脳の発達に必要な栄養素③
神経発達に必要な栄養素①、②という記事で、神経発達に必要な栄養素についてまとめました。
脳の発達はまだ未解明な部分も多くありますが、ADHDや自閉スペクトラム症などの神経発達症の発症リスクや、将来のうつ・不安症状との関連が報告されている栄養素もあります。
特に脳の発達が盛んな乳幼児期には、必要な栄養素が不足しないように心がけたいものです。
この記事では、それぞれの栄養素がどんな食品に含まれているかをまとめてみました。

① DHA
脳の約60%は脂質。その材料になるのがDHAです。
最もおすすめなのは青魚です。
特にサバ、イワシ、サンマ、ブリ、サケが優秀です。
目安として、
サバ半身:DHA 約1000~1500mg
イワシ2尾:DHA 約800mg
が含まれます。
妊娠中の女性は週2~3回程度の水銀の少ない魚(サケ、イワシ、サンマ、サバなど)の摂取が推奨されます。
② 鉄
鉄不足は貧血だけでなく、認知機能にも影響します。
牛乳をよく飲む幼児では不足しやすいので注意が必要です。
摂取は吸収率を考えるとレバー、赤身牛肉、カツオ、マグロが優秀です。
植物性の鉄(ほうれん草など)は吸収率が5%前後ですが、肉や魚のヘム鉄は15~35%程度吸収されます。
ビタミンC(果物)と一緒に摂るとさらに吸収率が上がります。
③ ヨウ素
日本人では不足になりにくい栄養素です。昆布、わかめ、海苔で十分摂取可能です。
昆布は極端にヨウ素が多く、昆布茶、昆布だしの大量摂取などは妊娠中には過剰になることがあり注意が必要です。
④ ビタミンB12
最も効率が良いのはあさり、しじみ、牡蠣などの貝類やサンマ、サバ、卵です。
特にあさりは非常に優秀ですが、乳幼児では貝類は食べる機会が少ないため、卵や魚から摂る方が現実的です。
B12は植物性食品にはほぼ含まれないため、ベジタリアンでは欠乏しやすい栄養素です。
⑤ 葉酸
妊娠前後でとても重要です。おすすめの食材は枝豆、ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガス、納豆などです。
加熱で失われやすいため、蒸す・電子レンジ加熱が推奨されます。
妊娠を希望する女性ではサプリメントによる補充も推奨されています。
⑥ ビタミンD
近年は『骨』だけでなく脳との関係も注目されています。
おすすめはサケ、サンマ、イワシ、ニシン、干し椎茸ですが、魚から摂る方が効率的です。
また、ビタミンDは光を浴びることで体内で合成されるため、地域や季節、服装などにもよりますが、週2~3回15~30分程度の日光曝露を組み合わせると十分なビタミンD状態を維持しやすくなります。
⑦ MFGM・ガングリオシド
乳脂肪球皮膜(MFGM)は、母乳にも多く含まれ神経細胞の膜の材料となる成分で、乳児期の認知機能との関連も研究されています。
食品としては母乳、牛乳、ヨーグルト、チーズなど乳製品が供給源です。特に乳脂肪部分に多く含まれます。
⑧ 亜鉛
特に優秀なのは牡蠣、牛肉、チーズといわれています。牡蠣1個で1~2mg程度含まれます。
幼児の牡蠣取は推奨されないため、牛肉、チーズ、ヨーグルトで摂るのが現実的です。
⑨ ビタミンA
おすすめは卵黄、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、うなぎなどです。
妊娠中、特にレバーなどを大量に食べるとビタミンAの過剰摂取になることがあり、胎児の器官形成異常につながる可能性があるため、摂取量に注意が必要です。
まとめ
1週間の献立で考えると
・魚(サバやイワシ、サケ、サンマ)を週2〜3回
・卵を日々の食事に取り入れる
・乳製品、緑黄色野菜、海藻類を毎日
・赤身肉や貝類を週数回
といったように意識して取り入れるのがおすすめです。
日本の伝統的な和食は、実は今回挙がった栄養素をほぼ網羅できる食事パターンです。
特に妊娠中・乳幼児期では、「サプリメントを増やす」よりも、魚・卵・海藻・野菜をバランスよく摂る方が安全性の面でも優れています。
脳の発達には、「これだけ食べればよい」という特別な食品はありません。
魚、卵、肉、乳製品、野菜、海藻を偏りなく食べることが、結果として脳の発達に必要な栄養素を十分に摂ることにつながります。
子どもの健やかな成長のためにも、毎日のバランスの良い食生活を大切にしていきましょう。
