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不思議ハンター:数歌(かずうた)ものがたり(2千文字)


不思議ハンター:数歌(かずうた)ものがたり

ボクの名前は、常世 藤四郎(とこしえ とうしろう)。「不思議ハンター」さ。
世界は不思議であふれていて、ボクはそれを集めている。なぜ不思議を集めているのかって? だって世界の不思議には、しっかりとした理由があるように、ボクには見えるから、その理由を求めているのさ。
でも、何よりも不思議なのは、みんなが不思議を不思議と思わないことかな。それが、ボクが不思議ハンターになった大きな理由かもしれない。

今日の物語は、ボクがとある場所で出会った、一つの『歌』から始まる。その歌の名は『数歌(かずうた)』。それはまるで、古代の神官が詠んだ神託のようだ。そして、この歌には、いくつもの顔を持つ、階層仕立ての不思議が隠されているのさ。まずは第一階層から説明するよ。

1. 謎めいた歌:ことばの第一階層

ボクがこの歌と出会ったのは、山奥に住む、ある老師を訪ねたときのことだった。老師は静かに目を閉じ、こう詠い始めたんだ。

霊に観しコロナ焼く
苦やな露光、死身に入れ

その荘厳な響きに圧倒されているボクに、老師はこう説明してくれた。

「前半、『霊に観しコロナ焼く』。ここで言う『コロナ』とは、日食の時にだけその輪郭を拝むことを許される、超越的な存在の象徴じゃ。人は魂と霊を研ぎ澄まし、その光を『観じ』ようとする…」

「そして後半、『苦やな露光、死身に入れ』。前半の『コロナ』と対をなす、『露光』ということばが現れる。…それは圧倒的で永遠に近い『コロナ』の光に対し、あまりにも儚く、有限な、一瞬の光…」

老師は続けた。「つまりこの歌は、**『永遠で絶対的な神の光』と、『有限で儚い人間の命の光』**との、絶望的なまでの対比を詠んだ、壮大な詩なのじゃよ」と。
ボクは、その深遠な物語の世界に、すっかり飲み込まれてしまったのさ。

2. 数の歌:ことばの第二階層

老師が紡ぎ出した、あの深遠な物語…。まるで神秘の世界と儚い世界が交差した瞬間みたいだった。

でもね、実はそれは、この歌が持つ「第一の顔」でしかなかったんだ。
…なぜかって? 実を言うと、あの老師の正体は――ボク。この歌は、ボクが作ったからさ。「すっかり心を奪われた」っていうのは嘘じゃないよ。だってボク自身、この歌を創ることにすっかり心を奪われていたんだから。

この歌には、隠された「第二の顔」がある。
それは、**「01234-56789-98765-43210」**という、ただの数字の羅列をひらがな一文字ずつで表している、ということさ。

無味乾燥な数字の行列が、あんなにも荘厳な物語をまとえるなんて。ことばって、やっぱり最高の不思議だと思わないかい?でも、いったい何のために数字をひらがなでいわないといけないの?それがいったい何の役に立つの?って思ったでしょ。

3. ボクたちは、数字に囲まれている:第三階層

そこで、ここからが『数歌』の「第三の顔」…ボクたちの日常を劇的に変える、強力な魔法の話になる。

現代社会でボクたちは、毎日たくさんの数字と一緒に生活している。電話番号、口座番号、買い物したときの代金…。例えば**『21,518,000円』**なんていう数字の呪文は、口頭で言うと長いし、伝票に書いてあると見間違いも起きやすいだろう?

そんなときこそ『数歌』の出番さ。さっきの金額も**「にいこいやれれれ」**と唱えるだけでいい。請求書と振込用紙を見比べる時も、頭の中で「にいこいやれれれ」…「にいこいやれれれ」と反響させれば、照合は一瞬さ。声に出せば、耳が間違いを勝手に見つけてくれる。そう、『数歌』は日常に潜む数字のストレスを消し去る魔法のことばなんだ。

ほかにも『518』と『581』みたいな紛らわしい数字も、『数歌』なら**「こいや」「こやい」**。音の違いがはっきりするから、間違いが劇的に減るはずさ。

電話番号**『123-4567-8900』だって、相手から聞きながら瞬時に脳内で「いにみ-しころな-やくれれ」**って変換できれば、メモもずっと楽になる。「レ・ミ・シ」なんて音階を連想したり、自分だけのごろ合わせを考えたり…。

そうやって、無味乾燥な数字の羅列が、キミだけの忘れられない物語に変わっていくのさ。

4. 新しい世界の始まり

この『数歌』を使いこなすには、やっぱりちょっと練習がいる。でも、マスターするのは簡単。身体に浸透するまで、繰り返し詠むだけさ。第一階層の、あの壮大な物語を心に描きながら詠めば、ことばは自然と身体に馴染んでいくはずさ。さあ、キミも、試しにその声で詠んでごらん。

数字は、単なる記号じゃない。音や物語をまとうことで、ボクたちの強力な味方になる。これは、一つの記号が意味を持つことで世界の見え方が変わる、最も美しく、最も勇気あるエンディングへの第一歩なのさ。
今日の報告は、ボクの創作という番外編だったけど、ここでおしまい。

けれど、不思議はまだまだ尽きない。ボクの冒険は続いていく。

#SF小説が好き #創作小説

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