【社会人編19】仕切り直しはできますか?
「いつものことじゃないか」
そう、自分を納得させようとしてみる。
春花さんの退職話を聞いてから、
新井はかつてないほど落ち込んでいた。
その感情に、自分でも戸惑っている。
「なんでこんなにツラいのか?」
理由が分からないのだ。
今まで、何人も見てきたのだ。
所長候補だった若手のエース・友崎君。
同級生で気も合った、アネゴ肌の洋子さん。
明るく元気で、随分助けてくれた後輩の沢田君。
高校の同級生で、まさかの再会だった上本君、、、
頼りになる先輩。
仲の良い同僚。
かわいい後輩。
たくさん、見送ってきたのに。
今までこんな気持ちになった事はない。
今回が、自分の仕事に一番関わってるからか?
確かに、それもあるだろう。
誰が代わりに入るにしても、
彼女がいなくなれば、新井の負担は確実に増える。
けど、違う。
それだけじゃない。
そう思えて仕方がなくて、
理由を探し続けた。
そしてようやく出た、自分なりの結論。
今までずっと、自分は1人で仕事をしていたのだ。
誰にも助けてもらってない、という意味ではない。
今の仕事、これからの仕事。
それらをどうするか考えた時、
他人がその構想に入ることはなかった。
それが、大下専務の下で日々汲々と過ごすうち、
「自分だったら、こうするのに」
その思いが強くなり、
自分の思う未来図を描くようになっていた。
自分の、中だけで。
それが脆くも崩れ去ったから、
きっと、こんなにツラいのだ。
昔、総務部に異動になった後。
自分だって思ったじゃないか。
「自分に何をして欲しいのか?
どうなって欲しいのか?」
それを伝えてくれれば、
モチベーションは違うのにって。
自分の中だけで、描いてた未来図。
春花さんと共有した事はなかった。
話していたら、この現実を変えられたのか?
その自信はないけれど。
話しておけばよかったと。
今更ながらにそう思っていた、、、
このお話は、筆者の社会人生活を振り返る自伝です。
「愛想ない・体力ない・向上心もさしてない」
ないない尽くしの若者が、
サラリーマン生活に希望を見出すまでの記録です。

「中村です、よろしくお願いします・・」
代わりの新人は、意外とスグに決まった。
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微速前進 ~僕の自伝
【学生編】【婚活編】【社会人編】で分割してた自伝を、 このマガジンに全てまとめました。 今後は内容も逐次リライトしながら、 自分の半生を書…
日々の色々を面白おかしく書く事で、日常を楽しく色付けできればと思ってます。書く事はもとより好きなので「毎日更新」頑張ります。よろしければ応援お願いします!
