チック/トゥレット症候群って何?
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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
神経の多様性、
ニューロダイバーシティシリーズ。
今回のトピックは、
チック・トゥレット症候群です。
あなたはチックと言われて、
どのような症状が思い浮かぶでしょうか。
教員生活10年の中で
筆者がチックについて知り、
調べてみようと思ったのは
かなり後半部分となります。
よって、
教員人生の前半部分は、
チック症状があったとしも
それを見逃していた可能性がある。
ADHD、ASD、LDに比べると
教員の間でも認知度は低い症状です。
しかし、
結構な頻度で見られる症状でもありますし、
知らないと見過ごしてしまったり
変に強制させてしまったりする可能性もある。
ほんの少し、
症状の入口を知っておくだけでも
随分と冷静に子どもの行動を観察することが
できるようになります。
知っておいて損はないはず。
何か気付きを得ることができる記事にできれば
幸いです。
チック/トゥレット症候群とは?

チックとはどのような症状を指すのでしょうか。
パチパチまばたきをしたり、
顔をしかめたり、
こんこん咳をしたり、
決してわざとではないのに
ある動きや音を繰り返してしまうことを
チックと言います。
大きく分類すると、
運動チックと音声チックに分かれる。
具体的な症状を列挙すると・・・
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【運動チック】
・まばたき
・口をゆがめる
・鼻をひくひくさせる
・目を細める
・白目をむく
・肩をすくめる
・口のまわりをなめる
・片足をひきずる
・ジャンプする
【音声チック】
・咳をする
・うなる
・ほえる
・鼻をならす
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という感じです。
一見、誰しもが行う行為に見えますが
これを無意識に繰り返してしまうのがチックです。
そして、
上記の症状は単純性チックと呼ばれるもの。
複雑性チックになると、
もう少し日常生活で
困ったことが起こるようになります。
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【複雑運動チック】
・人や物にさわる
・においをかぐ
・何かをたたく
・手で鼻をこする
・ところかまわず唾をはく
・服の袖や爪などをかじる
【複雑音声チック】
・「バカ/死ね」などの汚い言葉(汚言症)
・人の真似をする
・自分の発した音や言葉を繰り返す
・下ネタや卑猥な言葉を発する
・奇声を発する
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学校現場も地域によると、
挨拶のように
「死ね」といった暴言を吐く子どももいます。
そのような場合は、
チックの可能性がある。
療育現場でも、
「アホ/ボケ/カス/クソ」といった
暴言を息を吐くほど自然に
次々と会話の中に織り交ぜる子もいる。
しかし、言葉に敵意は感じられない。
言わずにはいられない
癖のような形になっているようです。
それを知らずに頭ごなしに叱っても
本人は無意識で言っているかもしれません。
さらにこれらが1年以上続き、
慢性的なチックになることもあります。
幾つかの運動チックと
1つ以上の音声チックが1年以上続く場合は
「トゥレット症候群」という名称に変わります。
ADHD、ASD、LDと同じように
神経発達症の1つに分類される症状です。
次はチックの全体像に
もう少し深く切りこんでいきます。
チックの段階的プロセス

チックの症状は
小児期の10~24%となっており
かなり頻度の高いものとなります。
男女比は、3:1で男子が多い。
ある調査によると、
平均発症年齢は6.7歳であり
5~9歳が51%と、
最も発症頻度が多い年齢となります。
ほとんどのチックは、
数週間から長くても数ヶ月。
1年以内に自然消滅するのが
大多数です。
ただ、
トゥレット症候群になる可能性もあるので
1年以上続く場合もあります。
チック症状は、
単純性チックから始まり
段々と複雑性に進展していきます。
音声チックであれば、
①せきばらい
②「アッアッ」という叫び声
③言葉が出る
④汚言
という段階を踏んでいくのが一例。
運動性チックであれば、
①顔面
②首
③肩
④上肢
⑤体幹
⑥下肢
と部位が移っていくことになります。
そして、
チックを一次的な障害とするならば
二次障害へと発展していく恐れがある。
最も顕著なのは、
強迫性障害です。
トゥレット症候群までいくと
強迫性障害との合併症が
可能性として出てくる。
一説によると、
トゥレット症候群の人の中で
強迫性障害の診断基準を満たす人は
30%いると言われています。
また、
トゥレット症候群の人は、
睡眠障害をもっていることも多いとされている。
他にも、
吃音症や抜毛症、身体醜形障害、摂食障害などが
合併症のリストとしてあげられています。
身体醜形障害は、
外見に異常がないにも関わらず
醜いとか歪んでいるなどの考えにとらわれ、
苦悩し、日常生活に障害が生じる症状。
抜毛症は、
毛を抜きたい衝動にかられ
毛髪が著しく失われていく症状です。
ADHD、ASD、LDとの合併症も
非常に多いです。
チックの
どこかが衝動的に動いてしまう症状は
ADHDと類似性がありますし、
こだわり行動がチックに発展するのは
ASD関連の症状に類似性があると言えます。
この場合は、
ADHDやASDが一次障害であり、
チックが二次障害ともなり得るでしょう。
チックはなぜ起こるか?

チックの原因は、
神経伝達物質である
ドーパミンが関係していると言われます。
ドーパミンを抑制する薬が
チック症状に有効であることも
それを証明している。
ドーパミン神経系は、
幼児期早期2~3歳では、
成人の6~7倍と
一生のうちに最も高い活性を有します。
そして、
年齢とともに低下していく。
10歳までに急速に低下し、
15歳までやや速度を落とし、
以後ゆっくりと活性レベルを下げていく。
ADHDの衝動性や多動性が、
小学校高学年になると落ち着いてくることも
ドーパミン神経系の低下によるものです。
ただし、
トゥレット症候群の子どもは
年齢によるドーパミン神経系の減少が
より早いペースで進むことが分かっている。
健常者より
3年早く経過するレベルのようです。
その急速な減少の過程の中で
チックという症状が発生し、
トゥレット症候群にっながっていく。
よって、
10歳近辺まで症状が増悪しますが、
それ以降は症状が安定し、
場合によって消失していくことになります。
このように、
なぜチックが起こるのかの
仕組みを理解しておくと、
年齢による一時的なものかもしれないと
冷静に行動を観察できることにつながります。
もしチックの子どもがいたら?

まず大前提として、
チックは10歳までに出やすいものであり
1年以内に消失することが多いことを
念頭に入れておくことが大切。
その前提があれば、
大きく焦る気持ちを抑えることができる。
また、
チック症状が強くなりやすいときは
リラックスしているときや
不安や緊張が大きいときです。
チックが出ている場面を
分析する視点にもなるでしょう。
これは裏返せば、
チックのことを周囲が気にし過ぎて、
必要以上に症状を指摘したり
注意したりすることによって
よりチックが出やすくなる恐れがあります。
まず、1番の理解者が過剰に反応しないこと。
そして、
それを学校や友達などに伝え
症状の理解を広めておくことも重要です。
肯定的な声掛けや
ポジティブな情報を伝えることも大事。
他にも、
症状別に対応を考えるとするのならば、
風邪でもないのに咳をするなど
不安症状から来ていそうなチックは
外出時に飴やガムを用意したり
安心グッズを用意したりなどの手段が考えられます。
思わず唾を吐いてしまうなど
運動性に関係していそうなチックの場合は、
体を動かす時間を増やすことも手立ての1つです。
症状が激しく気になる場合は
専門医に相談することももちろん選択肢の1つです。
ドーパミン系の薬も効果があるので
薬物療法を行うことも手段としてはあり得ると思います。
まとめ

チックは育て方の不適切さが
原因となるのではありません。
どうしても、
チックになりやすい素因が
遺伝子の中にあることが一義的な要因になるようです。
それが、
何かのきっかけによって
引き起こされると言われています。
もし、
お子さんにチック症状が出たとしても
親が自分を責めることはせず、
温かく見守っていけば症状を緩和すると捉え、
たくさんの大人たちで協力して
子どもをケアしていけるといいですね。
「知は力なり」
知識のあるなしで
ニューロダイバーシティーへの対応は
随分と変わります。
「人間」を理解するための勉強は
絶やさず行っていきたいです。
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