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日記のようなメール

 黒須優子は、入社3年目。 「ステップアップ」研修で「アプリケーション設定」を受講した。
夏の終わりが近づき、少しずつ秋の気配が感じられるようになった頃だった。

 会社帰りに立ち寄った恵比寿のカフェで、優子は偶然、研修で講師を担当した黒田を見かけた。

窓際の席で本を読んでいる彼の横顔に、なぜか惹きつけられた。 優しそうな眼差し、穏やかな表情。 昼間の講義中、セキュリティロジックを丹念に、しかしどこか物憂げに説明していたときの表情とは違っていた。

「すみません、この席空いていますか?」
声をかけると、黒田は少し驚いた後、にっこりと微笑んだ。
「どうぞ。」
彼は、読んでいた本を閉じ、席を譲ってくれた。

「何を読んでいたんですか?」
優子が尋ねると、彼は少し照れくさそうに笑った。
「村上春樹さんの小説です。」
「私も村上春樹さん好きです。」

嬉しくなり、社内で切れ者と言われる黒田との会話が弾んだ。 サンドイッチが好きだといい、ランニングもするそうだ。

話しているうちに、彼の優しさやユーモアに惹かれていった。 彼は、優子の話をじっくりと、遮らずに聞き、気持ちに寄り添ってくれた。

その日から、黒田と連絡を取り合うようになった。

一緒にランチに行ったり、仕事帰りに飲みに行ったりした。 黒田は、いつも優子に優しかった。 落ち込んでいる時には、そっと寄り添ってくれた。 楽しい時には、一緒に笑ってくれた。

黒田と一緒にいると、心が安らぐのを感じた。 しかし、友情以上の感情を抱き始めていた。 彼の優しさに触れるたびに、ドキドキとした気持ちが抑えられなくなった。

 勇気が出なかった。 気持ちを隠したまま、彼との友人関係を続けていた。 しかし、優子の心は、常に黒田のことを求めていた。
笑顔が見たい。 声が聞きたい。 触れたい。 気持ちは、日増しに大きくなっていった。

そして、ついに黒田に気持ちを伝えることを決意した。 大きな賭けだった。

しかし、自分の気持ちに嘘をつくことはできなかった。 メールを送った。

「黒田さんのこと、好きです。」
送信ボタンを押す前に、何度もメールを読み返した。 本当に、このメールを送ってもいいのだろうか。

不安に駆られた。
しかし、覚悟を決めた。

自分の気持ちを伝えなければ、何も変わらない。 送信ボタンを押した。

メールを送った後、返信を待った。

なかなか返信は来なかった。
不安で胸が張り裂けそうだった。

もしかしたら、黒田は、優子の気持ちを受け入れてくれないかもしれない。 もしかしたら、黒田との関係は、これで終わってしまうかもしれない。

そんなことを考えていた。
そして、ついに、黒田から返信が来た。

震える手でメールを開いた。 そこには、黒田からの  言葉が書かれていた。

#なんのはなしですか




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黒田裕 いつもありがとうございます。恋愛小説として体験したことや思ったこと等々を記しています。 共感してくださる方やオトコのココロの内をのぞいてみたい方がおられたら とってもうれしいです。チップしていただいたらコーヒーをいただきます。 励みになります。よろしくお願いします。