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わたしとある所|Lifescape Archive Project

人と場所の関係をめぐる対話と記録

見に来てくださってありがとうございます。
ここでは、「場所」にまつわるエピソードをインタビューして、言葉と絵でアーカイブしています。

心に浮かんでは消える、うねりのような問い

「人と場所は、どのようにつながっているのか」
その探求のため、出会う人のエピソードを集める記録を始めました。

対話が照らしたその人の一面を味わい直すと、
そのときには気づかなかった思いが見えてきます。

注意深く対話を重ねるうちに、他人を知ろうとすることが、コミュニケーションのはじめの一歩で、ひいては世界を知ることだと思い至りました。

──もう会えない人も、疎遠になった人も。
かつて確かに交わした言葉や時間が、
じんわりと今日を明日を支えている。
そんな実感が「わたしとある所」の始まりです。


人生の折り返し地点を過ぎた今、
「自分が本当に向き合いたいテーマに時間を使おう」と決めました。そのひとつが、この問いです。
「場所」とは一体何なのか?

フランスの文化人類学者マルク・オジェは、
「場所とは記憶が堆積し、アイデンティティと歴史を育む場」であり、一方で現代社会に増え続ける「非-場所(ノン・ソリュー)」とは、人と人との関係性を持たない匿名的な空間だと語りました。

 コミュニティの集団的な記憶が堆積するのが”場所”であり、”場所”というものがアイデンティティを構築し、関係を結び、歴史を持つ。
 ”非-場所”とはそうしたことが実現できない、人や財を加速して循環させるために人類が創造した匿名性に満ちた空間(空港や巨大スーパーマーケットなど)である。

『非-場所 スーパーモダニティの人類学に向けて』(中川真知子訳 水声社)

旅人の目、訪問者の感覚

住宅建築のインテリアの仕事をしていたころ、打合せで多くの街や個人宅を訪れました。
イタリア留学中には、ヨーロッパやモロッコ、マルタを旅し、多様な場と人に出会いました。
──その中でふと感じていたのは、「その場の感情」が、そこにいる人々と不思議と似ているということです。

また、「自分は今ここにいる」と、強く実感した場面の記憶では、自分の断片が永遠性をもち、まだそこにいるような気がします。

私は、
・いま自分が立っている「場所」
・過去に存在していた「ある所」
・心に刻まれた「場面」
──これらをたどりながら、場所と人の関係を探ろうとしています。


ひとつの対話が、伝承になる

記録し、公開を続ける中で感じているのは、語られたエピソードは、やがて話し手からも、書き手からも遠く離れ、「匿名性をもった物語に変わっていく」ということです。

そのひとつの物語は、国や時代を越えて、誰かの心の奥にある「場所の記憶」に灯をともすかもしれない。その小さな灯が誰かの道しるべになるかもしれない。

──このプロジェクトは、そんな思いとともにLifescape Archive Projectとして記録を集めて共有する試みです。


Text & Illustrations by Shogar Hariko
First Draft: July 7, 2024
Edited: May , 2025


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