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okanokura
大切なものは、しっかり仕舞っておく
父が亡くなって、四十九日を過ぎても母は祭壇を居室から動かそうとしなかった。
身近に父の存在を感じていたいのだと思う。
とはいうものの、最近は地震も多い。骨壷は免震構造になっておらず、散逸しても困る。
2026年になり、新春の慶びにはそっと背を向けていた。
そろそろ、納骨するよう母に話したところ、ため息をひとつで観念したようだった。
納骨の日は運転手さんにお願いして父の家庭菜園の側道をゆっくりと走っていただいた。
入院の直前まで手を入れていた畑はすっかり、放っておかれている。
あらためて、親不孝と思いつつも、「それは父さんの仕事だよ」とつぶやいてしまう。
向かう先の墓地には古墳の遺跡も残っている。
幼いころは家族全員で向かったものだった。
いざ、納骨となると、違う場所のように感じる。
大切なものは、しっかり仕舞っておこうと、母の腕をとる。
春には桜が咲く。
待っててね。お父さん。
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