過ぎていったある夜の物語:星新一が好きすぎて歌を作った二十歳の私
本文 約1,800文字
星新一のショートショートが大好きです
いまでもトイレには「ブランコのむこうで」を置いていて、子どもが漢字を読めるようになったら、自然と読んでくれると嬉しいなと思っています
「ブランコのむこうで」はショートショートではないのですが、9つのエピソードが繋がっていて、少しずつ読み進めることもできるし、主人公が変わらないので子ども向けにちょうど良い気がしています
星新一といえばショートショート
ショートショートといえば星新一
彼が残したお話は1,001編もあるそうです
どれを読んでないのかもう分からないので、生きているうちにもう一度、全編を読み返したいと思っています
全編を読んだあとには変わっているかもしれないけれど、いまの私が一番好きなお話は「未来いそっぷ」に収録されている「ある夜の物語」です
高校生の時には、この作品のフォーマットを活かして物語の中を冒険する「アドベンチャーゲームを作る」という内容の作文を書いて、専門学校の授業料に使える奨学金をもらいました
専門学校の課題でアニメーション動画を作るときにも題材にしました
それから、友達とふたり、大阪梅田の歩道橋の上で路上弾き語りをしていた中で、オリジナル曲を作ることになり、やはりまた題材にしました
この物語のなかでは4人の人物に不思議なことが起こりますが、曲の中では青年と女の子の2人のエピソードを歌詞にしています
こんな感じです
「ある夜の物語」
僕はさえないサラリーマン
突然出てきたあんたはどなた
さらにびっくり
この僕に願い事はなにかとたずねた
お金に彼女、地位も名誉も
だけど不思議な心の変化だよ
僕よりもっと気の毒な人
そちらに行ってあげてくれませんか
あたしはあわれな女の子
急に現われたあなたはだ〜れ
どこかのだれかがこのあたしに
願い事をゆずってくれた
窓から見てた、たくさんの影
だけど不思議な心の変化だわ
あたしよりもっと気の毒な人
そちらに行ってあげてくれませんか
困り果てたサンタクロース
今年のイブはもうすぐ終わり
こんな事ははじめてだ
願い事の売れのこりなんて
サンタは一人家へと帰る
トナカイのソリにこしかけて
ゆれるイスに座りグラス片手に
窓にうつる顔見て考えた
こんな事したらもったいないのに
だけど心はすがすがしいんだよ
わしなんかにのこしてくれた
イブの夜のサンタへのプレゼント
過ぎていったある夜の物語
文庫本では1人のエピソードが約3ページで語られますが、歌詞にすると8行になってしまいました
歌詞の行数は曲次第ではありますが、テンポ良くしたかったのと、「少ない言葉で雰囲気を表現する」という制約が楽しくなってしまったので、仕方がありません
二十歳の頃に書いた歌詞を読み返して
題材にしたショートショートを読み返して
四十歳を超えた私が思ったのは
「残りの2人の歌詞も書いてみたいな」
ということでした
若い頃の私が、青年と女の子の気持ちについて考えたのと同じように、今の私が、金貸しと破滅主義者の気持ちについて考えることは、とても自然なことのようにも思えました
何度も書き直しましたが
なんとか形になったように思います
こんな感じです
「もうひとつのある夜の物語」
弾き語りの音源も聴けますよ
実は1番と2番のメロディーが違っていて、後半で合わさるとハモリになっている、というTHE 虎舞竜の「ロード」方式なんです
3番は2番と、4番は1番と同じメロディーを想像して歌詞を書いたのですが、3番と4番も違うメロディーにできたら楽しそうですねぇ
テンポを落としてStray Catsの「I Won't Stand In Your Way」みたいなハモリになると良いな
ここから先は
¥ 300
この記事が参加している募集
子ども達のおやつ箱の充実にお力添えいただけますと私も嬉しいです
