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キャラになりきりたいんじゃない、壁になりたいの! ~攻め視点・溺愛受けで描く『壁観賞型』BL創作論~

皆様、読むのでも書くのでもいいんですが、BL小説の視点って、攻め寄りですか? 受け寄りですか?

こちらの記事では最近のボーイズラブは三人称一元視点(「マリーは~」「みつるは~」と主人公の目線ながらも一歩引いた視点で語るもの)が多いそうで。
ただ三人称一元視点(一人称に近い三人称)の厳密なルール上、視点人物以外の心理描写を直接書くことはできません。っていうか、書けなくないわけじゃないけど、大変技術がいる。
だから技術がない人が双方の心理的描写を描こうとすると、どうしても拙著のような書き方になってしまったりするわけです。

この書き方だとルールが決まってるので「今の心理描写は誰のもの?」って考えずに済む。ただ群像劇のバグと一緒で、一章ごとに視点がころころ変わるので没入感が薄れるとかなんとか言われます。
ま、そうですよね。読者は視点を通して没入してるわけですから。

基本は受け視点だそうです

BL小説はゲイ小説とは違います。読者の大多数は女性だと言われます。
ですのでどうしても視点は受けに親和性が高い。
あと攻めの視点で、攻めが自分のスパダリぶりを表現するのが大変難しいからじゃないかとも。
モノローグで自分のスパダリな要素を列挙したら、どんだけ自意識過剰やねん! という話になる。まあそういうイタい男性を書くなら別なんだけれども。そうでないなら本人の視点では「普通」なんだけど、読者から見たら「うわ、ハイソ!」と思うようなエピソードにページを割く必要がある。それもストーリーの一環として。技術がいる。
それよりも主人公に設定した平凡受けから「あの人は僕と違って何でもできて素敵だなあ」と初手から語らせる方が手っ取り早いわけです。そして物語は一貫して彼に「僕に対する攻めの武勇伝! 武勇伝!」を恋愛を軸に語らせる。
だから語り手として受けの視点があり、読者はその受けになり切って、素敵な攻めと恋をする。

私の傾向として

ところが私はと言うと構成とか考えない場合、視点は「攻め」に寄りがちなんですよね。

これとか、ほぼ攻めの視点。たぶん、愛されるよりも愛したいタイプなのか、心の中に漢を飼ってるからなのか。書き手には割と多いらしいですよ、攻めを飼ってる人。
普通はそれをネタ元にして、受けの視点を使って表現するというコンバートをしてるらしいです。商業化にあたり、視点のメジャーが受けだから。
私はそこをしないで、そのまま攻め視点で出してしまってるんですよね。商業化をまったく考えていないので。自分の書きたいように書いてるから。

主人公の「器はいい(中身は……)」ところとか、物語のキーとなる特徴的な外見については「受けの溺愛と観察」を利用することで表現することになります。
この表現効果は意図したものではない副次的な結果ですが、割と気に入ってて、今では手癖だな、とか思ってます。サブキャラである受けにとにかく「攻めのこういうところが好き好き~」って語らせる。
こういう構成なのでたぶん私の書く話はキャラ没入型ではなく、壁になって微笑ましく眺める型なんじゃないかと。

恋に理性を奪われている受け

しかしこの「受けに攻めを溺愛させる」システムでは、受けが攻めによく言えば「ベタぼれ」なんだけど、悪く言えば「依存的」で「恋の熱病で理性を失っている」状態になりがち。もっと言うなら「女々し」かったり「正気を失って」いる。
BLなんだから受けが聖母でいいかとも思うんですが、読み返すとたぶんちょっと自分の好みとは違うんでしょう。違和感。
私の中には「心の中に女の子を宿してない男子が『惚れたから抱いて』ってのはあるのか?」という疑問があるからではないかと。BLはファンタジーだからそこまで真面目に考えなくてもいいのにねえ(自省)。
私、「同性に抱かれるってことはミリも理解できないんだけど、だからこそ攻めに対して『惚れた』『抱かれたい』って屈服してしまう男子」がスキなんですよね。でもそれを表現するのすっごい難しいんですよ。本来は恋愛の話のはずなのに、自分の中の女々しさと折り合いをつける葛藤にすり替わりがちだし。

ただ、男性の中に住んでる「包まれて癒されたい」って部分。これは相手を問わずに、ある。性的な範疇とは違う、母なるものへの憧憬と言っていい。
現代女性相手ではそれを癒し合うのが難しい社会構造だから、同性相手に成立してるって、最近は自分に言い聞かせて書くようにしています。
ちなみに年とるとこの部分が高じてガチで「女子みたいな感性のおっさん」がよく見られるようになる。
年齢層高めのB(?)Lに私が抵抗感少ないのはその事実を知ってるからです。逆に若い子のBL書くときはいつもちょっと悩んでいる。

リアリティを求める必要はないのだけども

私自身が完全なファンタジーを書けない人だからしかたがないな、と思いながら今日も今日とてまたプロットを切ってたりする。
次に書く話は長編じゃなくて、中編ぐらいでこのあたりの考察をしつつ、書いてみようかな、と思っています。

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