まわる白昼夢
5月のおわりに思い立ってひとり旅をしました。去年の夏に旅をしてから行きたい場所が増えるばかりで、今回ははじめての兵庫です。
まわる喫茶室コスモス
いちばんの目的は喫茶コスモス。床がゆっくりと動いて、座席に座っているあいだに景色がぐるっと一周する素敵なお店。回転しながら景色を楽しむ「回転レストラン」は1980年代には全国で50箇所くらいあったれど、現在も営業しているお店は僅かしかないのだそう。コスモスはそんな数少ないうちのひとつ。
ゆられて
山陽電鉄に乗って須磨浦公園駅へ向かう。関西の電車は座席が前向きで、新幹線やバスなどと同じはずなのに関西に来るたびに新鮮に驚いてしまう。
駅に到着。改札を抜けると青い海が広がっていて、駅のすぐ横にはチケット売り場がある。「小高い場所に喫茶店がある」という大雑把なイメージのまま来てしまったけれど、どうやら喫茶コスモスは遊園地の中にあるらしい。

遊園地に向かうためには、ロープウェイとカーレーターの2つを乗り継ぐか、徒歩で山をのぼる必要がある。せっかくだから乗り物を使うことにして、遊園地の入場券と往復乗車券のセットを購入。カーレーターは初めて聞いた乗り物だけれど「乗り心地の悪さ」が有名だそうで、これまでに訪れた芸能人の写真やテレビ取材の様子が紹介されていた。

ぼんやりしているうちに順番が来て、どきどき、そわそわ。トロッコのようなものに乗り込むと、席に背中を付けた直後にガタッ!ガタガタガタとすさまじく揺られる。予想の3倍くらい乗り心地が悪くて、安全基準とかは大丈夫なのだろうかと思いつつも楽しい。カーレーターは、ジェットコースターが急降下に向かう前のゆっくりさで上る。

おはなし
カーレーターを降りると回転展望閣がある。東京タワー完成と同じ昭和33年に営業をスタートしたそうだけれど、一方で未来を感じさせるような、すこしふしぎな雰囲気。


喫茶コスモスに到着! 回転展望台の2階にゲームコーナー、3階には喫茶コスモスが入っていて、屋上に行くこともできる。懐かしい音楽が流れていて、様々な年代のお客さんがいて……。「なぜだか知っている雰囲気だ」と思ったのは、スキー場に似ているからかもしれない。こういう施設に来るとなぜだかカレーが食べたくなって、メロンソーダーとカレーライスを注文する。

何とか席を見つけると、座席を探していた近くのおばあさまにも声をかけて相席をすることに。食べ終えた頃、カメラを見たおばあさまが「どんなものを撮っているの?」と話しかけてくださった。
カメラの話題から始まったけれど、その後は旅行のこと、そしておばあさま自身のことも教えてくださった。「毎日楽しく生きる」とあちこち気になった場所にお出かけをしていて、この場所はテレビで知ったのだそう。まさか東京から来たひとと話せるなんて!ときらきらとした笑顔がとても素敵で、こういう歳の重ね方をしたい。他には何を話したっけ。カーレーターがガタガタで怖かったこと、実はふたりともニックネームがおんなじなこと。

かえり
気づけば景色が1周して、「最初の場所に戻ってきた!」とふたりではしゃぐ。ひと回りが1時間くらいだから、その間ずっとお話をしていたみたい。おばあさまは家に帰る時間だそうで、カーレーターの乗り降り口までお見送りをする。最後にぎゅ、と握手をしたけれど、それがお別れの合図ようでとってもさみしい。また会えたらいいいな、元気でいて欲しいな。

姿が見えなくなるまで見送った後は、まだ行っていなかったゲームコーナーと展望台にも行く。インベーダーゲームやクレーンゲーム、お金を入れて動くタイプのセーラームーンやハローキティの乗り物などが並んでいて、遊んでいる人たちでがやがやと賑やかだけれど寂しい感じもする。子どもの頃にスーパーに併設されていたゲームコーナーを思い出した。

兵庫に行ってみようと思い立ってから、旅行の数日前にSNSで喫茶コスモスの存在を知って、寄り道をしたから到着がお昼になって。全部の行動が、このためだったのだろうかと思ってしまう。白昼夢のようにぼんやりとした、ゆらめくような時間で、この先も思い返すしてしまうだろうなと思う。
シャチに会いに行く
旅先でつい探してしまうもの。喫茶店と書店、そして雑貨屋さん。最近は水族館と美術館も行き先に加わって、いつも時間が足りなくなってしまう。神戸に引き返しながら、「神戸須磨シーワールド」に立ち寄ることに。
ひといき
月見山駅というとても素敵な名前の駅で降りる。水族館に向かおうとしたところに素敵な外観のお店・喫茶ポエムを見つけて、すこし休憩をする。ナポリタンも美味しそうだったけれど、お腹がいっぱいだったのでブレンドコーヒーとプリンを注文する。

旅行の思い出はいつも日記に書いているのだけれど、今回は「旅のしおり 兼 出来事を書き留めるノート」をつくってみた。コーヒーを飲みながら今日のことを書く。
きらめく
日本で飼育されているシャチはわずか6頭で、そのうちの2頭がシーワールドにいるのだそう。チケットを買って、シャチのパフォーマンスの最終回に滑り込む。クジラやイルカ、シャチといった海生哺乳類が大好きなのだけれど、実際にシャチを見たのは初めて。想像以上に大きくて、想像以上に可愛い。水しぶきを上げながらのジャンプも凄かったけれど、トレーナーさんがシャチのおなかに乗ったり、ぎゅっとしていたり、コミュニケーションしている様子を見ているだけで関係性の深さや愛が伝わってくる。とてもとても楽しいショーだった。


ショーが終わり展示エリアに移動する。本当はイルカショーも観たかったけれど閉園時間が近いので断念。夕方だからか展示は全体的にがらんとしている。人間がいない水族館の雰囲気が好きかもしれない、と最近気づく。
くらげのエリアは「くらげライフ」というあまりにも最高な名前で、ぼんやりとした空間も素敵。大きい水槽にいるミズクラゲも良いけど、特に気になったのが白くて大きいユウレイクラゲ。悠々と漂っている姿は幽霊のようにも煙のようにも見える。くらげは大好きだけれど、実際の海で出会うのは怖い。


大水槽もきらきらとしていて、海底から水面を見上げている気分になる。小さい子が「しゃめ!しゃめ!」とサメを指さしているのが微笑ましい。サメってかっこいいよね。

屋外にはペンギンがいる。巣穴がある水族館は初めてみたけれど、そのお陰で2、3羽ごとでまったりしている様子が見て嬉しい。みんな家族で過ごしているのかな。


閉館時間ぎりぎりまで滞在して、余韻に浸りながら神戸まで戻る。水族館では友だちへのプレゼントも購入できたので大満足でした。
おしまい
最近は空気が抜けてしまったみたいにへとへとの毎日で、noteを更新したのも久しぶりな気がします。その時に思っていたことや感じたきらめきを100%の純度で残したいと思いながら、いつも「素敵」という言葉に頼り切ったり思うように書けなくてうじうじしてしまう。2026年も気づけば折り返し、もっと文章も写真もがんばりたい!です!
⋆ ࣪. ˖ ࣪⭑
旅行を機に、ずっと迷っていたフォトプリンターを買いました。CanonのSELPHY CP1500という機器です。写真がとっても綺麗に写るのですごく可愛くて、眺めるだけでにこにこしてしまう。プリント用紙もややお値段がするからバシバシ印刷はできないけれど、手帳がいい感じになって嬉しい。


