【273】猛暑の中で続ける理由はあるのか?球児ファーストで考えたい高校野球
高校球児を暑さから守れ
「夏の甲子園」は特別。
でも、今の暑さを軽く見てはいけない。
高校球児にとって甲子園は、
誰もが憧れる特別な舞台です。
その夢や伝統は、
これからも
大切に守っていくべきだと思います。
しかし、
近年の夏は
昔とは比べものにならないほど
厳しくなっています。
気象庁によると、
2023年の日本の夏(6〜8月)の
平均気温は平年より1.76℃高く、
1898年の統計開始以来、
最も高くなりました。
さらに、
2024年の日本の年平均気温も
平年より1.48℃高く、
こちらも統計開始以来最高でした。
また、
総務省消防庁によると、
2024年5〜9月の
熱中症による救急搬送者は
97,578人にのぼり、
過去最多となりました。
こうした状況の中で、
危険な暑さの中で
試合をすることが当たり前になり、
大会運営も毎年のように
見直されています。
高校球児の命と健康を守るためにも、
「真夏に開催すること」を
前提にした考え方を、
一度見直す時期に来ているのでは
ないでしょうか。
① 甲子園だけでなく、
地方大会も過酷だ
暑さの問題は、
甲子園だけに限りません。
地方大会は、
7月の炎天下で行われることが多く、
球児たちは連日のように
強い日差しの中でプレーしています。
さらに、
審判や応援団、吹奏楽部、保護者など、
試合を支える多くの人たちも
同じように暑さにさらされています。
実際、
高校野球の現場では、
熱中症の疑いで救護室に運ばれる
選手や関係者が毎年のように出ています。
そのため日本高野連も、
2018年夏の甲子園で
朝夕の「2部制」を導入し、
2023年には開会式を夕方に変更、
5回終了時のクーリングタイムも
取り入れました。
つまり、
主催者自身が
「真夏の高校野球は、そのままでは危険だ」
と認めているようなものです。
地方球場の中には、
甲子園ほど設備が整っていない場所もあり、
十分な暑さ対策が難しい場合もあります。
だからこそ、
まず考えるべきなのは、
高校野球全体の日程や
開催方法そのものです。
② 開催場所や開催時期を
見直す選択肢もある
「夏の甲子園」という伝統は大切です。
しかし、
伝統を守ることと、
今の環境に合わせて
開催方法を見直すことは、
決して矛盾しません。
たとえば、
* 夏の全国大会はドーム球場を活用する
* より暑さの少ない時期への
開催変更を検討する
といった方法も考えられます。
もちろん、
簡単に決められることではありません。
それでも、
球児の安全を最優先に考えるなら、
こうした議論には
十分な意味があります。
実際、2023年夏の甲子園では、
開会式を夕方に変更し、
クーリングタイムまで導入しました。
これは、
もはや「暑さ対策があれば大丈夫」
という段階ではなく、
大会そのものが
暑さを前提に組み直されていることを
示しています。
大切なのは
「甲子園でやること」そのものではなく、
「球児が安全に全力を出せること」
ではないでしょうか。
③ ルール変更より先に、
環境を変えるべきだ
暑さ対策として、
試合形式やルールの変更が
議論されることがあります。
たしかに、それも一つの方法です。
しかし、
まず優先すべきなのは、
球児が危険な暑さに
さらされない環境を整えることです。
開催場所や開催時期を見直すことで
解決できる問題があるなら、
先にそこを改善すべきです。
競技の本質を大きく変える前に、
できることはまだあるはずです。
たとえば、
試合時間の短縮や
7回制のようなルール変更は、
選手の負担を減らす一方で、
野球の形そのものを変える
可能性があります。
それに対して、
開催時期や開催場所の見直しは、
競技の本質を守りながら
安全性を高める方法です。
まずは環境を変える努力をし、
それでもなお足りない部分があるなら、
そのときにルール変更を
議論するべきではないでしょうか。
まとめ
高校球児を暑さから守ることは、
今すぐに考えるべき課題です。
そのために必要なのは、
無理をして
真夏の開催を続けることではありません。
気象庁のデータが示すように、
夏の暑さはすでに
「昔より少し厳しい」では
済まない段階に入っています。
そして、
消防庁の統計が示すように、
熱中症は毎年、
多くの人を救急搬送に追い込む
深刻な問題です。
見直すべきなのは、
真夏開催を当然とする前提そのものです。
高校球児が
安心して夢を追える環境をつくること。
そのために、
高校野球の開催方法を
改めて考える時期に来ているのでは
ないでしょうか。
