしたが、わたしから積極的に話しかけたりはしない。田舎といえど不審者だと思われたら困るし。
すれ違った後も
その女の子はチョコとミントを見ていた。
家に帰ってから、母にそのことを話すと。
「〇〇さんのところの〇〇ちゃんね。いつもチョコとミントをなでたがるのよ」
なるほどね。チョコとミントのことは知っているけど、見知らぬわたしが連れていたから寄ってこなかったのか。
あれは本当にいつもの犬だったのだろうか。
なでたいけど、いつもの犬じゃないのか?
いつものおばさんとかおじさんが連れている犬に似ているけど、今日は見知らぬヤツが連れている。チョコとミントが散歩させているアイツは誰なんだろう?
あの女の子の頭の中ではそんなことが巡っていたのだろうか。だとしたら申し訳ない。
今度もし出会ったら「チョコとミントだよ」と言ってあげよう。
不審者と思われないよう細心の注意を払って。
あの女の子からすると、
きっとわたしはチョコとミントのオプションなのだろう。
犬のSPみたいな。
犬の執事みたいな。
犬の鞄持ちみたいな
なんてことだ。
なんという思いあがり。
わたしがチョコとミントを散歩に連れて行っているのではなく、チョコとミントがわたしを散歩させてくれていたのか。
「…深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
ニーチェ先生。
今、わたしはあなたの言葉を実感しております。
わたしがチョコとミントを散歩に連れて行くとき、チョコとミントもまた、わたしをお供させてくれていたのですね。
外は雨。
今日はお供させてもらえないみたいだ。
クボタヤマダ
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