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【社労士が解説】休職中も容赦ない、税金と社会保険料の話

適応障害で休職してた社労士、きゅうまるです。


休職すると、給与はゼロに。

「収入がないんだから、支払いもはず…」

と思いきや、現実はそう甘くありません。

税金や社会保険料の請求は、休職中でも容赦なくやってきます。

なぜ、無収入でもお金を払わなければならないのか
──社労士がその仕組みを徹底解説します。




■休職中も引かれる?「社会保険料」と「税金」

まずは、毎月どんなものが給与から「引かれている」のか整理していきましょう。

💰給与から引かれるもの
▶︎健康保険料
▶︎介護保険料(40歳〜64歳)
▶︎厚生年金保険料
▶︎雇用保険料
▶︎所得税
▶︎住民税

こうやって見てみると、色んなものが引かれているのがわかります。
では休職中、これらたくさんの社会保険料や税金はどうなるのでしょうか?

答えは、、、


…休職前とたいして変わらず、引かれ続ける。涙

悲しい現実を突きつけられますね。

でも、大切なお金の話です。
目を逸らさずに、ひとつずつ見ていきましょう。



▶︎社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金)
会社に在籍している限り、休職中も原則としてかかります。
給与の支給があるかどうかは関係がありません。
あくまで、会社に在籍しているかどうかで判断されます。
※介護保険料がかかるのは40歳~64歳まで


▶︎雇用保険料
休職中に、給与の支給がなければ基本的には発生しません。
雇用保険料は、給与に比例して発生する仕組みのためです。
逆に言えば、給与が支給されるのであれば、引かれるということです。

※雇用保険料は元々たいした金額ではなく、給料の0.5%くらいしかかかりません。そのため、引かれても・引かれてなくても、実際たいした影響はありません。


▶︎住民税
基本的にはかかります。
住民税は、前年(1月~12月)の所得に基づいて、6月から翌年5月まで払う仕組みです。つまり、たとえ休職して当年に無収入でも、前年に働いていれば課税されます。

しかし、例えば前年から引き続き休職をしており、前年も給与がない場合などはかかりません。


▶︎所得税
雇用保険料と同様、給与がなければ基本的にはかかりません。
逆に言えば、給与が支給されるのであれば、引かれるということです。



ここまでを簡単にまとめるとこんな感じ👇

●社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金保険)、住民税はかかる
●雇用保険料、住民税は、給与がなければかからない

※上記のどちらも例外ケースもありますが

休職中なのに、色々盗られてしまうんですね。
(あえて「盗」の字を使いました。引かれるものが多いことへの皮肉です)

ところで、休職中で給与がない場合、社会保険料や税金はどこから引くのでしょうか?

この問いについても、続けてみていきたいと思います。


■給与がないのに、どこから引くの?

雇用保険料と所得税は、給与の発生を前提に徴収されるため、特に問題ありません。しかし、社会保険料や住民税は、給与がない場合でも引かれるため、別の方法を取ることになります。

それには、大きく分けて以下の3つの方法があります。


①会社が一時的に立て替えをしてくれる
一旦、会社が立て替えて、あとで清算するという方法です。
たとえば後日、本人が会社に振り込んだり。

ほかにも、賞与の支給があった場合はそこから清算したり、復職後の給与から清算することもあります。もしくは、傷病手当金と相殺という運用をしている会社も多いです。

ちなみに、傷病手当金と相殺するには、必ず本人の同意が必要なのと、傷病手当金の振込口座を会社に設定する必要があります。

なお、社会保険料は立て替えられることが比較的多く住民税は会社の運用次第で立て替えられる場合があるというイメージです。ただ、会社や休職期間によって運用は異なりますのでご注意ください。


②本人が会社に振り込む
こちらは特に解説不要かと思いますが、税金・社会保険料の発生都度(毎月)、本人が会社に振り込むということです。

毎月は振り込まず、ある程度まとまった期間ごとに払うというケースもありますが、その場合は、①の「会社が一時的に立て替えをしてくれる」と同じことでもあります。


③普通徴収に切り替え(住民税のみ)
住民税の支払い方法は2つあります。
ひとつは、会社が給与から自動で天引きして納めてくれる方法(特別徴収)
もうひとつが、自分で納める方法(普通徴収)

会社に勤めていれば基本的には給与から自動で天引き(特別徴収)となるのですが、天引きするための給与がないため、本人が直接市区町村に納付(普通徴収)する方法に変えるということです。


簡単にまとめるとこんな感じ👇

●会社が一時的に立て替えをしてくれる
●本人が会社に振り込む
●普通徴収に切り替え(住民税のみ)

なんとなくのイメージはつきましたでしょうか?

いずれにしても、給料から徴収ができない場合、基本的には会社から連絡がくるため、焦る必要はありません。


■会社が負担してくれることもある?

休職中の本人の負担を軽減するため、会社が社会保険料・税金を負担してくれる場合もあります。

税金を会社が負担してくれるケースは極めて稀ですが、社会保険料を負担してくれる会社は一定数あります。

中小企業ではそこまで多いとは言えませんが、大企業の場合、福利厚生の一環として社会保険料を負担してくれるところは比較的多い印象です。

ただ、休職中ずっと負担してくれるわけではなく、一定期間に限定したりなど、運用は会社によって異なります。

簡単にまとめるとこんな感じ👇

●社会保険料を負担してくれる会社もある
●税金を負担してくれるのは極めて稀
●負担してくれるのは期間限定の場合もある

過度に期待を持つべきではありませんが、一度、お勤め先の会社の就業規則を確認してみてはいかがでしょうか?


■傷病手当金にも社会保険料・税金はかかるの?

傷病手当金とは、健康保険から支給される「非課税の生活保障給付」です。
そのため、原則として社会保険料や税金は一切引かれません。

しかし、注意点があります。

傷病手当金を勤務先の口座経由で受け取っている場合、会社が立て替えていた保険料や住民税を、そこから差し引いて振り込むケースもあります。

これは「傷病手当金から引かれる」というより、
「傷病手当金を会社が一時預かり→精算して残額を振込」という形です。

そのため、傷病手当金そのものに税金・社会保険料がかかっているわけではありませんが、傷病手当金の支給額を見た時に、「思っていたより少ない」と焦ってしまう人もいます。

不安な方は、会社へ直接「手当金の精算方法」を確認するのがよいでしょう。


■まとめ ー 休職中のお金の仕組み、こう理解しよう

▶︎休職中でも発生するもの
◎社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金保険)
◎住民税

ーー◤◤POINT◢◢ーー

●社会保険料は、給与があるかは関係なく引かれる
●住民税も基本的には引かれる
●住民税は、前年の給与によっては引かれない場合もある
※前年の給与を元にするため
●給与がない場合、以下3つの方法いずれかで納める
(1). 会社が一時的に立て替え
→後日、賞与や復職後の給与などから徴収又は傷病手当金と相殺など
(2). 本人が会社に振り込む
(3). 普通徴収に切り替え(住民税のみ)
●社会保険料は会社が負担してくれることもあるが、住民税は極めて稀


▶︎休職中でも、給与がでていなければ発生しないもの
◎雇用保険料
◎所得税

ーー◤◤POINT◢◢ーー

雇用保険料は給与がなければ基本的には引かれない
●所得税も給与がなければ、基本的にはかからない
●つまり特に意識することはない


▶︎(補足) 傷病手当金について

ーー◤◤POINT◢◢ーー

●傷病手当金そのものには社会保険料・税金はかからない
●社会保険料や住民税を、傷病手当金と相殺することはある

なんとなくの全体像のイメージは掴んでいただけましたでしょうか?

最後に、要点をまとめて終わりにしたいと思います。


■最後に

少し長くなりましたが、大事なポイントは3つです。

✴️休職中でも社会保険料と住民税の支払い義務は続く
✴️雇用保険料と所得税は給与がなければ発生しない
✴️傷病手当金には税金・社会保険料はかからない

まずは、このことだけ覚えていただければOKです。

ちなみに、傷病手当金はざっくり給料の2/3支給されますが、今回お話したように、休職中にも税金・社会保険料がかかるため、「思っていたよりお金がない」という事態になることも。

じゃあ、結局どれくらい傷病手当金は手元に残るの?

というご質問に対しては、また別の記事で書こうかなと思っています。

最後になりますが、私の専門は社会保険になりますので、税金について詳しくは税理士へお問い合わせください。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

「ちょっと気になるな」と思っていただけたら、ぜひフォローしてもらえると嬉しいです。

きゅうまる

私のこれまでの経緯や想いについては、こちらに詳しく書いています👇

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