なぜ「聞こえない龍」は世界の絶対悪となるのか。あるいはこの世界に生み出したキャラクターへの祝福として。
一念発起して初の長編ダークファンタジー小説『聞こえない龍は、世界の絶対悪となる』をTALESにて公開した。既に第一部・全58話(約7万5000字)の原稿はすべて完成しており、あとは淡々と投稿していくだけの状態になっている。1日2回(昼・夜)毎日更新の予定なので、興味があれば是非ブックマークなどをしてほしい。
しかし実のところ、この小説は最初から「Web小説として世に出そう」と考えて書き始めたものではなかった。これまであちこちに書き溜めてきた無数の世界観設定やプロット、キャラクターなどをGoogleのNotebook等に入れ、Geminiに読み込ませて動かしたら小説が作れないか、という一種の技術的な実験のつもりであった。
その結果は驚くべきものだった。最初はさすがに「面白い」と思えるものは出てこなかったが、プロンプトの調整を重ね、対話を深めて後半になると、もう自分が書かなくても「自分っぽい」作品をAIが出してくるという、驚きと恐怖を感じるほどの体験をした。これは全く新しい世界の執筆方法なのではないだろうか。このシステム的な方法論についてはまた後日、別の機会に触れたい。
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この小説は、世界観を徹底的に練り込み、それをまとめてAIに入れて、あとはこちらの指示する筋書き(プロット)の通りに執筆するように設定するという共同作業で進めている。(まぁ、出力された文章の修正・リライトに作業時間の8割を費やしているのだが)
本作の主人公、聴覚障害のある青年カイは、純白の鱗を持った龍として異世界に転生した。生まれた瞬間に空間を砕き、兵士を肉塊に変えるほどの規格外の力を持つ、いわゆるチート持ちである。
しかし彼は、前世から抱える聴覚障害ゆえの卑屈さから、その力を使うことに強い恐怖を覚える。「この新しい世界でも、自分は一人ぼっちになってしまうのではないか」という恐怖から、高圧的な帝国のシステムにみじめに隷属する道を選ぶのだ。しかし帝国は、そんな彼を都合の良い危険な「兵器(道具)」としてしか扱わず、鉄の首輪をはめて檻に閉じ込める……というストーリーが展開していく。
この小説を作る過程で、何度も何度も原稿を読み返して思った。
「これは、私が日々社会に対して感じていることを、ファンタジー世界に置き換えただけではないか」
私は生まれつき耳が悪く、それが原因で中学生のときに不登校を経験したのち、聾学校へと転校した。23歳のときには人工内耳の手術を受けて、どうにかこの「普通の社会」に適合しようともがいてきた。私をよく知っている人からすれば、私はその社会適合に比較的成功している部類の人間だと感じるかもしれない。しかし、その内側には、今でもやはり「まともに聞こえていれば」とか「ADHDや双極性障害の特性がなければ」という暗い澱(おり)が、常に渦巻いている。
AIという無機質な機械を組み込み、技術的な実験として淡々と書かせているつもりだった。
しかし、なぜだろう。できあがっていく物語の行間には、社会に対してどうしても拭いきれない私自身の「怒り」というか、暗くマグマのような負のエネルギーがこれでもかと注ぎ込まれていた。その生々しい感情に引っ張られるようにして、物語の世界が、キャラクターたちが、生き生きと立ち上がったかのようにすら感じる。
そういう意味では、私はキャラクターを単に創作したのではなく、怒りの泥水から「生み出してしまった」とも言える。そして、私の内なる怒りによって生み出された彼らもまた、作中において、とても卑屈で、そしてとても怒っている。
この、自分の内なる濁りから生まれた世界やキャラクターたちが、ここからどう転がっていくのか。それに関しては、作者である自分もまだ、ぼんやりとしか見えていない。AIを使うにせよ、自力で筆を使うにせよ、創作とは結局、自分の心の暗い奥底を旅することなのだろうと改めて感じさせられた。
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本作の第一部(全58話)はすでに完成しており、あとは淡々と投稿していくだけである。ブックマークしていただければ更新通知が届くので、ぜひブクマしていただきたい。
しかし、大変に重く、スカッとしない展開が続くという意味では、この作品は現在のウェブ小説のトレンドとは真逆を行く。だが、投稿からわずか二日目で累計PVは300を超え、異世界ファンタジー日間ランキングでは19位という、望外のロケットスタートを切ることができている。
「うまくいけばいいなぁ……」と言葉を濁すのがいつもの私だが、今回ばかりはハッキリと言ってしまおう。
私は、この作品で「note創作大賞」を本気で獲りに行きたい。
これは、私自身が評価されたいとか、有名になりたいという個人的な欲求よりも、生み出してしまった愛おしいキャラクターたちへの責任だと感じているからだ。完璧な鉄仮面を被ってシステムの中で足掻くエルナと、静寂の中で全く知らない世界を彷徨うカイ。彼らの過酷な旅路を多くの人に届けて、見届けていただきたい。このコラムを書くことも、旅を始めた彼らへの祝福であり、親としての祈りである。
というわけで、ぜひ『聞こえない龍は、世界の絶対悪となる』を開いていただき、スキを押して応援していただけると、大変に嬉しい。
(結局はスキが欲しいというだけのコラムなのか、これは。まあいいんだけど)
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妻のあおががてんかん再発とか体調の悪化とかで仕事をやめることになりました。障害者の自分で妻一人養うことはかなり厳しいのでコンテンツがオモシロかったらサポートしていただけると全裸で土下座マシンになります。