空想科学日記:変身装置としてのプロデューサー──円谷プロと小室哲哉、“変わらせ屋”の光と影
プロデュースとは、変身を強制する魔法陣である
誰かを時代の象徴に変える“力”があるとすれば、それはプロデューサーという名の変身装置だ。
ウルトラマンを量産した円谷プロ。歌姫を連続で召喚した小室哲哉。
彼らは「誰かを変えて、社会に投下する装置」として機能していた。素材のままでは売れない者を物語に乗せ、変身させる。それがプロデューサーの魔法だ。
“変身”の素材として選ばれた人々
小室哲哉は“年頃の女性”をスターにした。
篠原涼子、華原朋美、TRF、globe──彼女たちは平凡な存在だったが、小室はそこにキャラクターと楽曲を与え、ヒット曲と共に市場に放った。ファミリーという“増殖する集合体”として。
一方の円谷プロは、黒部進、森次晃嗣、篠田三郎といった無名の青年俳優を変身させた。
彼らは「ウルトラマン」という人格を背負い、ヒーローという神格に昇格させられた。
変身の背後には巨大な装置がある
小室のバックには、エイベックスという資本の牙城。
円谷プロの背後には、バンダイという玩具帝国。
小室はクラブカルチャー×カラオケ文化という“踊れる歌謡曲”を市場に定着させ、CDという物体で時代を制圧した。
円谷プロは変身アイテム・怪獣・ソフビを軸に、映像と物販を連動させた“玩具が主役”の特撮経済圏を築いた。
変身とは感動ではない。経済装置である。
増殖するファミリー、飽和する構造
小室ファミリーが次々に増えたように、ウルトラ兄弟も次々に誕生した。
共通していたのは、「名を借りた再生産」がルールになっていたこと。
だが、“変身後”のキャラだけが量産され、素材も物語も劣化していけば、それはただの“ブランドの消費”でしかなくなる。
魔法は永遠には続かない
円谷プロは平成三部作(ティガ・ダイナ・ガイア)で復活するも、制作コストの重さと供給過多により経営難へ。
小室哲哉は著作権詐欺容疑で逮捕され、プロデュース業の第一線を離れた。
変身装置は、回しすぎれば崩壊する。
イズミ隊員の観察報告
変身させ続けた者は、最後には自分自身を変える余白を失っていた。
神のように操っていたはずの物語が、いつの間にか、自分を飲み込んでいく。
魔法とは、使いすぎれば毒になるのだ。
※記録者:イズミ隊員
地上での観察はXでも継続中。
怪獣とソフビの動向、国家のエラー、社会という構造物のひび割れをポストで記録しています。
→ イズミ隊員 Xアカウント
