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パリジェンヌと本、自分らしさが育つ理由


以前、「パリジェンヌは本と一緒に生きている。」という記事を書いた。

パリジェンヌの暮らしを思い浮かべると、そこにはいつも本がある。
読みかけの小説や、使い込まれたエッセイが、特別に飾られるわけでもなく、自然に日常の中に置かれている。

そんな風景を見ているうちに、最近は少し違うところに目がいくようになった。
本があることそのものよりも、本を通して人の中に何が育っているのかという部分。

私自身、本を読むようになったのはここ数年のこと。
それまでも読んでみようと思ったことは何度もあったけれど、続かずに終わることが多くて、気づけば本から離れていた。読書は、自分にはうまく続けられないものとして、どこかで距離を置いていた。

それでも少しずつ本を読むようになってから、感じ方が変わってきた。

SNSでは、たくさんの情報やいろいろな人の考え方に触れることができる。それはとても便利で、視野を広げてくれる場所でもある。ただ、本はそれとは少し違う。

本は、その答えを受け取るのではなく、自分で考える時間をくれる。

その中で起きることは、とても小さなものだけれど、確かに残っていく。

「さっきのところ、もう一度読んでみよう」
「これは少し深く調べてみようかな」
「なるほど、こういう見方もあるんだ」

そんなふうにページの外へ思考が広がっていく。

その積み重ねの中で、「自分は何に興味が湧くのか」が少しずつ見えてくる。

気づけば、もともと強い関心があったわけではないことにも惹かれていたりする。私自身、本をきっかけにアート作品そのものに興味が湧いたり、美術館に行ってみたくなったりしたことがある。

そういう小さな興味をきっかけに、少しずつ行動や関心が広がっていく。調べてみたり、実際に見に行ってみたりするうちに、自分が何に心を動かされるのかが輪郭として見えてくる。

その積み重ねの中で、感受性が少しずつ豊かになったり、感性の幅が広がっていくことで、自分らしさが見えてくるのだと思う。



パリジェンヌが流行に振り回されすぎないことや、自分の意思を持っているように見えることも、特別な答えを持っているからではなく、こうした小さな積み重ねの中で、自分をつくってきたからなのかもしれない。

本は知識を増やすためのものというより、自分と向き合いながら、自分を知っていくための時間をくれるもの。
その時間を自然に持っていることが、パリジェンヌと本、自分らしさが育つ理由なのかもしれない。



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