見出し画像

ハンドメイド作家が10年続くための「ブランドコンセプト」の作り方【作家の裏側#3 後編】

*現在20名近くの方にお読みいただいています。読んだままにせず、ご自分の内側に落とし込んで試行錯誤して頂けたら幸いです。
*今後、内容の充実に伴い、価格を改定する場合があります。一度ご購入いただいた方は、更新後も追加料金なしでお読みいただけます。

【はじめに】~美大卒でもなく、何の資格も経験もない私がハンドメイド作家として10年以上活動してこられた一番の理由~

「つくることで生きていきたい」
そう思ってハンドメイド作家になったものの、1年、2年と経つうちに、いつのまにかフェードアウトしていく方はとても多い。

私自身、美大を出たわけでもデザインの資格があるわけでもありません。
特別な販売経験もゼロ。飛びぬけたビジネスセンスがあるわけでもない。

しかも、うつ病で2年も寝込んで社会からすっかり離れ、どうやって社会復帰すればいいのかさっぱりわからなかった。

そんな私が、これまで10年以上もハンドメイド作家として身を立ててこられました。
身を立てるどころか、今では多くのファンの方に支えていただき、海外の展示会に出展したり、人気作家さんに混じって有名イベントに出店するようにもなりました。

その一番の理由は、ブランドコンセプトを明確にしたことでした。

ブランドコンセプトと聞くと、「大企業がやるもの」「マーケティング用語でしょ」と思われるかもしれません。
でも違います。

ブランドコンセプトは、作家としての生き方の軸そのもの
外から見つけてくるものではなく、自分の中にすでにある価値観から見つけるものです。

前編では、ブランドコンセプトは単なる「売るための戦略」ではなく、作家としての存在意義を明確にし、心の軸を作るものであるとお伝えしました。

ブランドコンセプトの意義、本来の目的を知っていただくためにも、事前にこちらの記事をご一読ください。

後編では、自分軸に基づいたブランドコンセプトの作り方を6ステップで解説します。今後ハンドメイド作家として活動していきたい方はもちろん、将来個人事業主として自分らしい生き方をしていきたい方に、必ず役に立つ内容です。

私にとって、この独自のブランドコンセプトの立て方、考え方は、10年以上の作家経験のまさに核心部分。これがなければ始まらない、秘伝のタレみたいなもの。
うつ病で社会から離脱し途方に暮れていた私が、作家として今まで身を立ててこられた極意。こっそりお伝えします。


なぜ、10年継続することに意味があるのか

誤解しないでいただきたいのですが、私は「なんでも長く続ければいい」とは思いません。けれど、私がハンドメイド作家として活動してきた10年間は、とても価値のあるものでした。

10年続けることで得られる5つの価値

1. 技術と表現力が自然に身につく
長く作っているうちに、手の感覚や素材の扱い方が身につき、思い通りに作品を作れるようになります。作家らしい個性や表現力も育ちます。

2. お客様やお取引先との信頼関係がつくれる
続けていること自体が安心感につながり、ブランドとしての信頼度にもつながります。活動歴が長くなると、メディア掲載や展示会、コラボなどの話も舞い込みやすくなります。

3. 販売や発信のコツがわかる
試行錯誤を重ねる中で、自分に合ったお客様や販売のやり方が見えてきます。短期間では気づけない大切な経験です。

4. 自分の成長や生き方にもつながる
活動を通して、自分の考えや価値観が深まります。作品づくりが人生の軸になり、日々の暮らしもより豊かに。自由度も増します。

5. 仲間やコミュニティとのつながりができる
同じ価値観を持つ仲間やファンと出会い、支え合える関係が生まれます。
孤独になりがちな個人の作家活動において、心強い支えになります。

つまり、作家活動を10年続けることは、単なる収入を稼ぐこと以上に人生を豊かにし、自分の人生を方向づけるほどの価値があるのです。

ただし・・・

波の上を漂流するように「なんとなく」継続するのでは意味がありません。しっかりと自分の軸を持って活動することが不可欠で、そのために、『ブランドコンセプトが重要』となります。

企業のコンセプトに学ぶ

それでは、自分のブランドコンセプトを考える前に、長く愛されている企業のコンセプトを見てみましょう。

コンセプトを一般に広く伝えるためにまとめたものを、キャッチコピーといいます。
優れたキャッチコピーの事例には、個人の作家活動にも活かせるヒントがたくさん詰まっています。

有名企業のキャッチコピー例と分析

資生堂:「一瞬も一生も美しく」
→ 
商品機能を超えて、人生全体の美しさを約束している
サンリオ:「みんななかよく」
→ 
キャラクターではなく、社会に対する理念を表現
リーバイス:「Quality never goes out of style.」
→ 
流行ではなく、普遍的な価値を訴求
ミツカン:「やがて、いのちに変わるもの。」
→ 食品を超えて、生命への敬意を表現

企業のコンセプトに共通するポイント

それぞれ見ていくと、共通点があることに気づきませんか?

扱う商品は、キャラクターコンテンツや化粧品、食品など、ごく身近なものなのですが、コンセプトはどれもスケールが大きいのです。

サンリオは世界平和、資生堂は人生の美しさ、リーバイスは普遍的な価値、ミツカンは生命の尊さというところまで落とし込んでいます。

さらに、ひらがな表記にもご注目ください。
『いのち』や『みんななかよく』という文字です。
『命』と書かず、『いのち』とし、句読点が刻まれているところには、「生命を丁寧に大切に」という誠実な想いが表されているのではと思います。

一方で、サンリオの『みんななかよく』は、子供のファンが多いサンリオらしさ、親しみやすさが表現されているように感じますね。

こんなふうに、コンセプトは単なる商品の機能説明などではなく、企業としてのあり方、価値観そのものを細やかに表現しており、ごく短い一言の中に、企業の世界観がわかりやすく詰め込まれています。

コンセプトがどのようなものか、なんとなくわかってきたでしょうか。

このような短い言葉の中に、それぞれの哲学や世界観が織り込まれているということ。
つまり、自分のブランドコンセプトを作り上げることは、自分だけの世界観や哲学を構築することに直結するわけです。

自分のブランドコンセプトを見つける6ステップ

ここからは、『ハンドメイド作家として10年以上継続しながら、自分の生き方を追求するためになくてはならない』ブランドコンセプトの見つけ方を解説します。


【ステップ1:自分らしさと動機の掘り下げ《最重要》】

ここが最も重要で、最も時間をかけるべきステップです。
前編で『ブランドコンセプトは自分自身の内側から生まれるもの』とお伝えしました。“自分らしさ”を改めて発見するのと同時に、「他の誰でもなく、自分が作品をつくる意味」を深く考えます。


ここから先は

10,230字

¥ 6,900

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?