デカダンスの美意識
デカダンス(退廃)。
もはや決まり文句になってしまった言葉だ。
この言葉がもともとの意味とは反対の意味で使われているのはとても残念だ。不健全なことのように扱われているけど、デカダンスとは、芸術を理解する一つの方法にすぎない。
美しいものは、明るく健やかな姿だけをしているわけではない。
朽ちゆく花にも、翳りを帯びた感情にも、滅びゆく物質にも、心を揺さぶる美は宿る。
永久に続く完全なものではないからこそ、私たちはそこに物語を感じる。
人の美しさもまた同じだ。
傷を隠すのではなく、生きることを慈しめる人は、年齢を重ねるほどに静かな輝きをまとっていく。
美意識とは、完璧さを手にすることではなく、不完全さの中に潜む美を見つけ、それを味わう感性を育てること。
光だけではなく影にも目を向けるとき、その先には、成熟した美しさが静かに息づいている。
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