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2025年3月 平潟港温泉、砥上屋旅館

先月、noteでフォローしている方々の記事を読んで驚いた。anjuさん湯美さんが同じ日に同じ宿に泊まっていたのだ。ご両人とも当日はそうとはご存じなかったようで、noteのお互いの記事を見てビックリされたようだ。
これはその宿に行かねば、と思って予約をした。アンコウ鍋も美味しそうだし、温泉も良さそう。前日は、都内も含めて関東一帯に雪が降った。当日も夕方以降降雪の予報で、高速道路も通行止めになるとテレビで報じられていた。こりゃ、車はやめて列車にするか、と思ったが、幸いなことに千葉県から茨城県の海寄りは雨になりそう。常磐自動車道も問題なし。
ということで、車で出発。まずは水戸へ。

蕎麦処みかわ。人気店のようで、11時半前なのに駐車場は車で埋まっていた。幸い、1台分の空きスペースあり。しかし、寒い。雪が降ってないだけ、マシか。
限定の十割そばをいただいた。久しぶりに美味しい蕎麦を食べた気がする。香りも良し、味も良し。蕎麦湯もトロリ濃くて好み。蕎麦茶を土産に買った。

明日はずっと雨の予報なので、歩くところは今日のうちに、ということで、偕楽園へ。

車は常磐神社脇に駐めた。霊験あらたかそうな常磐神社。

お詣りしてから脇を行けば、偕楽園東門。おお、70歳以上は割引になるんだ。ありがたや。さて、梅の花はどのくらい咲いてるだろうか。

多くの梅の木がまだ蕾かパラパラ咲いているぐらいだった。それにしても梅の品種の多さは凄い。どれがどれか区別も付かない。花びらがシンプルなタイプかぎっしり群がっているかの違いくらいだな、分かるのは。あとは花の大きさの違いくらい。
大きな古木が多い中で、小さな樹もあり、がんばって咲かせている姿は健気なり。
この白梅、むしゃむしゃ蘂が茂っていてうっとうしいほど。老木になると、幹が樹皮だけ状態みたいになってるのもあり、これでよく花を咲かせられるもんだと感心する。

好文亭にも寄ってみた。偕楽園へはぼくは昔母を連れてきたことがあるが、カミさんは初めて。一通り巡らないと。好文亭でも70歳以上割引があって嬉しい。

3階の見晴らしの良い部屋からは、常磐線の線路や千波湖も見渡せる。
見学料をとって見せているくせに、好文亭の障子は驚くほどあちらこちらが破れていた。たまには張り替えてやって下さい、お殿様があの世で泣いてますよ。

まだ時間は早いので、勝田駅近くのサザコーヒー本店で一服することに。

フレンチローストを注文。添えられたクッキーが美味しい。コーヒーは1杯720円。お味の方はそこまでの感じがしない…。前に来た時はもっと美味しかったような気がするが。
案内された席は入ってすぐ左手の窓際。店員さんに断って、奥の部屋の仮面を久しぶりに見て回った。アフリカへ珈琲豆を買い付けに行く際に、各地で収集されたようだ。

さて、再び常磐道を走って、北茨城ICまで。そして、16時、宿に到着。

平潟港温泉、砥上屋旅館は木造3階建て、漁港に面してちんまり建っていた。

案内されたのは、3階の奥の部屋。昔ながらの木の階段を登る。荷物を置いて、とりあえず近所の探検に出かける。何しろ、明日は雨だから、歩くとすれば今日しかない。

宿を出て、右の方へ歩くと、東日本大震災の記念碑が立っていた。このあたりは、津波は6.7mの高さで襲ってきたという。で、疑問。港の真ん前に立っている古い宿が、どうして被害がなかったのだろうか。その答えは夕食時に聞かせてもらえた。
小さな神社の前に白い猫が1匹いた。

漁港の右手に突き出た突堤の向こう側へ行くと、景色が変わった。

海岸はテトラポッドで補強され、背後の陸側は空き地の向こうに新しそうな家がポツポツと建っている。ひょっとしてこちらは津波の被害が出たのかな。真相は後で教えてもらった。

引き返して、今度は漁港の左手側へ行ってみる。港には漁船だけでなく、ヨットやクルーザーなども停泊していた。タイトル上の写真は、漁船越しに撮った砥上屋旅館。漁港の左手に突き出す突堤には、新しそうな漁協の建物。震災後に建てられたものだろう。隣の勿来町九面(なこそちょうここづら)の港へは、切通の道が通じている。碑によれば、それまで行き来できなかった所に洞門を掘って道を作ったそうだ。安永時代のこと。その碑の向かい側には、縣界標が立っている。

宿があるのは北茨城市とは分かっていたが、こんな近くに県境線があるとは思わなかった。この向こうは福島県なのだ。わざわざこのような碑をよく立てたものだ。
この切通に大黒屋というさつま揚げの店があった。名物はあんこう揚げ。明日、買いに来なくては。

漁港の方へ引き返す。

あんこうの石碑は、こちらも大震災の記念碑だった。この地区で、5名の方が亡くなり、1名は行方不明となったと記されていた。

というわけで、宿に戻る。

部屋の窓際には狭いながら、椅子とテーブルのセットが置かれている。目の前は漁港。
2階から3階への階段。この後ろは洗面所とトイレ。そこにももうひとつ階段がある。
こちらは3階の部屋の外、廊下突き当たりのトイレ。我々が泊まった部屋専用のトイレという説明を受けた。ちゃんとウォシュレット。

さて、お風呂に入ってこよう。我々は青い暖簾が掛けられた方。今日は2階。明日の朝はそれが1階に変わるとのこと。

漁港が見える風呂場。湯気が立ちこめていた。お湯はジャバジャバ溢れている。熱いかと思ったが、かき混ぜ棒で撹拌すれば、ほどよい温度と判明。40℃~41℃あたり。海辺だからだろう、塩気が強い。いかにもよく温もりそうなお湯。気持ちイイ。2階浴室の外の成分表脇には循環濾過と書かれていたが、1階には今では源泉掛け流し、との説明。加水加温一切なし。

さて、食事は2階のお部屋で。あらかじめ椅子席をリクエストしておいた。予約したのは、アンコウ鍋とお刺身盛合せのコース。

目の前の海で獲れた魚介ばかり。スズキ、ホッキガイ、ヒラメ、メジマグロ、カナガシラ、ホウボウ、マトウダイ、マダイ。どれも美味しいが、中でも一番は下の写真。
カナガシラはこんなに分厚い。ブリッブリッの歯ごたえとじんわり滲み出る甘味。
あん肝は酢醤油をかけていただく。ビール飲んでる場合じゃないよ。日本酒だよ。
煮物。仕事が丁寧だな。カボチャの下のタコは柔らかくて旨い。これらの他に、小鉢と後から焼き立ての子持ちヤナギガレイが供された。煮物の味加減といい、焼き魚の塩加減といい、きつくなくてほどよい味加減で実に旨いのだ。

ビールと純米吟醸の日本酒を頼んでおいた。

日立市の森島酒造の富士大観。五浦に暮らしていた横山大観が愛飲したことから、大観という名前を冠し、後に富士大観と改めたという。吞みやすい食中酒向きの酒。

給仕をして下さる女将さんに東日本大震災のことをお聞きした。6.7mもの津波になぜここが耐えられたのか。その当時、ちょうど目の前の道路が工事中で長く深い濠が掘られていた。住民の皆さんは高台に避難し、津波が来たけど、その濠に食い止められたそうだ。漁船は沖に避難して難を逃れたという。だが、先ほど見てきた右手側へ行ったあたりは、まともに津波を受けてしまい、海際にたくさん建っていた家々は壊れてしまったという。間一髪だったわけだ。そんな事情があったとは。
さあ、そろそろメインディッシュ、アンコウ鍋に火を点けましょうか。

あらかじめ下ごしらえはしてあるから、弱火で加熱し、煮立ってきたら食べられると教えてもらった。鍋の中は澄んだスープに肝を溶いた濃い汁が加えてある。いわゆる本格派どぶ汁は、水を入れずに、あん肝を鍋に焼き付け、味噌を混ぜ、ハクサイやネギ、アンコウなどの具材の水分だけで煮込むから、濃厚な汁になる。昔、自宅でもその本格派で時々作ったことがあるが、スーパーでセット売りしてる肝だけでは足りず、肝を買い足して作ったものだ。そういう意味では、ここの鍋はいわゆる本格派ではない。
美味しそうに煮えてきた。この宿の口コミをあれこれ見ていたら、こちらのアンコウ鍋はどぶ汁初心者でも抵抗なく美味しく食べられると書いてる人もいた。

おつゆの具合は大変よろしい。具材のアンコウも普段食べているのとは大違いで、味が濃くて旨い。いやあ、こりゃ、お酒が足りない。カミさんはさほど吞まないので、大半は一人で吞んでるのだが。

熱燗を頼んだら、お猪口は湯煎して持ってきてくれた。素晴らしい。もっと素朴な宿かと思い込んでいたが、失礼しました。心遣いが細部にまで行き届いてます。

で、鍋の中身を一通りいただいたら、もうそれだけでお腹いっぱいなのだけど、最後のお楽しみが待ってます。雑炊! これは素人が手を出してはいけません。ちゃんと作って下さいます。

いや、このために鍋汁の肝をあれくらいにしてあったのか、と思うくらい、雑炊がめちゃくちゃ美味しかった。濃くすればいいというものではないな。うーん、感服です。

食休みしてから、再び温泉で体を温める。こりゃ、よく眠れそうだわ。あれ? と不思議に思ったこと。隣の部屋に夫婦連れが入ったはずなのに、夕食後はスリッパも見当たらない。まさか、夜の町に飲みに行ったわけでもないだろうに。と思いきや、こちらの宿は、3階の手前の部屋は寝室は別に用意することになっているのだった。部屋の仕切りは襖なので、フツーに寛いでおしゃべりしてると内容までは分からずとも、話をしてると分かる。寝るときはそれを避けるために別にしてるのだな。
翌朝は、天気予報通り雨。

昨日、歩き回っておいて良かった。

6時から入浴可能。青い暖簾が出てる1階の浴室へ。

朝は1階の玄関突き当たり左手の浴室へ。
以前は濾過循環していたが、今は源泉掛け流しとの説明。
湯気が立ちこめている。潮湯でしゃっきり目が覚める。

朝ご飯は8時から。その前に、BSで朝ドラタイム。と言っても、今放映中のおむすびは面白くないけど。

干物は焼き立てで身が厚い、カレイの煮付けも熱々で身がパンパンに詰まっていた。

朝食もやはり美味しくて満足。ご主人は最後までお顔を見せてくれなかったが、いい料理人だなあ。
精算時に、noteがきっかけでこちらを知ったという話をしたら、そんな偶然があったんですねと女将さんは驚いておられた。anjuさん、湯美さん、本当にありがとう。いい宿を教えてもらえました。
9時半、出発。まずは、近所でお買い物。

Google Mapと、幟がなければ、絶対に辿り着けないヒオキ食品。ふだん近所のスーパーで買うような値段で美味しい惣菜を買うことが出来る。
もちろん、煮穴子買いました。他にはイワシ万年煮と、売切必至と口コミにあった〆サバ。

この後、昨日見かけた大黒屋へ行き、あんこう揚げも購入。
大震災時に壊れたけど、その後建て直されたという六角堂へ向かった。車で10分もかからない。

あれ、閉館だわ。残念。
岡倉天心の墓。まるで小さな御陵みたいだった。
海の様子はこんな感じ。で、雨も降っている。こりゃしょうがないか。

本当は、お隣いわき出身の知人から大津港の物産館でシラスと佃煮を勧められていたが、な、なんと、水曜日定休だった。えー、そりゃないよ。しょうがない。もひとつ勧められていた常磐道中郷SAで売られているものを買っていこう。

お目当ての一品は、ダルマ食品のそぼろ納豆。切り干しダイコンで味付けがされた納豆。無事にゲットできた。

お昼は、つくばに寄っていくことにした。

サンドイッチの店、Morris。
サンドイッチ2種類とポテトと飲み物が付いて1090円とお得なモリスセットをひとつ、ドリンクをひとつ追加して二人でシェア。ちょうどいい分量。ニンジンとハムのサンドイッチ。
ゆったりソファで寛げる店内。

最後に、道の駅常総で野菜などを買って帰宅。15時過ぎ。近いから余裕あるなあ。晩メシは、買ってきた生々しくて旨い〆サバやあんこう揚げなどで充実の内容となった。

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