【社会人編11】人の出入りは激しいですか?
「ちょっと、新井君!
次の面接来る人の履歴書見たっ!?」
また、小田原さんが騒いでる。
どーやらまた、面接があるようだ。
新しい人がどんな人か?
その情報は、当然みんな興味がある。
それを一番先に知れるのは、
総務部の特権ではあるのだが。
今の新井はそれを知らない。
なぜなら、受付業務をしてるからw
「・・知るわけないでしょう。
俺、受付にいるのに」
「ひょっとしたら、聞いたかもと思って。
なんたって私の後釜候補なんよ!
新井君も興味あるでしょ?」
そう、今回の募集人員は。
定年が見えてきた、小田原さんの後釜候補。
経理事務員の募集である。
経理と言っても、
うちの会社に総務と経理の区別はない。
多くの中小企業の例に違わず、
人事労務に売上お金、小さな備品の管理まで。
いわゆる「何でもやる課」だ。
で、あるにも関わらず。
部門のトップに座る人は、
「営業畑」の人の中から、
上に行く人が「勉強の為に」座るのが常だ。
今の山岡部長にしてみても、
「営業がしたいわ」
と、毎日のようにボヤいている。
ならばせめてサポート役には、
総務の流れを知ってる人が必須だが。
他にいるのは、小田原さんだけなのだ。
多分、会社はそのサポート役で、
自分を総務に回したんだろうけれど。
そんな新井は、なぜか今も受付業務中・・
ならば、小田原さんの後釜だけでも、
早目に入れて育てたい。
至極当然な話ではある。
いや、むしろ遅いくらいだ。
その「ポスト小田原」の候補者が、
近々面接に来るって事か、、、
「でね、履歴書の写真見たんだけど!
かなり美人っぽかったよ!
新井君、一緒に仕事できる?」
「・・仕事教えるのは、小田原さんでしょ?
俺は別に何でもいいですけど」
「何言ってんの!
私が教えれない事は、新井君が教えるのよ。
一緒に長く仕事するのは、新井君でしょ!」
アナタが教えれない事って何・・?
彼女は、いつも「もっともらしい事」を言う。
いわゆる正論で、間違ってはいないけど。
根底にあるのは「自分が楽をしたいだけ」
・・というのが、長年仕事を共にしてきた、
新井の「小田原さん評」である。
決して仕事が出来ない人ではない。
準備や段取りはしないが、やり出したら早いし。
ペン字とか暗算とか事務系のスキルもあり、
会社の良いとこ悪いとこ、
色々知ってる古株でもある。
ある、のだが。
「色んな事を乗り越えてきた新井君なら、
私がやらなくても、だいじょーぶよ!
新しい人きたら、よろしくねっ!」
足りないのは、責任感だろーか?
それが新井の「小田原さん評」だ。
にしても「色んな事を乗り越えてきた」ってね。
本当にそうだろうか?
流されるまま、言われた事をこなしてきただけ。
正直、そう思うんだけど。
ただ、かつて新井の会社での空間は、
伝票処理をしている部屋だけだった。
部屋から一歩外に出ると、
何の役にも立たない自分が嫌だった。
けど、色々転々としてるうち、
その世界は随分と広がった。
あの時、受付業務を買って出たのは、
正解だったと思う。
まぁ、今現在も受付にいるのは、
さすがに想定外だったけど、、、
こーして、新井は今も受付担当のまま。
「ポスト小田原」候補一番手とは、
受付で対面する事になる、、、
このお話は、筆者の社会人生活を振り返る自伝です。
「愛想ない・体力ない・向上心もさしてない」
ないない尽くしの若者が、
サラリーマン生活に希望を見出すまでの記録です。
(登場人物)
・新井 ・・・ 筆者の分身(受付業務中)
・山岡部長 ・・・ 総務部の上司
・小田原 ・・・ 総務部の先輩女性社員
・藤利 ・・・ 経理募集に応募してきた新人
「本日面接をお願いしてます。
藤利(とうり)ですが、、、」
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微速前進 ~僕の自伝
【学生編】【婚活編】【社会人編】で分割してた自伝を、 このマガジンに全てまとめました。 今後は内容も逐次リライトしながら、 自分の半生を書…
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