生まれた時、おしりの穴がなかった私〜VIO脱毛からの肛門科ツアー
ある朝、起き抜けに何故かふと思い出した。
あ、そういや私って肛門が無い状態で生まれたんだっけ。
鎖肛(さこう)というらしい。
鎖肛とは、肛門が生まれつき正常に形成されない病気で、約5,000人に1人の割合で発生するそうだ。
新生児に生じる消化管の先天異常のなかではもっとも多いものらしいので、そんなに珍しくもなさそうだ。
まあ、かといって他に鎖肛で生まれたという人は特に聞いたこともないのだが。
ただ、私も自分が鎖肛で生まれたと知ったのは30半ばぐらいだった。
何故知ったのか。少々間抜けな話だ。
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コロナ禍前だから2018とか2017年辺りだったかな?
ふと、VIO脱毛に手を出そうと思った。
なんとなくだ。
なんせ私は毛深い。毛が太くて多い。10代の頃からの大きなコンプレックスの一つだ。
父は私が生まれた時、猿かと思ったそうだ。
ひどいよ父。
すでにVIO以外の箇所は20代の時、サロンで割と気にならないぐらいまで減っている。
その時は股間の毛の脱毛にまで手をつける勇気が無かったが、
齢30半ばにもなり、歳とともに恥じらいというものが少しずつ剥がれてきた私は、
ある時、なんとなく気が向いてやってみるかな。と思った。
サロンで他の箇所の毛もだいぶ減ったとはいえ、まだまばらに残っていたり、剛毛が人並みの女性の毛ぐらいになったような箇所もあったので、VIOと一緒にもう少し追い込もうと思った。
まあ、それで医療脱毛にそれなりの大金をはたいて通う事になったのだが、VIOの2回目か3回目だっただろうか?
担当の看護師が私のお尻をのぞいて言った。
「あら、何か…できものがありますね」
えっ?
「こちらお痛みは無いですか?」
全くありませんよ?痛みも痒みも何も感じない。
「ちょっとお写真撮ります」
え、尻の穴の??
立派なデジカメで私の尻を撮りだす看護師。撮りやすい様に尻を上げろとかこっちに向けろとか丁寧な口調で指示してくる。
その私の肛門のどアップ画像を見せて、
「こちらですね。できものあるのわかりますか?」
うーん、言われてみれば指摘された箇所がちょっとプクッとしているような?
そんな事より、尻の穴を写真で撮られ、その画像を見せつけられるというこの辱めが屈辱的過ぎてまだ整理できていないんですが?
VIO脱毛で股を覗かれる覚悟はあったけど写真を撮られる覚悟なんて用意してない。
「ちょっと先生にも見てもらいますね」
メディアでしか見ないような唇がプルプルの医院長(女医)が現れた。
再びさっきの看護師と2人がかりで尻を覗かれる。私は何をしているんだろう。
医院長も痛みは無いか聞いてくる。
だから、痛くも痒くも無いんですって。
そして医院長にはこう言われた。
「肛門科に行って診てもらってください。肛門科の先生に問題ないと診断されるまで、脱毛の施術はできません。」
ええぇええーーー
めんどくさぁあーー!!
そして私は肛門科を探す事になった。
絶対条件は女性の先生である事。
クチコミも割と良い、女医がやっている肛門科を一軒見つけ、私の尻を診てもらった。
「特に何も無いですけどねえ」
そんな馬鹿な。
尻出してんだぞこっちは。
あなたは毎日他人の尻を診てるかもしれないが、こっちは一世一代の覚悟で他人に尻の穴見せてんだぞ。
さらに肛門科に来た経緯を話すとこんな事も言われた
「そんなとこ脱毛しなくていいと思いますけどね。私なんてまあ、脇はやったけど、それぐらいよ。人間みんな毛ははえてるんだから」
そんな事言われたって!
私はずっと剛毛コンプレックスだったし!
すでにお金も払ってるんだから!
そんな事言わないでよ。。
「はぁ。ソウデスネ。。」
今ならこの先生の言う事も多少納得できるが、この時は尻を診られた恥ずかしさもあってとても惨めで悲しくなった。
悪い先生では無かった。この時の私のメンタルの問題だ。
先生は心配なら一応。と言って、
さらに大きな病院の肛門科に紹介状を書いてくれた。
もちろん女性の先生のところで。
やっぱりいい先生だ。
え、でも私また人にお尻見せるの?
今考えるともうここでやめても良かった気がするが、素直な私は後日、紹介された肛門科へ行った。
そこの先生にも尻にはできものは何もない。
脱毛の必要ないのでは?
と言う事を言われた。
もうやめて。。
話が長くなってしまったが、その時に鎖肛の事も指摘されたのだ。
「鎖肛の手術痕がありますね。今後出産する時は帝王切開が良いですよ。お尻破れちゃうから」
え、何か急に怖い話された。何?何?
「鎖肛って何ですか?」
「生まれた時にお尻の穴が出来なかったんですよ」
そういえば私は生まれてすぐお尻の手術したって親が言ってたな。
しかも私の故郷は離島なのだが、県の本土の病院での入院だったと。
島にはそれなりの病院はちゃんとあるので、本土の病院まで行くのは、結構な大病や大怪我をした人というイメージがあった。
なるほど。私はそんな状態で生まれたのか。
小さい頃から便秘気味なのもそのせいだったりするのかな?
幼少期に言われてふんわり理解していた事の詳細が明るみになり、すとんと腑に落ちた。
しかし、お尻破れちゃうは初めて聞く日本語だった。怖すぎる。
どうやら手術で作った肛門が会陰部に近いらしい。
まあ、今後も出産の予定は無いので、もう特に心配はしていない。
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帰りながら母にLINEで聞いてみた。
(当時のトーク履歴が残っていた)
「私が生まれた時にしたお尻の手術って、鎖肛ってやつ?」
母「そうです。何で?」
まあ急にこんな事聞かれちゃ何で?ってなるよな。
簡単に経緯をLINEで送ると母から電話が来ていた。
その時何を話したかはそんなに覚えていないが、
入院した理由を話した時、
私がまだ子供だったので理解できないと思って省いた というニュアンスの事を言って、
私の間抜けな肛門科ツアーの話を笑って聞いてくれた気がする。
脱毛ですか?行くのやめました。
いろいろ折れてしまって。
