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【社会人編4】向上心はありますか?

(現在 新井・総務部長 40代)

「部長、コレやった事ないんで。
 分からないんですけど・・」

発言者は社歴10年以上のベテラン社員。
「そのくらいはどうにかして」
そう思い、新井は耳を塞ぎたい気分になる。

中間管理職になって、数ヶ月。
「普通の仕事を、普通に回す」
コレが最初の目標なのだが、
現実はこの有様だ。

能力に個人差があるのは当然で。
それでも回る「仕組み」を作るのが、
これからの自分の仕事。
そう、意気込んでいたものの。

ムダに思える仕事を削ってみたり、
「できる人」に仕事を回したり。
やっているのはその程度。
本屋で買った「マネジメントの本」は、
感銘しながら読み込んだけど。
中々、本のようには動けない。

「当面仕事を回す事」

それだけを考えれば、
「できる人」に仕事を回すのが簡単だ。
けど、これまでの事が頭をよぎる。

「あの人より、仕事してますよね?」
「何であの人より給料低いんですか?」

頼りにしていた「できる人」が、
そんな不満を募らせて辞めていく。
何度も見てきた「それ」が、
何より新井は一番怖い。

多少なりとも、権限が手に入った今。
まずは「仕事の割り振り」から見直そう。
極力不満なく、仕事が偏らないように。

けど、ずっとできなかった事を、
今更ベテランに期待する方が甘いのか?
なら、真っ新な若い子の方がまだ、、、

「部長、お話があるんですけど」

こちらの思いを察したかのように、
入社3ヶ月の若手が声をかけてきた。

「来月から社用車運転してくれって、
 言われてたじゃないですか?
 こないだも、車ぶつけちゃったし。
 その、、不安なんですけど・・」

「・・・・」

どう、答えるのがいいんだろうか?

入社してから3ヶ月。

「体力ない、元気もない。
 向上心も見てとれない」

現状この新人の評価は、すこぶる悪い。
出来る事を増やさないと、
周囲の評価は上がっていかないし。
何より、自分に自信がつかないだろうに。

それを、言ってあげればいいのだろうか?
けど、瞬時にはその思いはまとまらず、

「仕事なんだから、
 やらないわけにはいかないよ」

言葉に出るのは、その程度。
新人君も「わかりました」と言ってはいるが。
とても、納得してるようには思えない。

けど、実際問題。
車の運転程度で尻込みしてて、
一体何の仕事をするつもりなのか、、、

力・・元気・・・
やってく自信・・?

・・・誰かさんみたいだなw

元気の欠片も感じられない、
そんな新人の姿を見ていると。
新井は、かつての自分の姿を、
重ねずにはいられなかった。。。

このお話は、筆者の社会人生活を振り返る自伝です。
「愛想ない・体力ない・向上心もさしてない」
ないない尽くしの若者が、
サラリーマン生活に希望を見出すまでの記録です。

第4話当時(現代から18年ほど前)


(過去 新井 31歳・入社7年目)

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