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なんのためにPS6を買うのか問題

プレイステーションを販売しているソニー・インタラクティブエンタテインメントが、新作ゲームのディスク版を廃止すると発表したのは周知の通りである。

ネット上では賛否の声が渦巻いているわけだが、ぶっちゃけ私としては完全に予想通り、というか「ついに来たか」って感じだった。
SIEが中古市場を嫌っているのは、1998年~2002年に行われた「中古ゲームソフト裁判」を見ても明らかである。
長らく邪魔な存在だった中古市場を潰すことができて、SIEは感無量と言うほかないだろう。

巷ではディスクを殺すなと署名運動も置きているらしいが、SIEは断行するに違いない。消費者側が署名運動をするのも裁判で訴えるのもおそらく想定済みで、それなりの対策と準備はした上で発表しているはず。

で、先述の通り、私は今回の発表について特段驚きもないし、SIE側を批判するつもりもない。ディスク版廃止による弊害や問題は既に様々な人が議論しているので、今さら語る必要もないだろう。

私が興味を持っているのは、プレステとゲーム業界の未来である。

おそらくPS6はPS5よりも売れない

昨今の半導体価格高騰の影響もあり、もうしばらくはPS5を延命させる方針になりそうだが、いずれにしてもいつかはPS6を発売しなければならない。
そんなPS6だが、PS5より売れないだろうと予想している。

まず、PS6はPS5よりも間違いなく高くなる。価格据え置きで性能だけ高くなる、なんてことは期待しないほうがいい。インフレが当たり前の時代にそんな慈善事業みたいなことをしてくれる会社はおそらくいないだろうし、「半導体価格が下がったから値下げします!」なんてバカ正直な真似を営利企業がするとは思えない。原価率が下がってラッキーとしか思わないだろう。

そうなると、ますますPCとの価格差が縮まってしまうわけだが、ここで痛いのが先ほどのディスク版廃止である。プレイステーションとパソコンの差別化要因の一つとして、ディスク版の存在は無視できない要素だったと思う。この要素がなくなることにより、プレイステーションはパソコンとの違いがさらに小さくなってしまった。となると、わざわざゲームしかできないクソ高コンピューターを一体何人が買ってくれるのか、という話になる。

追い打ちをかけるのが、マルチプラットフォームという時代の流れである。
ペルソナシリーズにキングダムハーツ、さらにはFFやモンスターハンターワイルズまでもが任天堂ハードで発売されるようになった現在、もはやソフトメーカーのラインナップで差別化を図るのは難しくなりつつある。

こうなるとファーストパーティーのラインナップを強化するしかないのだが、SIEが映画のような体験を重視している関係上、開発費と開発期間は膨らむばかりなので、ポンポン新作を出すこともできなさそうである。今年発売されるPSスタジオのタイトルがウルヴァリンとSAROSしかないのは、その厳しさを物語っているように思う(Marvel Tokonはアークシステムワークス開発)。
だからサルゲッチュやどこでもいっしょをもっと大事にしとけとあれほど……

私が6を買うかも怪しい

じゃあ自分がPS6を買うかと言われると、これもかなり怪しいのが実情。SIEのタイトルはいくつかプレイしていて、特にアストロボットはこれを遊びたいがために5を買ったくらい大好きなタイトルである。実際めちゃくちゃ楽しかったし、今後も新作が出たら遊びたい気持ちはあるのだが、1本のゲームのためだけに10万近いゲーム機を買わなきゃならないのもなかなか勇気がいる。

もちろんゴッド・オブ・ウォーとかホライゾンも面白いとは思うんだけど、それだけのためにゲーム機を買うかと言われると……少なくとも、私はそこまでの訴求力を感じていない。

というか、これは私に限らないと思ってるんだけど、それなりの性能のPCとSwitch2さえあればほとんどのゲームが遊べてしまうので、わざわざプレステを買う意味って何? となってしまう。

それどころか、多くのライトゲーマーはスマホの基本無料タイトルやフォートナイト、Robloxで満足している現実があり、競争はより一層激しくなっている。

娯楽企業は消費者にそこまで強く出れない

SIEはディスク版廃止を断行する構えだが、それだけ強く出れるのは、彼らがプラットフォーマーだからだろう。パッケージの廃止によってストア手数料の収入は上がるので、パッケージ市場を潰したとて収益はプラマイでプラスになると見込んでいるわけだ。

まあその考えは大方間違ってはいないと思うが、ちょっと視野狭窄に陥っている気がしないでもない。
確かにディスク版廃止から数年は儲かるだろう。けど、「5年後、10年後にプレイステーションというプラットフォームが発展しているのか?」という観点から見ると、果たして英断なのかは疑問が残る。結局、プレイステーションを買うユーザーが減っちゃったら意味がないわけだしね。

それに、現代のゲーム会社のライバルはゲームだけじゃない。
Netflixの偉い人がライバルをフォートナイトだと言ったように、現代は可処分時間を食い潰す存在があまりにも多く、その全てがライバルとして対等なのだ。基本無料タイトルですら遊び尽くせないくらい数がある現代において、娯楽を提供する会社が消費者に対してどこまで強く出られるかは考えものである。

今回の決断が吉と出るか凶と出るかはまだわからないが、プレイステーションというブランドをより魅力的なプラットフォームとしてアピールできない限り、あまり明るい未来には期待できないな、と思う。

ゲーム業界の今後に対する懸念

これはSIEに限った話ではないが、今のゲーム業界の膨れ上がる開発規模は持続可能性があるように思えない。ある意味でゲームという娯楽そのものが完成してしまい、差別化を図るのがますます難しくなってしまったのも一因かもしれない。

Xbox率いるMicrosoftも、あれだけ大量に買収した会社を一斉にレイオフしてズタズタにするという意味のわからないことをやっており、先行き不透明感が強くなっている。

結局一番まともなビジネスをやってるのは任天堂

こうして大手プラットフォームを俯瞰して見ていると、結局一番持続可能性のあるビジネスをやっているのは任天堂なんじゃないかと思えてくる(あとはSteamを運営しているValve)。

会社の買収は気が合いそうな会社に絞って少しずつ進め、本社に研究開発棟を新設して着実に地盤固めをしている。空白期間はリメイクリマスターを挟みつつ、映画やIP展開の加速によって、ゲーム以外でも触れ合える機会を増やしていく。
おそらくだが、Appleやディズニーの戦略を相当参考にしてると思う。

Switch2ですら6万円する時代、もはやゲーム機をおいそれと買えネーヨとなるのも仕方ない話なのだが、元来高かったキャラクターの知名度を活かすことで、ユーザーとの接点を着実に増やしているのはいいことだと思う。

もちろんソニーも手をこまねいているわけではない。映画会社を持っている強みを活かし、『グランツーリスモ』『アンチャーテッド』などを映画化したり、パルワールドエンタテインメントを設立して、パルワールドをPSのポケモンにしようと計画したりしている。

私の個人的な感情もあって、任天堂の肩を持ってしまう側面は否めないのだけど、今後も彼らには頑張ってほしいなあと思いつつ今回のnoteを終える。


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