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本番直前に即興とは何かを今一度確認しておこう。

明日から劇団チリが始まる。
メイン画像は即興チームと短編チームの集合写真を上手く合成したかったのだけど、間違えて中川さんの頭をえぐってしまったし、仲坪さんは生首みたいなことになってしまいましたごめんなさい。
でもしょうがないじゃない、総勢何人だかわからないけど、とにかく30人以上の豪華出演者が立川に集結するんです、そりゃこの狭い画面なんかに収まりませんよ。これだって全員集合してないし。

とにかく明日から劇団チリが始まる。
前回出演した時は即興だけだったけど、今回は即興短編の両方に出ます。
今回の公演概要はこちら。

今回、短編の稽古はチリが“持続可能な演劇”を謳っていて、そもそも短編だからということもあり、回数自体は少なかったけれども、それでもしっかり仕上がりました。当然だけども。
一方で、個人的に即興の稽古にあんまし参加できなかったので、今一度、即興について確認しておこうと思う。稽古に行けなかった分はイメージトレーニングを重ねていく他ないのだ。

そもそも、即興って何なのかお客さんに伝わっているのか。
即興は役者がゼロからその場で創り上げるものだけど、それを一般のお客さんはどんな風に観て楽しんでいるのだろうか。即興と言われても見方がよくわからない…というお客さんも中にはいるのではないだろうか。
役者がゼロからめちゃくちゃ上手いこと芝居を創り上げたことに喝采を送るか、役者がどうにかしようと足掻きまくったけど上手くいかずに爆死したところを観て楽しむか、のどちらかがを基本的な即興の見方になると思う。それまでどう転ぶかをお客さんにはどうか見守って頂きたい。
でも即興とは言っても無法地帯ではなくてそれなりにルールはあるんだ、ということは知っておいた方が良いし、こんな風に考えていれば舞台上で上手くステキなことが起こせるはず!ということも心のお守りとして持っておいた方が良い。
コンセンサス。コンセンサスの形成とすれ違いの塩梅こそが即興の醍醐味です。
何を言ってるのか分からなくなってきたので、具体的に即興のルールを確認しておきましょう。

①双子エチュード

大体3人でやる。片側は2人1組。そっちが双子と呼ばれる。
2人だけど1人の人格。
双子じゃない方の人が質問をしてくるので、双子がそれぞれ1文字ずつ答える。
その文字が連なって上手いこと質問に対する答えになるとイイネ!という即興。

奇跡的に上手い文章になったら最高なんだろうけど人間なのでそこまで上手いことはいかないので、会話にはなってないけど最低限、単語や言葉としては成立してるというところまで持っていくのが双子の仕事。文脈的に変でも何とか解釈して進行するのが双子じゃない人の仕事。
会話にならなくても赤が何とかしてくれると思って言葉を捻り出すのが青と緑の頑張りどころ。上手いこと言おうとしない方が面白くなったりするんじゃないかと思う。むしろ赤の手腕にかかってる気がする。


②スピットファイヤー

会話してる人たちの誰か一人の背後に背後霊のような存在がいて、その人が無作為に単語を挟んでくる。図だと青の背後に緑がいる。青は緑が言った単語をすぐさま言って上手く会話を続けなければいけない。
全然流れに関係ない単語を上手く乗りこなせば青が凄いということになるし、変なことを言ってるのを赤が上手く切り返したら赤が凄いということになる。
大体は青が赤に詰問されている状況で精神的に追い詰められてる故に変な単語を口走ってしまう…という構図がこの即興のオーソドックスな形。ではあるけど、そうならないこともしばしば。誰かが誰かに追い詰められてると面白くなる…と思う。
緑のワードセンスがけっこう難しい。

③ペーパーズ

台詞が書かれた紙が大量にある。この紙は誰がどのタイミングで拾ってもよくて、自分で読むのではなく読ませたい相手に渡す。渡す時は質問しながら。渡された者は質問の答えとして台詞を言う。
場面に即した台詞が出るのか出ないのか。変な台詞でも言う者の解釈でニュアンスが変わったり、受け取りてのリアクションで関係性が分かったり。今何を言ったところで何にもどっちらけみたいになってるとマジでどうにもならないので、紙を渡す渡さない以前の設定と関係性の構築を素早く行わないと、死にがち。

これが全てではないけど、劇団チリでやる即興はこんな感じ。
他にも色々なルールの即興をやる。
全体に共通として言える狙いとしてやりたいことは、
予定調和として行われる会話の中に強制的に不確定要素が入ってくるのに慌てふためきながらも上手いこと着地させる、ということだ。
予定調和とは作中の物語がどの方向に行くのかやる側も見る側も何となくわかるような状態。上司が部下に怒られてるとか、2人の男が1人の女を奪い合ってるとか、3人は仲良しだと思ってるけど1人だけ実は仲間外れにされてるとか。
人物たちの関係性と抱えている問題が早い段階で明示されないと、これを乱すための不確定要素が上手く機能しないで何が何だかのどっちらけになってしまう。
この関係性と物語の方向性を提示することをセットアップという。何かこう、不確定要素に対して如何に対応出来るか、が役者の技量のように思われがちだけど、むしろ迅速なセットアップにこそ
役者の技能がかかっているのではないかと。そこに加えられる不確定要素は大喜利的な要素もあるので技能というより役者のセンスではないかと。そしてそのセットアップされた予定調和が不確定要素によって乱されたそれをどう調理するかは役者の技能+センス…言うなれば生き様が反映される…ということなんじゃないでしょうか。知らんけど。

まぁ分析すればそれっぽいことは考えられますが、あんまり上手いことやろうとしないで、どうすれば面白くなる!?と必死にやるしかないのが即興だと思います。

思い返せば自分も大学で演劇を始めて、大学の時の稽古は即興ばかりやっていました。夏休みの稽古なんか1日8時間ぐらい即興をやってそれを何日もやってたりして、今思えば頭がおかしかったのは確かですが、それぐらいやってても、結局何が面白いのかわからないのが即興です。
ちなみに即興・エチュード・インプロとはそれぞれ違うらしくって、今回の劇団チリのやつは、流派としてはインプロではないらしいのですが、そこら辺のことは全然わかっておりません。
本来、個人的には面白ければ何でもええやんと思うぐらいの野良即興人間…即興過激派タイプの人間ではあると思うのですが、劇団チリの流派で上手いことやりたいと思ってはいます。

明日から始まります、劇団チリ、観てね!
こんだけ書いたけど自分は即興は一回しか出ないよ!
短編は3日間出るよ!
自分が出てない回も、どの回も、とにかくオススメだから、来てね!来てね!来てね!!!

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