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②【ビッグファイブ/mbti】『能力はどのように遺伝するのか「生まれつき」と「努力」のあいだ』安藤寿康(2023・ブルーバックス)/ 勤勉性とは

表現型

遺伝型が環境の影響も受けて目に見える形であらわれたもの。
「生まれつき」「天性」「素因」という概念はすべて表現型。
DNA上の遺伝子たちのある特定の組み合わせが、タンパク質に合成された結果として発現したもの。

遺伝型

セントラルドグマに従ってDNA情報の発現過程においても書き換えられない、その人特有の先験的条件として想定されたもの。

本書では「生まれつき」を「非学習性の心的機能」、つまり経験によって学習することができない心の働きと考えることにする。神経質や外向性といったパーソナリティはこれに相当する。それらがなぜ学習されないといえるかといえば、前節で説明したように、これらは共有環境の影響がみられないからである。
いわゆる「知識」や「技能」とよばれるものは学習によって獲得され、蓄積されるから、家庭環境の影響が反映され、共有環境として検出される。しかし、パーソナリティや発達障害では、環境要因としては非共有環境しか見出されない。その人のおかれた状況によって変化はするが、これは学習による蓄積が生じないことを示唆している。
このように共有環境の影響の有無によって、心的機能を学習性のあるものとないものに分けて考えるのである。とくにパーソナリティのように知識として構成されないものは「能力」に対して「非能力」とよぶべき心的機能であると考える。

p.63

ここでパーソナリティの一例として取り上げられているのが「勤勉性」。
勤勉性は「時間遵守行動」「目的遂行行動」「検証行動」など色々な行動として表れるのですが、実はそれらの一つ一つは「技能として学習した結果」を獲得したモノではなく、あらかじめデフォルトとして設定されているモノなのだそう(・・・・絶望っっ)

こう聞くと我らはすぐに「ああ、遺伝ね」って思っちゃいますが、勤勉性は遺伝型ではなく表現型の分類だそう。なぜならば勤勉性って、発揮が期待される課題が与えられ、それを評価する社会的文脈がなければ表に出てこないものだから。
先生が言われるには、「遺伝」とは「遺伝型」が与える前提条件・個人差の由来となる事前条件で、それに対して「勤勉性」などの性向は「遺伝型」が生み出した「表現型」である・・・・と。

さらに重要なのは、「生まれつき」の心的機能は学習性ではないが、特定の状況に置かれたときに、その状況に適応するために意識的にコントロールすることができるということだ。

p.65

勤勉性が低い人でもテスト前には力が出せる。「さすがにやべえ、今日ぐらいやっとくか」というアレのことです。低勤勉族だってこんなふうにしてチョットは頑張れるんだけど、悲しいかな元々の素質がないので長続きしない。テストが終わっちゃえば何もしなくなる。
こういうのは「勤勉性」ではなく「勤勉行動」ってゆーのだそうです。
ーーーなんと。この解説モーレツに腑に落ちる。

これと同じで、内向的な人が瞬間的に社交を頑張ったり、わたくしめのような共感ポンコツが「今だ!」という時だけニッコリ愛想よくウンウンしたり(←共感のつもり)といった陽キャ偽装・共感偽装も、「外向性」「共感性」じゃなく「外向行動」「共感行動」ってコトになる。

この後、んじゃいったい「努力とは何ぞや」という方向へ話が進んでゆくのですが、今夜はもうタイムアップ。


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