今を本気で生きるために、未来を考える。
こうして現役中から活動をしていると
「現役なのに、もう引退後のことを考えているの?」
そんなふうに思われることがあるかもしれません。
でも僕にとって、未来を考えることは今を諦めることではありません。
むしろ、今を本気で生きるために必要なことだと思っています。
セカンドキャリアという言葉に興味を持ったのは大学生の頃でした。
実際に論文のテーマとして取り上げるほど関心があり、引退後のキャリアについて調べる機会も多くありました。
ただ、その頃はまだどこか他人事だったように思います。
本気で自分の将来として考え始めたのは、プロになってからでした。
ラグビー界は以前まで、企業スポーツとしての色が強い世界でした。
大学を卒業して社員として入社そして入団をし現役を引退した後も、そのまま所属企業で働くという道が一般的でした。
でもリーグのプロ化が進み、プロ契約の選手が増えた今は、自分自身で次のキャリアを切り拓いていく時代になりつつあります。
だからこそ、僕と同じような悩みを抱える選手はこれからもっと増えていくのではないかと思っています。
僕が将来を強く意識するようになった理由はいくつかあります。
一つは年齢です。
プロスポーツ選手の現役生活は決して長くありません。
年齢を重ねるにつれて、「あと何年プレーできるんだろう」と考える時間は自然と増えていきました。
もう一つは怪我です。
怪我をすると、競技人生には終わりがあるという現実を嫌でも突きつけられます。
そして一番大きかったのは、家庭を持ったことでした。
以前は自分一人の人生でした。
でも今は違います。
守りたい人がいて、支えたい家族がいます。
だからラグビーの次は何をして、どうやって家族を幸せにしていくのか。
そのことを真剣に考えるようになりました。
これまで何人もの方に相談してきました。
その中でよく言われたのは、
「今はラグビーに集中して、やり切ってから考えても遅くないよ。」
という言葉です。
その意見は本当にその通りだと思います。
結果を残せば、その後の可能性も広がるでしょう。
でも僕は、もう一つ考えてしまう自分がいました。
それは、代表歴や大きな実績のある一部の選手だからこそ、その道があるのではないか。
自分のような選手が、本当にそれだけでいいのだろうか。
そんな不安が心のどこかにありました。
だから僕は、自分なりに将来について考え続けています。
最近は仲間と将来の話をすることも増えました。
どんな夢があるのか。
何に興味があるのか。
今どんな準備をしているのか。
そんな話をする時間が、とても楽しく感じます。
そして興味を持ったことは積極的に学ぶようにもなりました。
僕は、学んで無駄になる知識は一つもないと思っています。
今は資格の勉強をしたり、将来どんな事業をやりたいのか考えたりしています。
まだ正解は見つかっていません。
考える時間ばかりで、具体的な行動に移せていないこともあります。
それが今の自分の課題でもあります。
でも、だからこそ少しずつでも前へ進みたいと思っています。
正直に言うと、未来を考えたからラグビーに集中できるようになったとまでは、まだ言えません。
でも、将来への道筋が少しずつ見えてくれば、もっと安心して今のラグビーに全力を注げる。
そんな感覚はあります。
だから僕は、未来への準備を続けたいと思っています。
もし今、競技に打ち込んでいる学生や若い選手がいるなら、一つ伝えたいことがあります。
競技に全力で取り組むことはもちろん大切です。
でも、それと同じくらい、自分の未来について考える時間も大切にしてほしい。
空いた時間に本を読む。
興味のあることを学んでみる。
いろいろな人の話を聞いてみる。
自分について深掘りして自分を知る時間を作る。
その積み重ねは、きっと競技人生が終わった後の自分を助けてくれます。
自分の人生は、自分の責任です。
だからこそ、後悔しないように今から未来を考える。
それは今を諦めることではありません。
今を本気で生きるために、未来を考える。
僕はこれからも、その両方から逃げずに歩んでいきたいと思います。
