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春待つ木を遠くから、近くから|語らない日記


風もなく暖かな日。
今日は日帰り温泉施設に行こうかと話していたが、
ついのんびりとしてしまい、明日にした。

お昼過ぎから、うちの人は庭に出た。
わたしはTVで流れていたNHKスペシャル『椎葉 山物語“のさり”の原風景』から目が離せずにいた。“秘境”の村に1年間の密着取材という副題の番組。自然や、生の暮らしを題材としたものが好きなわたしに観せようと、うちの人が点けていったのだと思う。

その番組が終わると、窓の外から「へいへい」とばかりにお呼びがかかる。うーん、億劫だが仕方あるまい。のろのろと玄関にまわって出た。おー、思っていたより暖かだ。
庭のヒメコブシやハクモクレンの蕾。少しふっくらし始めたか? あまりに外に出ない日が続き、前がどんなだったか覚えていない。足元ではスイセンの蕾が黄色くなりかけている。わたしが室内で震えている間も少しずつ準備をしていたのだなぁ、と眺めていると「どの枝?」と聞かれる。枝を伸ばし混み過ぎたヤマボウシの剪定をしなければ、と昨年暮れから話していたのだ。

徒長枝や交差枝、並行枝を落とせば良いのだが、彼にはその判断が難しいらしい。観れば判りそうなものなのだが、そうもいかないという。ま、脚立にのったままそれを判断するのはわたしだってできないから、借り出されて当然か。

父がノコギリ片手に脚立に昇り、母が下から、やれ右だ北だと枝を指していた。それをわたしは笑って見ていた。いつのことだろう。──おっと、うちの犬が室内で我慢できずに吠え出した。「わたしも外へ!」そう言っている。庭へ出た彼女は、切り落とされた枝を足下で我が獲物とばかりにガジガジしゃぶっている。ああ、先代の犬もそうしていたよ。

え? それじゃなくて、そのひとつ下の枝だな。うん、そう。それ。

さっぱりとしたヤマボウシ。今朝庭に撒いた米粒は、もう雀の大群が平らげた。オリーブの木のまたにワイヤーで括り付けたりんごも、ヒヨドリとメジロが交互にやってきて三分の二の形になっている。

今週、大寒波がやってくるという。春の支度は進んでいる。




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