波乱万丈の人生をプラスに変えた作家
読書も、どん底の気持ちを立て直すのに役立ちました。
いろいろな作家に助けてもらいましたが、その中からとくに助けてもらった作家を4人選び、4回に渡って紹介したいと思います。
まず紹介したいのは、小説家の宮本輝さんです。
宮本輝さんは、「螢川」で芥川賞を受賞し、「青が散る」「優駿」「泥の河」などの数々の作品が映画化、ドラマ化されている文学界の重鎮です。
しかし私が救いを求めて繰り返し読んだのは、小説ではなく、宮本輝さんの人生を書いたエッセイやインタビュー本でした。
どれも昔買った本で、インタビュー本をふと手にして読み返したらおもしろくて、その他に買っておいたエッセイ本を探して、読みまくったのでした。
なぜ宮本輝さんの人生について書かれた本を読んで救われたかというと、宮本輝さんの人生は不幸の連続で、ひどい目にあいながらも見事に成功し、幸福を手に入れることができたからです。
まず、数々の試練を乗り越えた成功者なので、言葉に力があります。
ページをめくるたびに、生きるエネルギーをたくさんもらえました。
宮本さんに起こった不幸をいくつかあげてみましょう。
医者に20歳まで生きられないと言われるほど病弱な体で、48歳の父と36歳の母の間に一粒種として生まれる。
お父さんが商売に失敗し、無一文になって、極度の貧困生活を送る。
お母さんがアル中になり、自殺未遂をする。
大学在学中にお父さんが大きな借金を残して精神病院で亡くなる。
そのせいで借金取りに追いまくられ、母と夜逃げをしなければならなくなる。
バイトをやりまくらないと生活できなくなり、大学に通う余裕を失う。
会社員になったが、不安神経症にかかる。
会社を辞め、苦労の末にやっと小説家になれたが、肺結核にかかる。
肺結核の治療が終わると、母親が胃がんになる。
『錦繍』の執筆時に、再び、強い不安神経症の発作に襲われる。
阪神淡路大震災で自宅が壊滅する。
どうでしょう。
ひとりの人間にこうも数々の不幸が降りかかるなんて、不公平すぎると言っていいくらいです。
でも、こうした経験を積んできたから、人の心に響く作品を書ける小説家になれたとも言えます。
苦しい時、もっと苦労をしている人の話を聞くと、少し気が楽になるものです。
さらに、その人が成功して幸福な人生を送っていることを知ると、大いに励まされます。
宮本輝さんのエッセイには多くの人を励ますパワーがあります。
辛い気持ちを抱えた方に、おススメします。
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