玉型整備を上手になろう!<全体の局面を見て選択する指し手を決める>
くろかずです。2025年一発目の記事です。今年もよろしくお願いします。
はじめに
この局面で玉型整備をするならどんな手を指しますか?角換わりや相手に角交換型振り飛車をされた時に出てきそうな囲いですね。ぱっと思い付くのは以下の3つの手ではないでしょうか?

指し手の候補
➀▲8八玉
②▲9六歩
③▲6八金右
この3つの手はどれも玉型整備をする立派な手です。指せるなら全部指しておきたいでしょう。しかし、早めに攻めの陣形を作りたい、相手にこの後すぐに仕掛けられるから無理、その手を指したら咎められる、という場合もあると思います。そこで今回は全体の局面によって、どの手を選択するべきかを考えていこうと思います。3つの手に対して、メリットとデメリットを挙げていきます。
➀▲8八玉

メリット1:横からの攻めに対して早逃げできている→超強い!
例えば、以下の局面は8八玉が入っていると明確に得になります。自玉が詰めろになっていないためです。

手順はこちら

局面によって、相手が何枚駒を持っていたとしても、詰まない場合があります。玉の早逃げ八手の得ありという格言は本当なんです。

手順はこちら

メリット2:玉自身が守り駒になる
銀交換を狙う△8六歩ですが、▲8八玉が入っていると基本的には成立しません。△8六歩の瞬間に銀を取る手が成立するためです。これが玉自身が守りとしてうまくいく例ですね。


よって銀が取れる。
デメリット:上からの攻めの当たりが強くなる
▲8八玉と上がったせいで相手の攻めが止まらなくなることがあります。以下が代表的な手順です。



この展開は▲8八玉が咎められています。▲8八玉を指すなら、この展開を防ぐ意味で▲6六歩や▲9六歩などは指しておきたい手です。
②▲9六歩

メリット1:玉の逃げ道が増える
これは言わずもがなのメリット。逃げ道があったから詰まなくて助かったことは多くあると思います。以下の局面も端歩が入っていることが大きいですね。


メリット2:△9五桂を防いでいる
地味ながらこれもメリットです。攻めの足掛かりを作らせないことも立派な守りなのです。


③▲6八金右

メリット:囲いそのものの強度が増す
金銀の連携が良くなるので、固い囲いになります。どこから攻められてもそれなりに耐久することができます。

デメリット:角を打ち込まれるスキが増える
金銀が左に偏るので、角を打ち込まれる可能性が上がります。このため、攻めの形の作り方に神経を使うことが多いです。以下の2つの打ち込みには気を付けたほうがいいでしょう。


早繰り銀や棒銀はこの角打ちがないので、基本的に▲6八金右は損になることはありません。


3つの中でどの手が価値が高いの?
それぞれの指し手の特徴を表にまとめると、このようになります。以上より価値の高い指し手がどの手かを結論付けました。

<相手が振り飛車の時>
▲8八玉 >> ▲9六歩 ≧ ▲6八金右
※△9四歩と付かれた時に▲9六歩を優先させるか検討が必要。
<相手が居飛車で、自分が早繰り銀か棒銀の時>
▲6八金右 ≧ ▲9六歩 > ▲8八玉
※△9四歩と付かれた時に▲9六歩を優先させるか検討が必要。
<相手が居飛車で、自分が腰掛け銀の時>
▲9六歩 ≧ ▲6八金右 > ▲8八玉
※△9四歩と付かれた時は▲9六歩優先でよいと思います。
局面によって3つの指し手の価値は変動しますが、多くの局面ではこの認識でよいです。参考にしてもらえたらと思います。
補足
王手飛車取りを未然に防ぐ▲8八玉 (矢倉限定)
最後に矢倉における▲8八玉のメリットを1つ紹介します。王手飛車取りを未然に防ぐと書きましたが、これは実際に王手飛車取りをされたほうが理解しやすいでしょう。こちらの手順をご覧ください。


手順はこちら
この筋がちらつく場合は▲8八玉入れたほうがいいでしょう。矢倉は上部が固いことも、▲8八玉とする大きな後押しになっていますね。
終わりに
いかがだったでしょうか?細かい部分ですが、これを意識して実戦であれこれ考えると、面白いと思います。ここまで見て頂きありがとうございました!
