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【社会人編20】何とかやっていけますか?

「ここが駐車場、向こうに倉庫があって、、」

新井が初めて参加した、
総務事務員の面接にやってきた森野さん。
面接は何事もなく終わり、
上司達の目の届かない場所に来て。
新井は、森野さんに会社の案内をしていた。

新井に採用権など、もちろんないが。
面接の感じをみても、
彼女が不採用になる事はまずない。

問題は「彼女が来てくれるかどうか?」だ。

聞けば他にも何社か受けてるようだし、
他社がどう判断するか知らないが、
新井は今、この子を逃したくはない。

(と言ったところで、
 これ以上、アピールできることなんて・・)

倉庫を案内しながら、
心中で何か出来る事はないか?
そう視線を巡らせてると、
倉庫担当社員が目に入り、、、

「この辺が常時在庫品で、あっちは注文品。
 あ、であそこにいるのは・・・
 ウチの にぎやかし ですw」

「誰が、にぎやかしやねん!」

よかった、やっぱのってきてくれたw

倉庫担当の、高橋さん。
彼も入社して2ヶ月程度の新人なのだが。
よく動いてくれて、性格も明るい。
実は新井より年上なのだが、
話がしやすく、こうして冗談も通じる。

砕けた空気の1つも見せられれば。
そんな苦肉の策だけど、
やってみたっていいだろう。
後は彼女が来てくれる事を祈るのみ、、、

「・・・新井さん」

森野さんを見送った後、
にぎやかし扱いした、高橋さんが声をかけてきた。

「にぎやかしだって、必要な人材ですよ?」

「・・おっしゃる通りですw」

高橋さんに、謝ってはみたものの。
新井だって、本当に必要だと思ってるのだ。
彼のような、ムードを変えてくれる、
そんな「にぎやかし」が、、、

このお話は、筆者の社会人生活を振り返る自伝です。
「愛想ない・体力ない・向上心もさしてない」
ないない尽くしの若者が、
サラリーマン生活に希望を見出すまでの記録です。

最終話開始時点(現代から半年ほど前)


「ありがとうございます。
 では、来月からよろしくお願いします!」

「あ、いえこちらこそ・・」

こちらの「採用」の連絡に、
森野さんは2つ返事で承諾してきた。
何なら、他にも内定が出てるようだったが。
一体、うちの何を気に入って貰えたのだろうか?

にぎやかし、、いやそれはないかw

何はともあれ、新井の長年の悲願。
「自分の仕事を教えてよい後輩」が、
ようやく、現実のものになった。

「男の子がくれば、
 一番よかったんだけどね・・」

横で大下専務が、そうこぼす。
それは、新井としてもなくはない。
女性は何かと気もつかうし、
結婚退職もチラつく独身女性だ。

けど、そんなこんなを差し引いても。
「入って欲しい」と第一印象で思えた人だ。
何としても定着して欲しい。
そう、何としても。

(・・今回は最初から、
 思ってる事も話していこう)

同じ思いはしたくないし、させたくもない。
春花さんが退職してから、1年半。
新井はようやく仕切り直しのスタートラインに、
立てた気がしていた。

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