妥協のない食事選びが組織を熱くする。トップダウンとボトムアップで築く、うるるのインナーコミュニケーション
こんにちは!くるめしです。
くるめしでは「働く人の食の探し方、楽しみ方の体験を変える」をミッションに掲げ、法人向けフードデリバリーサービス「くるめし弁当」「シェフコレ」「ヒトハコ」を運営しています。
今回お話を伺ったのは「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」というビジョンのもと、IT・AIと人のチカラを掛け合わせ、数々のSaaS事業を展開する株式会社うるる様。事業拡大に伴い組織が300名規模へと成長するなか、「人材成長定着企業」を目指し、「うるるスピリット」と呼ばれる価値観をはじめとしたカルチャーの浸透・醸成やスムーズなインナーコミュニケーション形成を目的に多様な施策を展開しています。
これまで行われたさまざまな取り組みのなかには、食が重要な役割を担う施策も。「トップダウンとボトムアップの双方が、純度100%で伝え合う組織」を目指す同社において、「食」はどのような意味を持つのでしょうか――?
株式会社うるる
「労働力不足を解決し 人と企業を豊かに」をビジョンに掲げ、IT・AIと人の力を組み合わせてSaaSを生み出すCGS(Crowd Generated Service)事業やBPO事業を展開。全国の官公庁・自治体の入札情報を一括検索できる「NJSS」、電話代行サービス「fondesk」など、企業の労働力不足解決に寄与するサービスを運営している。
People&Culture本部 ブランド戦略部 ブランド戦略課 課長
高橋 久美様
広報・PR部門にあたるブランド戦略部のマネージャーとして、社外向けのコーポレートブランディング・事業広報に加え、インナーブランディング・インナーコミュニケーションを担当。理念やビジョン、カルチャーの浸透・醸成、社内コミュニケーション活性化のための施策を数多く手掛けている。
ITと人のチカラで社会問題に挑む。300名規模の組織をつなぐカルチャー浸透の仕組み
―― 「NJSS」「fondesk」など数多くのサービスを展開されている、株式会社うるる様。ここまで多くのサービスを生み出されるようになった背景を教えてください。

高橋様:
少子高齢化などによる「労働力不足」という社会問題の解決をビジョンに掲げ、さまざまな企業を支える3つの事業を展開しています。
創業当初から続くBPO事業では、書類のデータ化といった作業から、より大規模な業務プロセスの設計支援、SaaSのバックヤード支援まで、企業のさまざまな業務課題をアウトソースいただき、クラウドワーカーなどのユニークなリソースを活用して納品するサービスを提供しています。
クラウドソーシング事業では、企業と働き手のマッチングサービス「シュフティ」を運営しており、現在49万人のクラウドワーカーが登録しています。
こうしたBPO事業で培ったノウハウと、クラウドワーカーとのつながりを活かして生まれたのがCGS事業です。CGS事業(Crowd Generated Service)とは、私たちが独自に展開する「クラウドワーカーを活用して生まれた事業」のこと。ITと人の力を掛け合わせ、新たな価値を生み出すサービスを提供しています。代表的なサービスとしては、全国の官公庁・自治体の入札情報を一括検索できる『NJSS』や、電話代行サービス『fondesk(フォンデスク)』などです。
―― そんなうるる様の組織づくりには、どのような特徴がありますか?
高橋様:
私が所属しているPeople&Culture本部は、ブランド戦略部と人事部門が姉妹関係にある組織です。私たちブランド戦略部は、対外広報のほかに、全社的なイベントを通じた理念・ビジョンや経営戦略、またカルチャーの醸成・浸透といったインナーブランディングやチームの垣根を超えた横ぐしのコミュニケーション活性化の役割も担っています。その根底にあるのは、うるるが目指す「人材成長定着企業」の実現です。大きな組織開発というくくりの中で人事部門とも密に連携しながら、組織づくりにおける課題に向き合っています。
入社後も長く安心してイキイキと働き、パフォーマンスを発揮してもらうための要素はいくつかありますが、縦と横の結びつきを強くし、カルチャーを浸透させ続けることが欠かせません。そのためにPeople&Culture本部では採用や組織、人材開発、労務を担う人事部門と、カルチャー浸透やコミュニケーション活性化も担うブランド戦略部が両輪となり組織づくりを行っています。

もうひとつ特徴的な点としては、そういった想いに共感してくれる有志が集まった部活、コミュニケーションデザイン部も一緒にイベントの企画立案・実行やコミュニケーション施策に取り組んでいる点でしょうか。
事業・サービスごとに部署が分かれていることもあり、300名規模になった現在、「隣の部署が何をしているか分からない」「社員の顔と名前が一致しない」といった、コミュニケーションに関する課題感も強まってきています。
地道なことかもしれませんが、志を共にするメンバーを巻き込み、頻度高くコミュニケーション機会をつくることが、隅々までうるるのカルチャーを浸透させる上で必要不可欠だと思っています。
トップダウン×ボトムアップでつくる「組織力」
―― 社内イベントも多く開催されていますよね。特に、社内交流会「うる水(うるすい)」は一時中断していたものの、社員発信で復活したと伺いました。どのようなイベントなのでしょうか?
高橋様:
うる水は、コミュニケーションデザイン部主催のLT(ライトニングトーク:短時間のプレゼン)大会で、社員がナレッジを共有したり、新入社員が自己紹介をしたりするイベントです。食事や飲み物を囲んで交流を楽しんでいます。以前は水曜日の夜に開催していたので「うる水」と名付けました。
コロナ禍に一度中断していたのですが、コミュニケーションデザイン部の部員から「うる水を復活させたいです」という声が上がり、再開しました。
―― 300名規模と社員数が多くても、ボトムアップのコミュニケーションを大切にされているのですね。
高橋様:
うるるでは事業成長とカルチャー浸透を両立させ、社員の人材成長・定着を実現するために「シナプス組織論」という独自の組織体制を取っていて、チームリーダーを「コア」、そのチームメンバーを「コアラー」と呼び、シナプス(脳の神経伝達)のように相互に情報を伝え合うことを目指しています。
コアからのトップダウンだけでなく、コアラーからのボトムアップも対等に重要視することで、社員がイキイキと働くことができ、エンゲージメント向上にもつながっていると感じています。実際に、2018年から導入しているエンゲージメント調査では、2025年、業界平均である「73」を大きく上回り「79.8」というスコアを記録しました。
2019年から始まった部活動制度も、まさにボトムアップで生まれたもの。
うるるには「うるるスピリット」と呼ばれる5つの大切にしている価値観があります。

そのうちの一つに「会社はホーム、社員はファミリー」というスピリットがあるのですが、社員数が200名を超えたあたりで、部門も多岐にわたり、業務ではほとんど接しない方も増えてきました。そんな時に、2018年に新卒で入社した社員からその状況を危惧する声が上がりまして。
その声をきっかけに、社員同士が家族のようにつながれる場として部活動が発足したんです。現在も25個以上の部活が精力的に活動していて、仕事以外の場で同僚の人となりを知るきっかけとして、スピリットの体現に貢献しています。

―― 貴社には4大イベントと呼ばれる全社イベントもあるそうですが、うる水や部活動との違いを教えてください。
高橋様:
4大イベントは『ULURU Synapse Award』や『ULURU Adventure Cup』など、四半期ごとに実施する社内イベントです。会社の方針を社長自ら説明するだけでなく、表彰式といったコンテンツを通じて、理念やビジョン、経営戦略、またうるるスピリットを共有するインナーブランディングが目的となっています。
社員数も増えているので、リアル会場とオンライン、どちらも使用するハイブリッド開催も行っていますが、オンライン参加者も一緒に盛り上がれるよう、Slackでリアルタイムに交流できる仕組みも取り入れています。イベントごとにティザーサイトも立ち上げるほど、力を入れているんですよ。
一方でうる水や部活動は、社員同士のインナーコミュニケーションを目的としています。業務における定量的な数字を追っていれば、ある程度の成果は出るかもしれませんが、目標を“超えて”いくためには個人の足し算ではない「組織力」が必要です。だからこそ、4大イベントで縦の軸を強化しつつ、部署を超えて助け合える横の軸が強固であることも大切なんです。
食事が変われば、会話が変わる。アンケートで裏付ける「食の効果」

―― 組織力強化のためコミュニケーションを重視されているんですね。うるる様のイベントでは「食」はどのような役割を果たしていますか?
高橋様:
食事は単なる「空腹を満たすもの」ではなく、コミュニケーションを促しイベント自体の満足度を上げるコンテンツとしての役割があると感じています。昨年、新年会も兼ねたうる水で、初めて「シェフコレ」のケータリングを頼んでみたところ、これまでと会場の雰囲気が変わったんです。
それまではピザやお寿司が定番だったのですが、おいしくても回を重ねるとマンネリ化してしまい……。食事自体が話題になることは少なくなっていました。小分けのパッケージで届いた食事の真新しさに「どこで頼んだんですかね?」「おいしそう!」と、食事そのものが会話のきっかけになっていたんです。
食事の内容をガラッと変えるだけで、場の空気も変わり、ふだん話さない人との会話も生まれる。それが「食が持つ力」なのだと思います。
―― メニューを選ぶ際に頭を悩ませているイベント担当者の方も多いと思います。うるる様が重視する、メニュー選びのポイントが知りたいです。
高橋様:
おいしいことは大前提ですが、蓋を開けた瞬間のワクワク感を重視しています。イベントごとに必ずアンケートを実施し、各コンテンツの満足度と併せて、食事の満足度も細かく取得しているので、そのフィードバックを反映するような食事選びは意識していますね。サイトに掲載されている写真や口コミなども参考にしながら、食べる皆が「わ~!」と喜ぶ姿を思い描ける食事を選ぶようにしています。

食事に関連して最近印象的だったのは、社内イベント時に提供したドリンクに対する反応でしょうか。一般的な銘柄のビールだけでなくパッケージのおしゃれなクラフトビールのラインナップを増やしたところ、場が華やいで参加者からも非常に好評でした。こうした細かな工夫や変化がイベントの印象を変え、全体の満足度を底上げしていくのだと手応えを感じました。
「食」で広がるコミュニケーションの輪。こだわりが効果を最大化させる

―― 満足度の高いイベントの背景には、緻密な分析と工夫があるのですね!こうした取り組みを続けるなかで、現在感じる課題はありますか?
高橋様:
ブランド戦略部、コミュニケーションデザイン部としての課題でいうと、今後さらにイベント参加率の向上に力を入れていきたいですね。社員数は増えているにも関わらず、イベント参加者が固定化してしまうことがあって。
課題へのアプローチとして、先日のイベントではこれまでの内容からガラッと変えてみました。外部の日本酒のソムリエをお呼びして、テイスティングをしながら学ぶイベントを開催したんです。すると、普段はあまりイベントに参加しなかった社員が来てくれて、さらに参加者アンケートの満足度も5段階評価ですべて「5」でした。
コンテンツと食事を変えるだけで参加する層が広がり、「次はワイン会をやりたい」「おすすめのキャンプ飯勉強会をしてほしい」といった新しい提案も生まれるようになりました。イベント運営においても、現状維持ではなく進化させ続けることで、多様な社員が混ざり合うきっかけをつくっていきたいです。
―― 最後に、社内コミュニケーション活性化に取り組む企業の皆様へメッセージをお願いします。
高橋様:
極端に言えば、社内のコミュニケーション施策において食事は「なくても成立するもの」。ですが、私たちは会の成果を最大化させるために「欠かせないもの」だと考えています。どのような食事を用意するかで、生まれる会話の量も、参加者の表情も驚くほど変わるものです。そこに想いを込めることは、社員の満足度を高め、ひいてはエンゲージメントを高めることにつながります。
私たちが頭を悩ませて、食事にこだわっていることは、直接的には社員に伝わらないかもしれません。ですが、そのこだわりの積み重ねは組織の力となるはずです。
株式会社うるる
独自の「シナプス組織論」に基づきトップダウンとボトムアップが双方向に行き交う、うるる様。金融庁の『記述情報の開示の好事例集2025』に人的資本開示が選出されるなど、その取り組みは社外からも高く評価されています。そんなうるる様の組織づくりには、効率だけでは測れない「人の想い」が詰まっていました。
アンケート結果をもとに、イベントの食事や演出を変え続け、社員一人ひとりの体験を何より大切にするのは、食事によって新たな会話が生まれ、組織がより強固につながっていくから。人の力を信じる同社の施策は、多くの企業様のインナーコミュニケーションのヒントとなるのではないでしょうか。

