ピーナッツ模様の顔と目が合った。あれから10年、まだ終わらない
あなたは、あの都市伝説をご存知だろうか?
ピーナッツの模様のように、切り刻まれた顔をした人が、夜の街を歩いている──という噂を。
その人は、静かに歩く。
すれ違った者は皆、同じ印象を語る。
「顔が……おかしかった。まるでピーナッツの殻みたいだった」
「皮膚が、何本もの線で裂けていて、どれが目でどれが口か、わからなかった」
「それなのに、笑っているように見えた。泣いてるようにも……」
性別は不明。
年齢も、わからない。
声を聞いたという者もいない。
だがその姿を見た者は、決まって数日以内に、顔に“裂け目”が現れるという。
まるで、何者かに殻をこじ開けられたように、音もなく、じわじわと。
当時、子どもたちはこう囁き合った。
「見たら終わり。でも、“話せば”、呪いが移るらしいよ」
そして──あれから、10年が経った。
ある病理学者のもとに、数十人分の顔の写真が届いた。
どれも、異なる人物。だが皮膚の“模様”が奇妙に一致していた。
彼は、それを重ねてみた。
すると、浮かび上がったのはひとつの“地図”だった。
廃墟となった旧団地。
その地下に、地図には載っていない空間がある。
座標をたどるように、調査隊がそこへ向かった。
戻ってきたのは、ひとりだけだった。
その人物の顔には、
“あの人”と同じ模様が刻まれていた。
いや、それ以上に、精密で、鮮明な地図になっていたという。
そして、その人物はこうつぶやいた。
「……この模様は、まだ“途中”だったんだ。
もっと奥がある。もっと深くに、“それ”がいる」
それ以上は聞けなかった。
ちょうどそのとき、顔が音を立てて──ぱきん、と割れたからだ。
ヤスさんの企画に参加しました!
《今週の三題噺》
1.ピーナッツ
2.都市伝説
3.正解は10年後
うわー、すっごい楽しそうな企画。と思って、気づいたら参加していました。それくらい、魅力的な企画です。企画を考えたヤスさん、さすがです!
よろしくお願いします。
