ひとりのススメ | 初恋がカルピス味なのかを検証する(しない)
初恋はカルピスの味だし、ファーストキスはレモン味で、ミルキーはママの味だ。
ちなみに、バファリンの半分は優しさでできている。
果たして、本当にそうだろうか?
本日は、「初恋」に焦点をあててみたい。
ファーストキスがレモン味ではないことや、ミルキーがママの味であること、また、バファリンの全成分が優しさなのは自明だからだ。
まず、「初恋に味はあるのか」という、そもそもの疑問があろう。
初恋は食物ではないのだから味覚は関係ない、という意見が多勢であろうが、だからと言って「カルピス味ではない」と断じるのもまた早計なのではないか。
なぜならば、信じたくはないが、カルピス販売戦略上のイメージで宣伝している可能性があるからだ。
「カルピスを飲んだら、初恋、感じちゃうかもよ」みたいな。
それも、まぁ良かろう。
なぜなら、絶対そうに決まっているからだ。
カルピスが甘酸っぱいからこそ、初恋もまた甘酸っぱいのだ。
そう。
あれは中学校の体育祭の練習で、同学年全員が列を成して体育座りをして待機していた時のことだ。
前方にあの娘の背中が見えた。
今思えばキモいっちゃキモいが、その背中をじーっと見つめ、「もしかして、好きになっちゃったかも」などと思ったものだ。
それから随分と時が経ち、中学卒業以来、たまたま町ですれ違うことくらいしかなかった彼女に、大学合格の高揚感に乗じて連絡を取り、一緒に食事に出かけた。
今となっては我ながらある種の恐怖すら感じるが、よく承諾してくれたものだ。
あの体育祭の練習から7年が経っていた。
ふたりして地元の食堂でモグモグご飯を食べて、「じゃ、元気でね」と言って別れた。
それを最後に上京し、35年以上連絡は取っていない。
当時は苦くてしょっぱかったが、今はなぜか甘酸っぱい。
彼女のこれまでとこれからの人生に幸あれ。
