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aide_tsumugu
医師が退室したあと
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説明が終わる。
医師が言葉を置いて、
静かに頭を下げる。
扉が閉まる。
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音が消える。
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次の瞬間、
部屋の空気が変わる。
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崩れ落ちる人。
声にならない声。
動けなくなる足。
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ここから先は、
看護師の時間だ。
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説明はもう終わっている。
医学的な話も終わっている。
残っているのは、
現実だけ。
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私は近づく。
声はかけない。
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泣き声の中で
言葉は役に立たないことがある。
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背中に手を置く。
肩に触れる。
隣に座る。
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それだけで、
張りつめていたものが切れて
泣き出す人がいる。
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正解の声かけなんてない。
正しい関わり方もない。
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あるのは、
目の前の家族と、
今この瞬間だけ。
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救急は、
処置の場所だと思われている。
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でも本当は、
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人が一番弱くなる瞬間に
立ち会う場所だ。
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看護師は、
その瞬間からが本番だ。
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