【痛い】なぜTikTokで踊るベンチャー企業は嘲笑されるのか?“バズり”と“寒さ”の境界線
TikTokでベンチャー企業が踊ると嘲笑されるのは、「バズりたい下心」「演出の寒さ」「自己顕示欲」が透けて見えるから。Z世代の“リアル感”重視の文化圏で、社長と社員のぎこちないダンスは痛々しく映る。滑る覚悟もないなら、踊らない方がマシ。
— 黒澤春|YouTuber・note執筆中!フォロバ100% (@kurosawaharu02) June 11, 2025
「TikTokに出てるベンチャーの社長がキモい」と言われる構造
TikTokに「ベンチャー企業の社長です!」と自己紹介しながら、社員数人とダンスを披露している動画がある。軽快な音楽に乗って、ぎこちない笑顔で踊るスーツ姿の男女。コメント欄には、「うわ、こういうの一番無理」「これで投資呼び込もうとしてるのかよ」「宗教感すごい」などの辛辣な反応が並ぶ。
なぜ、TikTokで踊るベンチャー企業はこんなにも嘲笑されるのか?
この問いは、単なるエンタメの話にとどまらず、「企業のSNS戦略」「ベンチャーのセルフブランディング」「ネット文化における違和感の正体」など、現代的なテーマをはらんでいる。本記事では、この「TikTokベンチャー寒い問題」の構造を鋭く掘り下げていく。
1. TikTokという“若者文化圏”での異物感
まず最初に指摘したいのは、TikTokが本来、自己表現とユーモアが命の「個人の場」だったという事実だ。Z世代が中心となって「自分の顔面偏差値」「おふざけ」「カップルの日常」など、きわめて“等身大”な世界観を展開してきた。
そこに突如、「経営者と社員がダンス」などという、企業色の強いコンテンツが割り込んでくるとどうなるか?
答えは簡単。「浮く」のである。
TikTokは“企業アカウントであっても中の人の人間味を感じさせる”という文脈が支持されやすい。しかし、ベンチャー社長が「社員と仲良く踊ってます! 楽しい職場です!」と演出しようとすると、それが露骨な「演出」だと見抜かれる。結果、視聴者は「ウソくさい」「滑ってる」と反応してしまうのだ。
2. “スタートアップはかっこいい”幻想とのズレ
かつて、スタートアップは「かっこいい働き方」「イノベーション」「自由で尖った若者の集団」として描かれていた。しかし今、その幻想は剥がれつつある。
多くの人が知ってしまったのだ──ベンチャー企業の実態は、低賃金で長時間労働、福利厚生も不安定、そして成果主義という名の“社畜量産マシーン”であることを。
そんな中、「我が社は楽しく働けます!」という雰囲気だけのTikTokを見せられても、違和感しか残らない。
視聴者はこう感じる。「これはブラック企業の陽キャ版か?」と。
むしろその“意識高い系ポジティブ演出”が、皮肉にもブラックさを際立たせてしまっている。TikTokで踊るベンチャー企業の動画は、もはや「痛々しい企業広告」として受け取られてしまっているのだ。
3. “踊ること”が寒くなる文脈
もちろん、企業アカウントがTikTokで踊ること自体がNGというわけではない。むしろ、サントリーやGU、無印良品など、大手企業のアカウントが上手くウケている例も多い。
では、何が違うのか?
答えは明確だ。「プロっぽさ」か「開き直り」かである。
大手企業は動画制作のプロが関わり、編集や演出が練られている。あるいは、開き直って「ふざけてます」と打ち出すことで“潔さ”を出している。一方で、ベンチャー企業は中途半端だ。ふざけているようで、どこか真剣。真剣なようで、どこか寒い。
この“寒さ”は、「見てはいけない舞台裏を見てしまったような恥ずかしさ」に近い。視聴者が感じるのは“共感”ではなく“いたたまれなさ”なのだ。
4. SNS戦略としての“自己顕示”が過ぎる
TikTokで踊るベンチャー企業の社長が、なぜ視聴者に嫌われるのか? それは、根本的に“自己顕示欲”が強く出すぎているからだ。
フォロワー数を伸ばしたい、バズりたい、注目されたい──その欲望が透けて見えると、ユーザーは一瞬で冷める。
特にベンチャー経営者は、「自分がブランド」という意識が強いため、自撮り・語り・自己啓発系投稿・社員との和気あいあい動画、すべてが“俺すごいでしょ”の演出に見えてしまう。TikTokという「自然体のふりをして上手に演出する」空間において、こうした“俺が俺が”スタイルは非常に嫌われやすい。
視聴者が求めているのは、「自己承認欲求の発散」ではなく「自分も笑えるエンタメ」や「ささやかな共感」だ。そのズレが、嘲笑を生む。
5. TikTokの“現場感覚”を無視した企業の末路
TikTokでうまくいく企業アカウントには共通点がある。「現場のリアルな声を活かしている」ことだ。社員が自分の言葉で語り、自分のセンスで編集し、自分たちの感性を武器にする。
逆に、経営者主導で“マーケティング戦略としてのTikTok”をやると、たいていスベる。社長が「これバズるらしいぞ! TikTokはダンスが流行ってる!」と浅い理解で始めるからだ。
TikTokの現場は、日々変わる流行、ネタの感覚、コメント文化、すべてが高速で回っている。そこに、「よくわからないけどトレンドらしいからやってみました」の姿勢で参入すると、笑われるのは当然なのだ。
6. 視聴者は“バカじゃない”
最後に重要なポイントを。
視聴者はバカではない。むしろ、TikTokユーザーの多くは「広告」「仕込み」「演出」を見抜く目を持っている。ベンチャー企業のTikTok動画に漂う「作られた楽しさ」「演出されたノリ」は、数秒でバレる。
コメント欄に冷笑が並ぶのは、TikTokが本質的に「リアルな自己表現」を求める場だからだ。そして、そのリアルを偽った瞬間、ユーザーは牙をむく。
まとめ:踊るなら、ウケる覚悟と滑る覚悟を持て
ベンチャー企業がTikTokで踊ること自体が悪いのではない。問題は、「踊り方」と「踊る目的」だ。
・TikTokの文化圏を理解せずに踊る
・演出の浅さと寒さが透けて見える
・自己承認欲求だけが全面に出ている
・バズりたいという下心がミエミエ
こうした要素が重なった時、視聴者は見逃さない。SNSにおける“企業の居場所”は、巧妙に、慎重に築く必要がある。
もし、TikTokで企業が踊るなら、「滑っても笑いに変える覚悟」と「本気で現場に寄り添う姿勢」がなければ、炎上では済まない。「キモい」「寒い」「痛い」という三重苦に見舞われるだろう。
TikTokは、表層だけを真似る者に冷たい。
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