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雪でマラソン大会が中止に|完走メダル・エイドはどうなる?【ラン特集記事②号外】

雪でマラソン大会が異例の中止続出

強い冬型の気圧配置により列島の広い範囲で「雪」となった2月8日、開催が予定されていた各地のマラソン大会では、異例の〝中止〟が相次ぎました。マラソン大会は基本、延期という対応ができません。ゆえに、当日の開催中止による経済的損失や、提供される予定だったエイド(食料)、今日の日付などを入れて製作された完走メダルはどうなるのか。過去の例を調べてみました。

さいたまマラソンの中止決定は当日早朝

1万5000人以上がエントリーしたさいたまマラソンは、ランナー界ではとても人気の高い大会です。
前日となる2月7日午後6時の段階では「開催予定」としていたものの、当日となる2月8日午前5時、「雪による悪天候のため中止」を急きょ発表しました。東京マラソンの1か月前に行われる首都圏周辺での開催大会ということもあり、全国のランナーたちは埼玉県や東京都内に宿泊を伴ってこの日を迎えます。

前日夜の状況として、雪の影響はそれほどないだろうとみられていました。しかし、深夜から未明に降り続いたようで、大会事務局は「開催に向け準備を進めておりましたが、会場周辺及びコース各所の降雪状況を確認した結果、中止と判断させていただきました」と苦渋の決断を記している。

さいたまマラソンのウェブサイトはサーバーダウンの状態が続いたほか、SNSでは「賢明な判断」「主催者は相当悩まれたうえでの英断だ」「選挙もあって運営側は相当大変だっただろう」「信頼できる運営で来年にリベンジする」などといった温かいメッセージで溢れました。この記事を書いている午前10時半時点でも都内ではサラサラな雪が降り続いていますし、路面にも雪が積もり始めています。大会ができたとしても、交通機関の乱れてますし、行き帰りの移動の混乱を防ぐためにも、真っ当な判断であったと思います。

HPはダウン。Xで情報を得ました

東京、神奈川、京都、群馬など多くが中止

この日は、東京墨田区が初めて主催した「すみだランニングフェスタ」、八王子で創価大や帝京大、有力高校チームなどがエントリーしていた第76回全関東八王子夢街道駅伝も積雪の影響で中止。神奈川・丹沢湖周辺コースで行われる第80回かながわ駅伝も路面の凍結により中止と判断。埼玉のみさとシティハーフマラソン、京都府市町村駅伝、群馬の桐生市堀マラソン)なども中止となっている。

経済的損失は100億規模か

ランナーだけでなく、応援者、ボランティア、地域住民など、1大会の開催にかかわる関係者は数万人規模となります。そんな中、「経済的損失ってどのくらいだろう」「2万人近いランナーに提供される予定だったエイド(レース中の給食)はどうなるの」といった声がありましたので、調べてみました。

関西大学の宮本勝浩・名誉教授が「市民マラソン中止の経済的損失」(2020年9月公表)について計算した結果、東京マラソンの場合は約290億円、大阪マラソンでは約188億円に上ると試算をしています。約290億円は、東京都民を約1425万人とすると、1人あたりに約2000円を配布できる額となります。

大阪マラソンのエントリーはおおよそ3万人。今回中止となったさいたまマラソンはそのおおよそ半分の1万5000人となるので、経済損失は90億~100億と推定されます。都民数で割ると、おおよそ700円なので、お弁当1個が提供できる計算。ただ、今回はすでに前泊しているランナーもいますので、損失額はもう少し抑えられる気もします。

エイドの食料はどうなるのか

過去の大会を例に見てみると、福祉関連の施設や団体に寄付をされたり、賞味期限が近いものは動物園に届けられ、動物の餌にして無駄を防いでいるようです。

富山マラソンは福祉施設や団体に提供

富山マラソンのウェブサイトによると、給水所やフィニッシュ会場で提供する食品(エイド)で余剰があったものについては、その一部を廃棄せずに回収した。その回収食材は、特定非営利活動法人フードバンクとやまを通じて、福祉施設や福祉団体などに届けられます。中止時だけでなく、完走者が想定より少なかった場合の余剰分も同様に扱われています。

横浜マラソンは被災地や動物園に寄付

横浜マラソンでは2017年の台風で中止となりました。
エイドで提供予定で賞味期限の短いバナナやオレンジなどは、近隣動物園に寄付。飴やチョコなどは、横浜市社会福祉協議会に寄付をしたといいます。また、給水用の水やスポーツ飲料については、福島県被災地支援のために寄付されました。

横浜マラソン公式による発表資料から

給水は基本的にペットボトルに入った水やスポーツドリンクを紙コップなどに注いでくれますから、こちらは提供事業者に返却などとなるのかと思います。

完走メダルはどうなるの?

さいたまマラソンでは、完走者にフィニッシャーズメダルが提供される予定でした。「2026年」などと、その大会ならではの印字などもされています。過去の中止となった大会では、それら製作品がどうなったのでしょうか。

2019年に大雪で中止となったいわきサンシャインマラソンでは、申込者全員にメダルや郵送されましたし、2022年に大雪やコロナの複合理由で中止となった北九州マラソンでは、すでに製作済だったメダルを無駄にしないため、本来「FINISHER(完走者)」と刻印する部分を空白にしたり、シールで対応するなどして「大会記念メダル」としてランナーに届けられました。

2017年に台風21号で中止となった横浜マラソンでは、「翌年リベンジして完走した人には、2017年分も渡す」という非常に珍しい対応がとられました。

今後の対応に注目

数万人規模が参加する大規模大会では、給食や完走メダルやタオルなど、参加者分となる数万枚単位での対応が生じます。レース場の規制に関する立て看板やコーンの撤去なども同様でしょう。さいたまマラソンについても今後、もろもろの対応に対する発表がされるものと思います。

SNSの投稿を見ると、さいたまマラソン大会の会場周辺では、警備の方たちが立て看板を手に「開催は中止になりました」と伝えているようです。
会場の設営を撤去するのも相当大変な作業かと思います。運営に携わる方々の苦労は想像に難くありませんが、来年に向けて、どうか体調に気を付けて対応していただきたいと願うばかりです。

かくゆう私も、今日は同僚とマラソン大会に出場しようと楽しみにしてきました。ランナーの皆さん、当日に体調や気分などを合わせてきたと思いますが、これまでの努力は次につながります。今日についてはポジティブに、こんなこともあったな、という「思い出」として、次に邁進していきましょう!(ランニングジャーナリスト・ノハラ)

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