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休職期間満了は、必ず退職とは限らない?【社労士が解説】

適応障害で休職してた社労士、きゅうまるです。



早速ですが、その話、鵜呑みにしていませんか?


「休職期間は最大〇か月までとする」
「休職期間が満了した場合、自然退職とする」


このような、一文を就業規則で見たことはありませんか?


もしくは、会社から「休職期間が満了したので退職となります」と言われた場合どうでしょうか?


休職期間が満了したのだから仕方ない、、、退職するしかないか。

就業規則の一文、会社からの通達。


そのまま鵜呑みにしていませんか?


結論からいうと、休職期間が満了したからといって、必ずしも退職しなければならないわけではありません。会社と交渉の余地があります。



休職期間満了による退職の流れ

企業の多くは、就業規則の中で「休職期間は最大〇ヶ月まで」と定め、この期間が経過しても復職できない場合には自然退職となる旨を規定しています。


たとえば、メンタル不調で休職して1年。その後も復職できないまま期間満了を迎えたら、自動的に退職扱い——。


実務上はよくある話です。
しかしここで立ちはだかるのが、労働契約法19条です。



労働契約法19条とは?

この条文では、「期間の定めのない契約(=正社員)を雇止めにする場合、客観的合理性と社会通念上の相当性が必要」と定められています。


かみ砕いて言うと、「辞めさせるにはそれなりの正当な理由がいる」ということです。


つまり、「休職期間が終わったから」といって、それだけで当然に退職になるとは限らないのです。



でも就業規則に書いてあるし・・・

もちろん、就業規則に効力がないという話ではありません。


ただし、個々のケースごとに、「本当に復職の可能性が全くない状態だったのか?」が問われることになります。

たとえば、以下のようなケースでは、裁判では「退職扱いは無効」と判断されることがあります。

✴️医師が「近いうちに復職可能」と診断していた
✴️会社が一方的に復職を拒否した
✴️実際には軽い業務なら可能だったのに考慮しなかった

「就業規則に書いてある=必ずその通りになる」わけではありません。
それを認めると、なんでもかんでもまかり通ってしまいますので。



休職期間満了による退職が無効になったケース

では実際に、休職期間満了による退職は認められなかったケースはあるのでしょうか?


過去の裁判の結果をちょこっと覗いてきたいと思います。

①大林ファシリティーズ事件(東京地裁 平成24年)
≪裁判の経緯≫
・原告(従業員)はうつ病により長期休職していた。
・「休職期間満了時に復職できなければ退職」の旨が就業規則に記載あり。
・休職期間は1年間
・主治医は「業務の軽減を前提とすれば復職可能」と診断していた。
・原告が復職の意思を示したが、会社は復職を認めず、自然退職と扱った。
・原告がこれを不当として裁判を起こした。

≪結果≫
裁判所は、「復職の可能性があるにも関わらず、それを全く考慮せず退職扱いとするのは、社会通念に照らして合理的とは言えない」と指摘し、退職を無効とししました。
*ちなみに裁判所は「復職させる義務がある」というスタンスではなく、配置転換等の措置は任意的で、義務ではないとしています。

②学校法人聖カタリナ学園事件(松山地裁 平成26)
≪裁判の経緯≫
・原告(教員)はうつ病により長期休職していた。
・「休職期間満了時に復職できなければ退職」の旨が就業規則に記載あり。
・休職期間は6か月年
・その時点で回復していなかったが、医師「近く復職可能」と診断。
・本人も医師の意見と同様、「近く復職可能」の意思であった。
・学園は休職期間満了時、「復職困難」とし復職を認めず自然退職とした。
・原告がこれを不当として裁判を起こした。

≪結果≫
裁判所は、復職の可能性の十分な検討や休職期間の延長など、柔軟な対応をせず機械的に退職扱いにしたことは不合理とし、退職は無効と判断された。



まとめ

この裁判の結果も踏まえ、「休職期間満了による退職」の考え方を整理しますと、

就業規則に記載がある=絶対ではない。
✴️「休職期間満了=退職」は、あくまで “原則” の考え方。
✴️期間満了で一律的な線引きをせず、医師の意見や本人の意思、会社の就業環境の調整余地をもとに、柔軟に対応する必要がある。
✴️復職にあたり配置転換や業務軽減は会社の義務とまではいえない(会社の規模や状況、職種によって現実的に対応できない場合もある)

「かならず復職や職期間延長ができる」というわけではないですが、会社と交渉の余地があると考えていただければよいと思います。


医師が「あとちょっとで復職できる」「軽微な仕事ならできる」と判断したのであれば、交渉材料としては武器になります。

もちろん、配置転換や業務軽減は会社の義務ではありません。

ですが、会社側にはそれなりの考慮・検討が求められるということです。


つまり、裁判の結果も示す通り、「義務ではないが、無視はできない」というバランスが、休職期間満了による退職の有効性を考えるポイントになるのです。


休職期間が満了がしたからと諦めず、ぜひ会社と話し合うことも考えてみてはいかがでしょうか?


ここまで読んでくださりありがとうございました。

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きゅうまる

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