どちらが「地元」なのだろう?
東京のお盆は7月。今年も母を迎えに行ってきた。
姉が用事で来れないため、今回は兄と二人でお墓参り。
兄のことはちょっぴり苦手なので、姉がいないだけでめっちゃ心細かったけれど、蓋を開けてみれば楽しく過ごすことができた!
兄とはお寺で待ち合わせ。
時々小雨がぱらつく、風がまったくないとても蒸し暑い日で、すでに汗だく。
まずは母にお線香をあげて、お花をそなえる。
永代供養墓なので、いつも綺麗に整えられている。ありがたいことです。
兄もここに入りたいようなことをいつも言っているけど、お墓参りに来るたびにスペースはどんどん埋まり、もう空きはなさそう。
母と一緒に入れてもらえたりしないかね?笑
なんて話しつつ。
まだまだ先の話だろうけど。
お墓参りのあとは、いつも奥様が淹れてくれたお茶を御馳走になり、ご住職と奥様と、少しお話をする。
いつもは姉が中心となって話を盛り上げてくれるので、コミュ障な私は相槌をうったり笑うだけでなんとかなっているけれど、今日は姉がいないので、うまく話せるか緊張!
しかし、さっすがご住職と奥様。自然に話題を広げてくださるので、終始穏やかに楽しくお話することができた。
話が上手な人って、ほんと憧れるなぁ~。
さて、お墓参りも無事に済ませ、ここからはいつも姉の車で実家まで移動するけれど、今日はその足がない。
てっきり電車で行くのだと思っていたら、なんと近くのバス停から実家のそばまで、バス一本で行けるとのこと!
なに、その好アクセス!知らなかったんだけど!
なんなら自転車でも、何度か来たことがあるらしい。今日は暑いからバスで来たようだけど。
そもそも、このお寺さんとの御縁はとても不思議で。
母が亡くなったあと、横浜の葬儀屋さんが、お葬式でお経をあげていただくために探してくださったお寺さんだったのですが、浅草のお寺ときいてびっくり!
浅草は母が大好きな街で、母ととてもゆかりがある土地。
そして、実家からも近い。
お墓をつくるならピッタリの場所だ。
どうして何の予備知識もない葬儀屋さんが、このお寺さんとの縁を繋いでくれたのか、今でも姉と兄と、そしてご住職も「不思議な御縁ですね~」と。
それだけでも驚いていたのに、実家からバス一本で来れるのか~。
いやほんとマジで、母自身が、自分が眠りたい場所を決めたんだろうね?笑
そんなこんなで実家に行き、仏壇周りを賑やかにする。
兄が全部用意してくれていて、私は持ってきたお供えものをちょこんと乗せたくらい。
お線香をあげると、今年も母は良い笑顔で笑っている。
暗くなるころ、兄が迎え火を焚いてくれた。

……なんか今年は「おがら」より新聞紙の割合のほうが多くない???
まあ、そこは御愛嬌。
毎年思うけど、迎え火を焚いている兄は、とても良い顔になる。
このあたりでは、迎え火や送り火を焚いている家庭をまだ見るそうだけど、こっちでは見たことないんだよなぁ。
まあ私が、その時間帯にあまり外に出ることがないからかもしれないけど。
「お母さんは、いい息子を持って幸せだね」
とつぶやいてみた。
母の認知症がひどくなるまでは、長いこと、この実家で母と兄は2人で暮らしていて、兄はときどき、母をドライブに連れ出し、いろいろなところに行ったようだ。
私はそういう親孝行をしないうちに、家を出てしまった。
今でもとても心残りだ。
毎年この時間は、もっと母と美味しいものを食べて、いろんなところに行きたかったなぁと思ってしまう。
もっともっと、たくさん話をしたかった。
これも、たくさんある後悔のうちのひとつ。
兄と軽い食事をしながら、母のこと、ちょっと不安な老後のことなんかを話す。
今日の兄はお酒を飲まなかったので、苦手な兄にはならなかった。
いつも飲むのに、気を使ってくれたのかな?
そろそろ帰ろうか、というところで、兄が「帰りは100円バスで押上まで行くといいよ」と教えてくれて、
「100円バスぅ~!?」
と驚いた。
どうやら小さなバスが、墨田区を循環しているらしい。
実家からスカイツリーまで100円で行けるということに驚き、めっちゃ羨ましくなる!
なんか自分が住んでいた頃より、かなり魅力的な街になってるんですけど!
兄が「バスの時刻表は写真でばっちり撮ってあるから~」と、それを信じてバス停まで行くと……
時刻表が変わってて、もうこの時間、押上行きはないですや~ん!笑
ってことで、「最寄り駅まで歩きます、ここでだいじょぶです、お疲れ様でしたー」って帰ろうとしたけど、兄が駅まで送ってくれることになった。
優しいな!だいぶ歩くぞ?
久しぶりに地元の街を歩いたら、小学校の頃に仲が良かったお友達のマンションがまだそのまま残っていて、その子のことを思い出した。
今でもここに住んでたりするのかな。
それとも結婚して、どこか遠くへ越してしまっているのかな。
道はほとんど変わってないけれど、私が知っている景色に混じって美しいスカイツリーが見えて、もう私が知っている地元ではない風景になっていた。

さらに、駅まで来たら、ここどこですかー!?ってな具合の変わりよう!
どこの都会ですか!

もう面影すらない……
このあたりはよく知っているはずなのに!
お上りさんのごとく写真を撮りました!地元なのに!笑
送ってくれた兄にお礼を言って、はじめて「東武スカイツリーライン」なる電車に乗る。
そんな電車走ってたんです?(無知にもほどがある)
もう地元なんて言えないな……知らないことばっかりだ!

人生の約半分を横浜で過ごしたので、これからは横浜が、私の地元になるのかもしれない。長いこと住んでいるわりに、まだ全然横浜を知らないのだけど!
思い出の中の昔の墨田区が、やっぱり地元なのだ。
「地元」ときいて思い出すのは、何もない、どこかパッとしない街。そんなに思い入れがあったわけではないけど、小さい頃に過ごした街の風景というものは、やっぱりどこか特別なものがある。
そのほとんどが、もう消えてしまっているけれど。
思いがけず、ちょっとオシャンに生まれ変わった地元を歩くことができて楽しかった!
次は母の命日に。
また三人で、あ、母も入れて、四人で会いましょう~♪
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