野党政治家「蓮舫」(1)
この参議院議員選挙から「蓮舫」からひらがなに開いた「れんほう」となったれんほう候補。都知事選から1年を経てこの参院選に出るというので、私は彼女の演説がとても楽しみでした。これまで、タスキを着けず、漢字の「蓮舫」を貫いてきた彼女が、「れんほう」とひらがなで書かれたタスキをかけるというではないですか。「応援弁士と間違われないよう、候補者れんほうを現したかった」と紙面にはありましたが、どうにもスッキリしません。どんなブランディング戦略なのか、心境の変化なのか、これを確かめたく演説を聞きに行きました。
女性の演説で外せないこと
「女性が演説するときに大切なのは数字を使うこと」と、自民党の野田聖子議員に直接聞いたことがありました。野田聖子議員の演説は、聴衆をとても惹きつけます。野田聖子議員は、かつて先輩にこう言われたと話してくれました。女性の弱点は数字を使わないことにより、内容が抽象的になりがちで、論理的な話のほうが好きな男性陣には届きにくい。だから政治家なら、演説で上手に数字を取り入れることが肝要だ、と。
とはいえ、「110兆の一般会計が」と言われても日常的に「兆」を聞き慣れない聴衆にはピンときません。この点、ここをうまく使いこなしている政治家にかつての蓮舫議員でした。

蓮舫の演説 「数字」
私は、女性の演説指導をするとき、「数字を使うなら蓮舫議員の動画を探して参考にしてください」と言っていました。蓮舫議員は「100兆」から「100億」→「1千万」→「1000円」と、国家予算を日常の食費に置き換えて、聴衆に腹落ちさせることがとても上手でした。しかも、その数字の上に、ノンバーバルとしての「怒り」を乗せ、「だから政府与党のここがダメなのだ」と聴衆に納得させるのがピカイチで、バーバルとノンバーバルの組合せがとても上手いのです。メディア出身の蓮舫議員の演説は、よく研究され、練り上げられていました。ですから、昨年の都知事選でも、最終日のマイク納めは蓮舫候補を見に行っていました。
「ソフト蓮舫」のデビューは、昨年の都知事選

2024年の都知事選挙。野党票を二分した石丸候補の登場で、当初は小池現職と知事と競り合うと見られていた蓮舫候補は3位に終わりました。でも、振り返ると、蓮舫候補の演説に変化があったのはこのときからでした。
蓮舫の演説 「パフォーマンス」
蓮舫候補の演説は、現状の批判をする場面では、腕を高く上げ、手のひらを鷲掴みにするように指を開き、眼光鋭く、”だからこれがダメなのだ!”と伝えていました。それが、この都知事選挙の演説で、彼女がなんだかソフトムードに変わったような気がしていました。これまでより、動きが滑らかでパンチは控えめ。そして笑顔がとても多かったのです。悪いことではありません。でも笑顔を意識するあまり、伝わる力が弱っていました。拳を突き上げるのではなく、遠くに知った顔を見つけては最高の笑顔でアイキャッチ。どの方向にも笑顔を振りまくソフト蓮舫の登場でした。
次号「れんほう候補が読み違えたもの」に続きます!明日をお楽しみに!

