エア乾杯
「ホットコーヒーのレギュラー下さい」
仕事の帰り道、
よく行くコンビニで、
いつもの紙コップを受け取る。
車に戻れば、そこは完全な密室だ。
運転席に深く腰を沈め、
軽くカップを頭上に掲げる。
俺の一番身近な乾杯、コレですw
他人と杯を重ねることもなく、
「お疲れ様」とも言ってもらえない。
一人、虚空に向けて掲げる杯。
コロナの時、ちょっと流行りましたよね。
「エア乾杯」
ただ自分のは、誰かに向けたものじゃない。
完全に1人、己を労わる儀式です。
誤解のないように言っときますが、
別にボッチじゃないですよ!
仕事でも家庭でも、気の置けない仲間とも。
「お疲れ様でしたー」って、
そんな乾杯だってしてますよ。
だけど、乾杯自体に思いをはせるのは、
この「エア乾杯」の時だけかもしれない。
何せ、やってる回数が他の比じゃない。平日は、ほぼ毎日
ゆっくりとコーヒーを流し込み、
すり減った1日をリセットする。
胃と心、そして財布に余裕がある時は、
レジ横のホットスナックも動員して、
車内は10分程度だけ、
ささやかな1人宴会場と化す。
これ、家に帰ってしまうと、
なぜかできないのよね。
会社と言う現実から、家庭という現実に帰る。
その狭間の時間だから、成立する男の休息。
今日と言う日を締めるため。
明日への活力を手に入れるため。
自分は今日も、帰路のコンビニに車を停めて、
自分のためだけに、紙カップを掲げます。
そんな時、
コンビニの外でタバコを吸ってる、
見知らぬおじさんと目が合いました。
やめてくれないかな。
1人の世界に入り込んでるおじさんの、
「エア乾杯」を鼻で笑って煙を吐くのw
いいなと思ったら応援しよう!
日々の色々を面白おかしく書く事で、日常を楽しく色付けできればと思ってます。書く事はもとより好きなので「毎日更新」頑張ります。よろしければ応援お願いします!