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mayumingo17
「現場は終わっても、終わらない」
終わったあとも、終わらなかった。
帰宅して靴を脱いだ。
いつもと同じはずの床が、少しだけ遠く感じた。
部屋は静かだった。
物音ひとつない。
それなのに、
耳の奥ではまだ、音が鳴っていた。
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ピッ
ピッ
ピッ
モニター音。
止まったはずの音。
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手を洗う。
石鹸の泡が流れていく。
でも、感触が残る。
押した感覚。
沈んだ感覚。
骨じゃなかった感覚。
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蛇口を閉める。
静かになる。
それでも消えない。
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目を閉じると、
背中が浮かぶ。
衣類の濡れ。
赤。
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もし。
もう少し早く。
気づけていたら。
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分かっている。
結果は同じだったかもしれない。
それでも。
考えてしまう。
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時計を見る。
もう夜中だった。
何時間経ったのか分からない。
時間の感覚だけが薄い。
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布団に入る。
暗い天井を見上げる。
眠気は来ない。
代わりに来るのは、
さっきの現場。
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目を閉じる。
すぐに開く。
また閉じる。
開く。
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あの日から、
一つだけ分かったことがある。
現場は終わっても、終わらない。
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