短編 | 僕はロボットになりたい
僕はロボットになりたい。
だってかっこいいじゃん。強いし。
腕とか飛ばせるし。空も飛べるし。硬いし。
僕がロボットになりたいって言うとママは「いいわね」って言ってくれる。
パパも「お、それは強いなぁ」って言ってくれる。
これはほんとになるしかない。
どうやったらなれるんだろう?
ちょっと待てよ、他にもロボットを目指している人がいるかもしれない。
パパはどんなことをも観察と研究が大切だって教えてくれた。
まずは観察。
ロボットを目指している人はどんな人なんだろう?
うーん、わからない。
パパに聞いてみる。
「そうだなー。今の日本だとロボットということがバレると研究機関に連れて行かれるかもしれないから、周りの人と同じような装いをしているんじゃないか?」
「装い?」
「同じ様な髪型、服装、歩き方をしているってこと」
そんなの見たことないけどなぁ。
パパが言うなら間違いないか。
観察、観察。
電車の中。
あれ、もしかして。。
あ、きっとそうだ!
でもバレちゃダメって言ってたなぁ。
耳元でこっそり聞いてみよう。
「お姉さんもロボットになりたいの?」
「えっ」と驚くお姉さん。
黒い服とスカートにカチッとした髪型、ロボットみたいな眼をしている。
「僕わかっちゃったんだ。お姉さんロボットになりたいから、みんなと同じ『装い』してるんでしょ?」
お姉さんは少し黙ったあと泣いちゃった。
ほっぺたが涙で濡れる。
なんでだろう?
僕にバレちゃったからかな?
「僕誰にも言わないよ?」
心配になった僕はそう言った。
「ふふふ、ありがと。でも私はロボットにはなりたくないんだ」
そう言ったお姉さんは、ロボットの眼から人間の眼になっちゃった。
なんだやっと見つけたと思ったのに。
お姉さんは、次の駅で反対の電車に乗って行ってしまった。笑顔で手を降ってくれたから僕も振り返す。
今はどこからどう見てもただの人間にしか見えない。
つまんないな。
ま、いっか。
ロボットの眼をしている人は他にもいっぱいいるってわかったし。
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