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(短編小説)始業30分前の戦い

このお話は筆者の実生活をベースにした創作です。
実話を元にはしてますが、
登場する人物名・団体等は一切存在いたしません。

(登場人物)
新井 ・・・ 中小企業の事務員(40代)
大下 ・・・ 部長 新井の直属の上司
菅野 ・・・ 他部署の同僚(40代)

「・・・てことみたいですよ。
 話しが聞こえただけなんですけど」

朝、始業時間の30分くらい前の時間帯。
出社してる社員は、まだ半分くらい。
新井の部署では、上司の大下部長しかいない。

後輩達が出社する前の、この時間帯。
ココが、その日をスムーズに過ごす為、
新井にとって、勝負の時間帯だった。

同時に、1番嫌な時間帯でもある。

事務所には、大下部長以外にも、
他部署に役員が何人かいるのだが。
この「何人か」が、非常に仲が悪い為。
「大事な情報が役員間で共有されてない」
そんな事は、ザラだった。

そういう情報を、新井が先に知ってる事も多く。
知ってしまうと、

「報告する」か「知らなかった事」にするか。
その二者択一で、まず悩み。
報告する時は、話の切り出し方でまた悩む。
そして、話を切り出しやすいのは、
他の社員があまりいない、この時間帯だった。

「・・そうですか。
 好きにしてくれたらいいけど。
 何がしたいんですかねぇ?」

報告したところで、返ってくる反応はこの程度で。
こんなやり取りに、事前から悩むのはバカらしい。
いつも、そうは思うのだけど。

他所から偶然耳に入る前に、報告入れて。
話を回してこない、他部署の人間に対し、

「アイツら、何で何も言ってこないのか?」

そんな共有感を、上司と共にしておく。
それで、自分の身を守るわけだ。

新井にとっては、1日をスムーズにこなす為、
朝一に消化しておきたい案件だけど。
情けない気持ちになるのも、本音ではある。

子どもの頃から、大人になるのは怖かった。
誰でも、多かれ少なかれあるだろうけど。

ドラマ等でよく見ていた、

「上司の機嫌をとる」「社内で姑息に立ち回る」
「偉い人からの電話で、電話に頭を下げている」

あーいう光景が、日常になるのかと思うと。
自分にそれが出来る気がしなかったし、
何より、嫌で仕方がなかった。

大人になった今も、嫌には違いなかったが。
出来ない也に、やらないといけない局面は多い。

「めんどくさいっすねー
 そういうの、俺も大嫌いですよ!」

偉い人がいない、残業時間。
社内の自動販売機の前で、
他部署の同僚とそんなグチをぶつけ合う、
平社員のグチ祭りタイム。

問題の「一部の人しか知らない情報」は、
このグチ祭りから入って来る事も多い。

「もう知らないフリしとけば、
 いいんじゃないっすか?
 偉い人同士で好きにやらせましょうよ」

そうしてくれたら良いのだが。
そうならないから、苦労する。

それに、こうは言ってる、
他部署の同僚・菅野君にしても。
自分の部署の上司とは、
毎朝半分強制な「雑談タイム」があり。
そこでは新井と似たような気苦労も、
しているようだった。

「サラリーマンとか、こんなもん」
「どこにいたって、人間関係」
「これも、給料の一部」

そう、思いはするものの。
バカらしいと思う方が、本音ではある。

「おはよーございます!」

始業10分前、後輩達もやってきた。

今日のところは、
「始業30分前の戦い」
思惑通りに、こなせたようだ。

けど、こんなつまらない戦いは、
後輩達に引き継ぎたくはないもんだ。
この先、どう人が動くにしても。
その事は、忘れないようによう、、、

そう自分に再度、念を押して確認した。

始業時間。
今日も、いつもの1日が始まる。。。

【そんな新井の、過去話です】

小学生~就職編

婚活編

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くりす 日々の色々を面白おかしく書く事で、日常を楽しく色付けできればと思ってます。書く事はもとより好きなので「毎日更新」頑張ります。よろしければ応援お願いします!