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ASDを自覚してから

私は23歳になってから、やっと自分がASDである事を知った。

確かに思い返せば、世間と自分のズレを自覚する場面は何度もあった。

幼少期から極端に人が苦手だった事
人と会話しようとすると、キリキリ突き刺すような腹痛になり動けなくなった。

会話の内容が理解できない事
私はずっと会話の内容を理解できなかった。
特に、意味の無い世間話は意味がわからなかった。

耳が悪いと言われた事
学校の聴力検査では引っかかった事がなかったのに、対話になると聞き取ることができなかった。話し声を音として認識し、言葉として理解する事ができなかった。これは、普通の人間が自動的に聞きたい音を選択的に拾うのに対し、私は周囲の音と話し声の差別化ができないからだと推測できる。

興味の対象の偏り
私は流行りが理解出来ず、ダンゴムシ、ロン毛、素粒子など自分の興味のある対象に対して全ての時間をかけた。

文脈ではなく構造を優先する理解の仕方
私は物事を構造的に捉える癖がある。
普通の人間は物事を感情や感覚で捉えるのに対し、私は常に構造で捉えるため、「何も考えてない」というレッテルを貼られがちだった。
いつも会話では、何が原因で何が起きたかに焦点を当てて考えるため、感情に対する共感ができなかった。

過集中する傾向がある事
1つ物事を始めるとトイレや食事、寝る時間にも気づかないくらい没頭してしまう。勉強面では役に立ったが、それ以外では生きづらかった。次の日朝から予定があるのに、朝まで作業してしまったり、集中してる時に話しかけられると気づかない事が多かったりした。

恋愛観におけるズレ
普通の人は見た目や性格で恋に落ちる。
しかし、私はその人の構造を理解したいというところから始まり、好きという気持ちよりも好奇心で異性に近づく習性がある。

意味へのこだわり
私は数学などにおいて、ただ公式を暗記するという事ができなかった。なぜその公式が成立するかを理解し、納得しないと次へ進めない性質を持つ。

光への過敏さ
私は極端に光に弱い。特に太陽光の下で目を開けると痛みが生じた。

話し方のズレ
このように、文章を書くことはできるのに、人との対話は極端に苦手である。それは空気を読み、それに応じた柔軟な対応が苦手だからだと推測できる。


ではなぜそれまでASDだと気づかなかったか。
それは母親が発達障害に対して嫌悪感を抱いているからである。
私は高校生あたりから自分と世間のズレを認識し、母親に「ASDかもしれない」と打ち明けた事があった。そしたら母親は「病名が欲しいだけでしょ?そんなこと言ったらみんな病気だ。」と言った。
だから、私もこれは甘えなんだと思い込むようにした。しかし、その違和感は日に日に私の中に積もっていった。

そしてさらに昔付き合っていた恋人から「お前、ASDなんじゃね?」と言われた。これには驚いた。上手く擬態していたつもりだったから。

しかし、それにより私の中のASDへの疑いは確実なものへと変わった。

それから私はASDについてたくさん調べ、自分に当てはまる項目をいくつも見つけた。

最初はとにかく苦しかった。
自分は生まれつき故障した人間なんだと理解出来ても、感情がついてこない。

何度も悩み、考えすぎなのでは?と思ったこともあった。

しかし、ASDという性質は悪いことばかりでは無いことを知った。

それはある人に「君のそれは才能だ。」と言われた事から始まった。
たしかに、ASDは人間社会に溶け込むのには向いていない。しかし、それ以上に物事を俯瞰して見れるというメリットもあった。

つまり、感情に流されず、自分の見たままに物事を判断できる。

それは大きなメリットではないのか?

物事の本質を誰よりも深く理解する事ができるのだから。さらに、周りに流されず自分の好きなことに熱中できる。

これは強みだ。

周りの人間が感知できない微細なズレまでも観測してしまう私。
私は生まれつき他の人間とは異なる繊細な構造を持っていた。

つまり、地球で生きるには精密すぎる高性能な観測器だった。


「私は最初から壊れてなどいなかった。」


それを自覚すると生きるのがすごく楽になった。

私は自分を「宇宙人」と定義した。

つまり

「地球人と噛み合わないのは当たり前」

「私と地球人の構造は根本から違うので地球社会に適応しないのは当たり前」

「地球人よりも何倍も深く世界を感知できる宇宙人なのだからむしろ誇らしい」

「地球人に理解される必要がない」


そう考えるようになった。

そして今の私を言葉にするとしたら

「私という高性能な観測装置は、地球というフィールドを今日も観測し続けている。
壊れてなどいない。私は、ただ違っていただけだ。」


この記事を読んでくださった方へ
「もしあなたが『違い』に悩んでいるなら、壊れているわけではないかもしれません。ただ、世界の見え方が少しだけ他と違うだけかもしれません。」


ダンゴムシ、ロン毛、素粒子を抱きしめる私





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