片付けはなぜ、元・片付けのプロの私でも難しいのか
ライフオーガナイザー(元)で二級建築士として、かつては「暮らしと空間のプロ」と名乗っていた私でも、「片付け」は難しいと日々実感している。
空間が…とか、収納のテクニックが…といった問題もあるけれど、
実際には、気持ちや心の状態、脳のクセ、物との関係のように、どうにもならない側面もある。
春なのですっきり掃除したい……と思ったので、以前の経験を踏まえてちょっと覚え書き。
1. 物理的なスペースよりも大切なこと
どれだけ増えても全部収納できる、すごく大きなスペースがあるなら別かもしれないが、だいたいは最小限のスペースに片づけて、できれば居住スペースを広くとりたい。
一人暮らしなら自分のルールで進められるが、家族がいると、必然的に自分以外の人のものが増えることがある。
どれだけ自分が必要最小限で暮らしたいと思っていても、一緒に住んでいる人のものは勝手に捨てられない。
お互いに性格や考え方が違うと、片付けは難しくなる。
ある人は、「定位置に物がないと苦痛」だと感じ、
ある人は、「どうしても、元に戻すのが苦手」なのだ。
これらは「脳のクセ」であり、どちらが正しいという問題ではない。
2. 心と空間の関連性
また、片づける気が起こらない…というような、心が弱っているときもある。
そんな時は、何をどうしたっても難しく、
片付けが先か、心が元気になるのが先か、
あるいは両方とも少しずつ進めるような場合もある。
急いで片づける必要はない。
時期が来たら、自然とさっぱり片づけられる場合もある。
3. ささやかな一歩の積み重ね
片付け本には、多くのセオリーがある。
何か一つ、不要なものを捨ててみるとか、
どこか一か所だけ、綺麗にしてみる、とか。
ささやかな一歩を、毎日少しずつ積み重ねることで前に進める場合もある。
いくら「思い切って物を捨ててピカピカの部屋で暮らしたい」、と思っていても、
たいてい複雑に絡み合った問題があって、ひとつずつ、根気よく向き合っていくしかなかったりする。
4. 完璧ではない「折り合い」のある暮らし
わが家の場合、夫と四人の子供たち、それからペットの鳥がいるものだから、
あっちもこっちも、自分の思い通りにはいかないわけで。
ちなみに私の場合は「使ったものを元に戻せない」で、
夫は「定位置に物がないのが嫌」と「捨てるのは苦手」なタイプ。
そう簡単ではない「片付け」を、完璧を求めるのではなく、暮らしの中で少しずつ折り合いをつけていく。
