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Audibleと映画で体感する『口に関するアンケート』——映画のあとに聴き直して見えた、もう一つの解像度

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こんにちは TOMORI です。

移動中や家事の合間にAudibleで「聴く読書」をするのが、すっかり日課になっています。

少し前に背筋さんの『近畿地方のある場所について』を聴き、その流れで続けて再生したのが短編小説『口に関するアンケート』でした。

『近畿地方〜』と同様、詳細な説明を省いた「余白」の多い構成ですが、本作はよりシンプルで分かりやすく、短編として非常にスッキリと洗練されているのが印象的でした。

【耳元で声が崩れていくAudibleの体験】

噂によると紙の書籍版には「文字が徐々に赤く染まっていく」という視覚的な仕掛けがあるそうですが、Audible版で私をゾッとさせたのは「音の歪み」でした。

モキュメンタリー形式の回答音声が進むにつれて、証言者たちの声にノイズが混ざり、だんだんと耳元で「声がバグっていく」生々しさ。

さらに印象的だったのが、ナレーションによって淡々と問いかけられるラストの「アンケート」です。頭の中で答えを考えてしまった瞬間、「言葉を通じて、自分もこの怪異を認識してしまったのかもしれない」という不気味な余韻が強く残りました。

【映画版の出来と、強烈なJホラー感】

その不気味な余韻が頭から離れず、先日実写映画版も劇場へ観に行きました。

原作はたった60ページほどの短編ですが、映画版は単なるストーリーの引き伸ばしではなく、別のアプローチで描かれた不条理ホラーに仕上がっていました。

刑事や週刊誌記者といった第三者の視点が加わったことで、観客も彼らと同じ目線で事件を追うことになります。原作が人間の嫉妬や悪意から紐解かれるロジカルなミステリーの面白さを持っていたのに対し、映画版では言葉や噂話が人々の間で拡散し、現実そのものが侵食されていくようなJホラー特有の不気味さに振り切っています。

前作の『近畿地方〜』と比べても、本作の方がじっとりとした「Jホラー感」が強く描かれており、個人的には『口に関する〜』の映画の仕上がりの方が好みです。映画館の立体的な音響とクローズアップの映像も相まって、胸がざわつく満足感がありました。

【映画を見たあとに、もう一度Audibleへ】

そして特に面白かったのが、映画を見終わってすぐにAudibleで原作をもう一度聴き直してみたことです。

映画を見たあとにすぐ聴き直すことで、原作と映画の設定や構成の違いが明確になり、よく似たストーリーでありながら実は「別物の物語」として成り立っていることがよく分かりました。

シンプルなホラーミステリーとして完成されている原作が、どのようにして秀逸なJホラーへと仕上がったのか。

両者を比較することで、それぞれの良さがより一層浮き彫りになります。

また、一度映画館で映像のイメージを得た状態で聴くことで、初聴き時には聞き流していた証言者のわずかな「声の揺れ」や「間の取り方」も鮮明に浮かび上がり、小説としての解像度も一気に上がった気がしました。

「あの映像の背景にあったのは、この声だったのか」と答え合わせをするような感覚もあり、作品の奥行きがグッと広がりました。

Audible

【おわりに】

説明しすぎない余白を耳で楽しむAudibleと、Jホラーとしての恐怖を存分に味わえる映画。

個人的には、「Audibleで聴く → 映画を見る → 再びAudibleへ戻る」という往復の楽しみ方が大正解でした。一度観たり聴いたりした方にも、ぜひこの解像度が上がる体験を味わってみてほしいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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