手抜き介護 345 Mさんが来る日
母のところに持って行こうと買っておいたお菓子の袋を、気がついたら父が開けて食べていた。父好みではないと思ったけど、見ているうちに興味がわいたかな。口が開いたのを持って行くと取り上げたみたいになるし、届いた方もちょっとかなと思って、新しく買い直した。
という話を母にしながらカゴにお菓子を移していたら、母が「年を取ると、甘いものが欲しくなるから」とかばうように言った。でも私が帰った後、違うことを思いついたらしい。
数日後、父と3人でランチするため母の部屋に行くと、母が開口一番「お菓子、Mさんにあげたんだわ。お父さんが甘いものなんて、食べないもの」という。一瞬何のことか分からなかったが、「ああ」と話がつながった。Mさんは、父が思いを寄せていると母が思い込んでいるヘルパーさん。まだそんなこと、考えてるんだなあ。これは、話を膨らまさない方が良さそうだ。
「明日から3泊で、自宅に帰るから」と、私が強引に話題を変えたら、母に「Nさん(夫の名)、誕生日はいつ」と訊かれた。
私「再来週」
母「迷惑かけてるから、何かお礼しないと」
父「月曜日だ」
私「え? 日曜だよ」
瞬間、娘婿の誕生日まで暗記してる?とびっくりしたが、すぐに違うと気づいた。父が、「Nさん」を、「Mさん」と聞き間違い、「いつ」だけ聞き取れたため、ヘルパーに来ている曜日を答えたのだ。
母が「月曜日って何?」という。「Mさんが来る日」なんて、とても答えられない。NとMを、聞き間違ったとも言いにくい。「やっぱりMさんのことを考えてる」と思われるだけ。やむを得ず、「いつもの助六じゃなくて、サラダ巻きにしてみたんだけど、どう」と、また話を強引に変えてみた。汗汗。
